[07前] コアセミナー

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基本情報

履修条件

ゼミ活動に対する情熱とやる気をもっていること。
法学部に入った動機が積極的なものか消極的なものかは問いません。大学で一生懸命勉強したい,でもどうやって勉強したらよいか分からないという方の参加を歓迎します。

授業の目的

コアセミナー(法政基礎演習I)の共通目標

大学時代の4年間は人生の中で最も能力が伸びていく時期の一つです。そのために是非必要なのが,入学直後の段階で,法律学・政治学の勉強の仕方を身につけることです。このコアセミナー(法政基礎演習Ⅰ)は,少人数でのゼミ形式の中で,具体的には以下の4点にわたる勉強の「フォーム」を体得することを目的としています。

(1)情報の集め方について学ぶこと
法律学・政治学に関する先端的な問題には唯一の正解はありません。その中でバランスの取れた解答をつくり出すためには,幅広く情報を集めておく必要があります。図書館の使い方,文献の集め方,パソコンの使い方など,情報収集の方法を早く身につけておくことが,学習の第1歩です。

(2)情報の分析の仕方について学ぶこと
法律学・政治学に関する著書・論文は,これまでに経験した活字と比べても難解に思われるかもしれません。これらを読み解くには基礎的な知識に加え,回数を重ねることで得られる「慣れ」もある程度必要です。こうした作業についてみなさんよりも長く経験している教員からのアドバイスを得ることで,早い段階で情報の分析に慣れることを目指します。

(3)議論の方法について学ぶこと
法律学・政治学の大学における学習は,すでにできあがっている知識を単に覚えるだけでは不十分です。新しい問題に対応する「新しい知識」を自らの手で生み出す必要があります。そのために最適なのが,少人数で集まって議論することです。報告者によるプレゼンテーションの方法,司会者による議論の誘導の方法を体得することを目指します。

(4)自分の意見を説得的に文章にまとめる技術について学ぶこと
法律学・政治学の学習では,最終的に自分の意見を説得的にまとめ,ある程度のまとまった長さの文章にして示すことが求められます。論理的な文章を書く力は,大学における定期試験やレポート・論文を乗り切るためだけではなく,社会に出てから活躍する上での基礎力ともなります。この技術の涵養を図ります。

この演習の目標

私たちは,手持ちの資金が十分にない状態でも,「借金」をすることで大きな買い物をすることができます。また貯めた資金を銀行などに預けると,(ごくわずかの)利子がつきます。インターネット上で決済をするにはクレジットカードを利用することが一般的です。新聞などを見てみれば,銀行の不良債権・自己破産・消費者金融問題など,借金に関係するニュースがあふれています。「借金」は国・地方公共団体にもあり,その赤字が膨らみすぎているためにさまざまな改革がなされようとしています。このように「借金」は現代の日本社会の実情を切り取るキーワードです。そこで本演習では,借金をめぐる具体的な問題を取り上げ,法律学・政治学の観点からアプローチを試みたいと思います。半年間で,今後法学部で勉強する各科目のイメージやアウトラインがおぼろげにでもつかめることができれば,この先の勉強は飛躍的に楽になります。

上記のプロセスを経ることで,大学時代に是非身につけておきたい知的生産の方法を体得することが,真の目的です。本演習が,氾濫する情報の中からものごとの真相を捉える力を養う契機となれば,と考えています。また,本演習では,論理的な文章を「書く」力を高めることを重視します。授業計画の中に何度も「書く」課題が出てきているのはそのためです。学部卒業後,どの進路(法曹専門職(法科大学院)・公務員・民間企業・研究職など)を選択するにしても,「書く」力は必ず要求されるからです。

授業の概要・授業計画

本演習では前半の1/3をオリエンテーション期間とし,主として法律学の基本的用語・考え方・勉強方法などを対話形式で学びます。後半2/3はゼミ報告期間とし,ゼミ生の報告と討論を通して「借金」に関する問題を検討します。

オリエンテーション期間

[第1回]法律学への招待
自己紹介の後,入学直後のみなさんが抱いている法律学に対するイメージや疑問を出発点にして,これからの4年間に法学部で法律学を学ぶ意味について考えます。

[第2回]法学入門
法律学の全体像はどうなっているのか,法律学の基本的な考え方はどのようなものなのかを学びます。あわせて法律学の勉強に必要な道具(例:六法・判決文・基本書)の使い方を実習形式で身につけてもらいます。

[第3回]法律学の勉強方法 ①演習
演習形式の授業を受ける際に必要となる技術,具体的には情報収集の方法・情報分析の方法・プレゼンテーションの方法について説明します。文系合同図書室の見学や情報検索ツールの利用方法についての実習も行いたいと思います。

[第4回]法律学の勉強方法 ②講義
講義形式の授業を受ける際に必要となる技術,具体的には予習や復習の仕方・講義を聴くポイント・ノートの取り方・定期試験における答案の書き方などについて学びます。

ゼミ報告期間

[第5回以降]ゼミ報告
参加者数にもよりますが,最低1回はゼミ報告をしてもらいます。第3回ゼミで割り当てたテーマに従って報告してもらい,その後全員で討論します。

授業の進め方

[第1回]
自己紹介の際に,①法学部に入った理由 ②このゼミを選んだ理由 ③将来の希望進路 の3点を含むスピーチをしてもらいます。即興で考える自信がない場合は予め何を話すか考えておいてください。

[第2回]
教科書(民法の聴きどころ)の第Ⅰ部(~30頁),教科書の第Ⅲ部(70頁~)を熟読して来てください。そこで疑問に思ったことを発表してもらいますので,メモをしてきて下さい。

[第3回]
「借金」に関するニュースのうち最も自分の興味を惹いた新聞記事・雑誌記事の全文コピーを用意してください。基本的にはここで選択した記事が以降のゼミ報告及びゼミ論文のテーマとなります。そして,その記事の要約とその記事を読んで思ったこと・考えたことをA4で1枚(約1500字)のレポートにしてください。構成は次のようにしてください。
(1)導入部分…このレポートの目的の提示(150字程度)
(2)要約部分…新聞記事等の要約(500字程度)
(3)問題提起…記事の中で疑問に思った部分とその理由を提示(200字程度)
(4)議論の展開…問題提起に対する自分の考え方を実証的に(資料・経験等を用いて)説明(500字程度)
(5)まとめ…全体の要約(150字程度)
(6)参考にした文献(もしあれば)
ゼミでは新聞記事等のテーマを発表してもらい,それをベースにゼミ報告テーマとスケジュールを割り振ることにします。レポートは提出してもらい,(最短で)次回に添削したものを返却します。

[第4回]
教科書の第Ⅱ部(32~67頁)を熟読して来てください。

[第5回以降]
報告者はレジュメを作成し(レジュメは報告1週間前のゼミで配布します),これに基づいて報告(30分)を行います。その後,全員で報告内容に関して討論します。報告者は,ここで出された質問や意見をベースに検討を重ね,報告から2週間以内に中間論文を提出します。中間論文は添削して返却するとともに,必要に応じて参考文献等を案内します。最終的には,学期末(8月中旬頃)までに報告課題に関するゼミ論文を執筆します。
ゼミ論文は(昨年度受講したこのゼミの先輩達のように)九州大学法政学会の「学生法政論集」に応募できる水準のものとなることを目指します(昨年度のゼミ論文集は法学部学習室で閲覧できます)。

教科書及び参考図書

六法はほぼ毎回使いますので必ず持ってきてください(ポケットサイズのもので結構です)。

オリエンテーション期間における教科書として
米倉明『民法の聴きどころ』(成文堂・2003年)(¥1,680)
この他の参考書についてはゼミの中で紹介します。

ゼミ報告・ゼミ論文における参考文献は,原則として活字のもの(著書・論文・判例・新聞記事・雑誌記事等)に限定します。インターネット上の情報を用いなければならない合理的な理由が説明できる場合に限り,インターネット上の情報を参考文献とすることを認めます。

試験・成績評価等

平素のゼミにおける状況(無断欠席した場合には,以降のゼミ出席は認めず,単位認定しません),提出物(レポート・中間論文),ゼミ報告及びゼミ論文により評価します。

その他

質問は随時受け付けます。とくに各自の報告・論文課題に関しては積極的に質問してください。また,討論の際には,どんな意見でもよいので,一日一発言してください。

本演習は学部3・4年生対象の行政法演習と協力しつつ運営されます。具体的なジョイント・プログラムとして,昨年度は合同でゼミ合宿を実施しました。

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