大橋・角松・原田ゼミ第13期(05年度)

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シラバス

基本情報

履修条件

2005年度前期に,この演習と平行して,角松・大橋共同開講の「行政法Ⅱ」を受講して下さい。

授業の目的

皆さんが将来どのような職業につくとしても,社会で活躍するために是非大学で身につけておくことが望まれる知的技術・知的能力があります。それは,
・解決すべき課題を発見できること
・それに関する情報を多方面から収集できること
・情報の分析・加工を通じて私見を作り上げられること
・同僚の前でわかりやすく,しかも論理的説得力をもって報告できること
・そして同僚との議論を通じて修正・改善された解決策をまとめあげること
の5点にわたります。
これまでの講義は,聴き手として受け身の学習が主でした。ゼミナールにおいては、皆さんが報告者としての役割を引き受け,主体的に上記の能力を積極的に開発してほしいと考えます。行政法に関するテーマが素材となることが多いのですが,それは手段であって,決して目的ではありません。

授業の概要・授業計画

前期は,行政救済法の勉強を統一テーマに,ゼミ生で楽しく議論します。参加者は近時の行政判例を報告します。報告では,法律解釈,判例理解の基本を学びます。具体的には,どうしてこのような紛争が生じたのか,事件の背景・原因にまで遡って考えてみます。その上で,実際に判決文を読んで,裁判所はいったい何を示しているのか,友達に語るような平易な言葉で説明するよう努めます。さらに,この判決の個性を知る意味でも,それ以前の諸判決とどこが同じで,どこが異なるのか,いかなる点で新しくて,どの点がおかしいのか,様々な角度から分析します。判決に少し詳しくなったら,学説がどういった反応を示しているのか,も調べてみます。また,2004年に改正された行政事件訴訟法によれば,どのような結論になるのかを考えてみます。さらに,憲法で勉強した「裁判を受ける権利」といった視点から,行政判例を見つめ直すことも重要です。民事訴訟法と比較して,行政訴訟の特徴探しをするのもいいでしょう。
ここまでくると,諸判決,諸説バラバラで,意見のベクトルの向きも入り乱れ,頭の中が不協和音だらけになることは,ほとんど避けられません。そうした混沌とした状況に自分をおいて,静かに,自分はどう考えるのかを自問してみます。こうした過程を繰り返して,「自分の頭で考える」時間を多くもつことは,皆さんを「真の大学生」にすることと確信します。
 後期は,各自がテーマを決めて,ゼミ論集の論文作りに挑戦します。目標は,自分で新しい法律・条例の制度設計をしてみることです。後期には,あなたが立法者です。

授業の進め方

参加者が研究調査報告を毎回分担し,それを素材にゼミ全員で議論します。

教科書及び参考図書

第1回目のゼミの時に,判決を紹介して,報告する判決を各自に選んでもらいます。

試験・成績評価等

ゼミにおける研究報告と,年度末に作成するゼミ論集の論文により評価します。

その他

前期は,角松生史先生にも参加いただき,御指導願う予定です。教員2名で丁寧に皆さんの学習をアドバイス,サポートします。

ゼミガイダンスパンフレット

ゼミ活動内容

<前期>ある一つのテーマに基づいて研究・発表を行います。個人で行うこともあればグループのこともあります。2004年度は行政訴訟法と民事訴訟法の比較研究を,2003年度は先進的な自治体条例の研究を行いました。

<後期>ゼミ論文を書きます。テーマは必ずしも行政法の分野にとらわれる必要はありません。自分が興味をもったことについて調べればよいのです。過去には,ストーカー規制法や出版業界の仕組みについて論文を書いたゼミ生もいます。 

大橋ゼミの特徴

<2004年度ゼミ生>
諸事情あって,2004年は新3年生を募集しなかったため現在学部4年生しかいません。4年生の男が3人,女が12人,他,行政法を勉強する大学院生も数人参加しています。

<ゼミ行事>
年度によって,ゼミ合宿その他行事をやっています。ゼミコンパももちろんやっています!とくに年度末のコンパは,ゼミ論完成の打ち上げになるので,みんな達成感であふれています。

<大橋洋一先生の魅力>
入ってみれば,大橋先生の人柄のよさがわかります。ゼミ生の中には,1年の低年次基礎演習のときから先生を追いかけている人が4人いますし,2年で授業を受けたときからファンになってゼミに入った人もたくさんいます。みなさんが大橋先生をあまり知らないのは,大橋ゼミ生に言わせれば「とてももったいない」ことです。

<ゼミ論文を書く意義>
皆,自由な発想でゼミ論を執筆しています。
大橋ゼミの一番の売りは,なんといっても論文執筆を経験できることです。九州大学の法学部には卒業論文を提出する義務がありません。論文を書かずに大学を卒業することは確かに「楽」なことです。しかし、就職や進学した後のことを考えれば,絶対に「論文を書く」という経験をすべきです!論文を書くためには、①問題を発見する→②情報を収集する→③情報に基づき自分で考える→④論文にまとめる,といった作業をこなさねばなりません。こうした作業を行い,レベルの高い論文を書くことによって,個人の能力は大きく向上します。また,3年生のときに論文を書くことは、就職や進学の際の大きな武器となります。実際、多くのゼミ生が,就職活動や公務員試験の面接,法科大学院の志望理由書などで,自分が3年生のときに書いた論文について触れ,高い評価を得ています。
「そんな論文を自分に書くことができるだろうか」と不安になる方もいらっしゃると思いますが,大丈夫です。今のゼミ生も2年生の時にはそう考えていました。やる気さえあれば誰もが力をつけることができます!

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