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paco Home>ernst>2017年4月

グラフィック行政法入門

グラフィック行政法入門』と題する行政法の入門書を,新世社より刊行することとなりました。

行政法総論・救済法のアウトラインにあたる内容は,すでに『例解 行政法』(2013年)の第1部で取り上げていたところです。『例解』でベースにしたのは学部の行政法総論・救済法の内容であり,これをコンパクトにまとめることを主眼としていました。これに対して今回の『グラフィック行政法入門』では,行政法未修者に対する行政法総論・救済法を提供する法科大学院の2単位科目を想定しています。限定された分量で,かつ法学未修者を対象に,行政法で最低限知っておくべき内容を精選しました。

また,グラフィックシリーズは,左頁が説明,右頁が図(またはコラム)という構成が統一的に決まっており,そのためこれまでにない分量の図表を盛り込みました。法学に必ずしも馴染みがない読者も想定し,重要な条文や判例も右頁で挙げることとしています。そのため,この一冊だけで行政法の概要はわかる作りにはなっていますが,本格的に勉強する場合には六法や判例集で内容を確認する方が良いと思います。

新しいタイプの入門書の刊行にあたっては,新世社の御園生晴彦氏に大変お世話になりました。ありがとうございました。

現代実定法入門

弘文堂より『現代実定法入門―人と法と社会をつなぐ』を出版させて頂きました。

単著の法学入門を書いてみたいと思ったのは,今から10年以上前のことでした。博士論文(『自主規制の公法学的研究』)を書いているときに,自主規制の素材を集めるため行政法以外の分野の著書・論文を多く読んでいると,それぞれの分野で議論している内容は外見上は全く違うように見えても,同じような頭の使い方をしているのではないかと感じることがよくありました。その思いはその後,多くの学際的な研究会に参加させて頂いて報告や議論をしたりするたびに強化され,そのような法分野を越えた共通の考え方を示すことができれば,研究面で新たな発見に繋がるのではないかと感じていました。

また,教育の場面でも法学入門の必要性を感じていました。行政法の授業では,六法科目や応用科目の内容を前提としていることが多く,必ずしも全ての学生が行政法の前提となっているこうした科目を履修した上で行政法の授業に来ている訳ではないことから,こうした科目の内容を短く紹介する必要があります。その作業の過程で,法学部出身者であれば少なくともこのくらいの知識があった方がよいのではないかという要素がある程度固まってきました。

本書は,こうした経験を背景にして,法学のそれぞれの分野を超えた共通の概念や考え方をできるだけ明快に説明すること,法学部出身者であれば知っておきたい法的な知識(=さまざまな社会問題の背景に存在している法的な構造)をコンパクトに説明することに主眼を置いた法学入門書です。単著の法学入門であるため,各章のまとまりは必ずしも法学の各科目には対応せず,人間社会のルールという観点から再構成したものとなっています。本書の副題が「人と法と社会をつなぐ」となっている背景には,こうした事情があります。

本書の出版に当たっては,弘文堂の北川陽子さんに大変お世話になりました。ありがとうございました。

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