原田大樹 京都大学教授

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ゼミ生から見た原田先生

九州生まれ九州育ち,九大の若きスターと言えば原田大樹先生です。大橋先生から「彼は条文を読むのが趣味なんでしょうね」と評されたいきさつもさることながら,歩く六法全書(判例つき)のように幅広い知識で我々ゼミ生を助けてくださる存在でいらっしゃいます。

見た目は童顔の好青年,中身は若き研究者(たったひとつの真実見抜く),そんな原田先生のご趣味はケーキ作りだそうです。

以下に原田先生の魅力を簡単にまとめてみます。

  • 相談に快く応じてくれる!
    私たちがゼミ論文や報告内容で詰まったとき,原田先生の研究室を訪ねるといつも温かく迎えてくださいます。私たちへの助言は常に適切で,ゼミ生はいつも頼りにしています。
  • 歩くのとご飯を食べるのが速い!
    さすが大橋先生のお弟子さんと言うべきでしょうか,大橋先生同様歩くのがとても速い!また,ご飯を食べるスピードもとても速いです。時間を無駄にされない方ですね。
  • タイムスケジュール管理が完璧!
    原田先生は講義時間(ゼミ終了時間を除く)をきっちり守られます。タイムスケジュール管理は完璧としか言いようがありません。合宿の際に,バスでの移動時間を前年と比べられていたことには,我々も驚きました!
    また,先生は,一般の人よりもかなり早い就寝時間と起床時間を守っておられます。それ故,合宿や飲み会などで夜9時を過ぎるとゼミ生から心配されることもしばしばです。
  • パソコンに詳しい!
    原田先生は論文の内容ばかりでなく,パソコンに関する質問にも答えてくださいます。機械が苦手な我々にとって神のような存在です。

原田先生の魅力はまだまだ語り尽くせませんが,いつも勉強熱心で優しい原田先生を私たちはとても尊敬しています。

(市原奈都子,ぱにっく,藤田麻裕子,明石美紗子)

原田先生の研究業績

原田大樹さん(九州大学大学院法学研究院准教授)は,1977年に北九州市で生まれ,1996年に九州大学法学部に入学されました。学部3年の時に本ゼミに加入されて以来,大学院生時代・講師時代を通じて現在に至るまで,ずっとゼミを中心的に担っておられます。さまざまな分野にわたるゼミ生一人一人の報告を,常にしっかり下準備をした上で的確に理解し,改善すべき点を,厳しくしかし建設的に指摘される姿勢は,ずっと変わっていません。

2000年4月に原田さんは大学院修士課程に入学されました。最初の公表研究業績は,修士論文をリライトした「福祉契約の行政法学的分析」(法政研究(九州大学)69巻4号(2003年)765-806頁)です。この論文では,90年代後半以来の「社会福祉構造改革」によって登場した福祉契約に関する行政法学的分析が行われています。ドイツ法との比較検討の上に立って,利用者保護のための法システムを構築する上で民事契約法と行政法的なしくみとが有する密接な関係が指摘されています。原田さんの社会保障・社会福祉法分野に対する強い関心と,行政法学の対象と方法に関する問題意識とが反映された作品です。

2005年3月に原田さんは,九州大学大学院法学府博士後期課程を修了され,博士(法学)の学位を取得されました。その際の学位請求論文をリライトされたのが『自主規制の公法学的研究』(有斐閣,2007年3月)です。九州大学法学叢書の第1冊として出版された同書で,原田さんは一段とスケールアップされた研究を展開されます。これまで個別事例研究や,他の現象との関連で考察されたことはあっても,本格的検討の対象とされることがなかった「自主規制」について,同書は,日本・ドイツ・アメリカにおけるさまざまな法分野の100以上の具体例を収集し,それらを4つのモデル(団体自律モデル・団体参画モデル・監査認証モデル・誘導モデル)に分類した上で,各モデルごとの問題状況とコントロール手法のさまざまな試みを検討しています。「ある社会問題を解決するために国家によって選択・利用される政策手段」という視角から自主規制現象を考察するによって,公法理論自体が変容を迫られていることが指摘され,「公共部門法」としてその対象を拡大すべきこと,多元的な規制システムに対応した形成・調整原理を導出すべきことが提唱されます。

原田さんはいうまでもなくこれからの更なる飛躍が期待される研究者ですが,これまでのご研究の特徴としては,第1に,圧倒的な調査力があげられます。上の両論文では,さまざまな法分野における各国の具体的な法制度が数多くとりあげられていますが,それぞれの特徴を的確に理解するために検討されている文献の量は膨大ですし,その上に立って平明に叙述する手際の良さも特筆に値します。また,法理論的整理のみならず,制度の現実の運用にも情報収集が可能である限り目配りを怠らないという姿勢も一貫しています。

第2に,骨太の構想力です。これら両論文では,常に行政法学総体のあり方についての問題意識が失われることなく検討が積み重ねられ,随所で従来の行政法理論の根幹に再検討を迫るさまざまな提言がなされています。それら提言は,既存の枠組みに安易に寄りかからずに方法と体系を自分自身で構築しようとするしっかりとした姿勢に裏付けられている一方で,上に述べたような圧倒的な調査に裏付けられているため,蛮勇に陥ることなく,必ずしもそれに賛同しない者に対しても説得力を有するものになっています。原田さんは,これからも,日本行政法学全体にインパクトを与えるさまざまな研究業績を積み重ねられていくことでしょう。

(角松生史)

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