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Lektion 2 Freunde (友達)

2-1 友達の紹介の仕方

宏和君は智紀君に友達の正くんを紹介します。

Lektion2-1 本文

Hirokazu: Tomonori, das ist mein Freund, Tadashi Hayakawa.

Tomonori: Ich freue mich, Sie kennen zu lernen.

Tadashi: Ich auch! Wie geht es Ihnen?

Tomonori: Gut, danke!

宏和:智紀くん,こちらは友達の早川正くんです。

智紀:お会いできてうれしいです。

正:僕もです。ご機嫌いかがですか。

智紀:いいです。ありがとう。

Lektion2-1 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
der Freund 友達(男性形) <女性形はdie Freundin>(friend
sich freuen よろこぶ・うれしく思う
kennen lernen 知り合いになる(旧正書法ではkennenlernen

ポイント

@分離動詞と再帰動詞

ドイツ語の特色として,変わった形態の動詞があります。それが「分離動詞」と「再帰動詞」です。これについての細かい説明は文法解説「分離動詞」「再帰動詞」を参照して下さい。

簡単に説明すると,「分離動詞」とは動詞の前綴りと本体が分離する形の動詞で,ドイツ語やオランダ語などに見られます。英語にも「句動詞・群動詞」と呼ばれるものがありますが,ドイツ語のように一つの単語として認識されているわけではありません。「再帰動詞」は英語にもある「目的語に再帰代名詞(英語でいうと−self)をとる動詞」のことをいいます。英語では数が少ない(pride oneselfなど)ですが,ドイツ語にはかなりあります。

A動詞の現在人称変化(seinhaben

seinbehabenhaveにあたり,どちらも英語ですら不規則な人称変化をしていた動詞です。ドイツ語でもやはり不規則変化です。しかし不規則変化ということはよく使われることの証ですから,いやがらずに覚えましょう。ただ不規則といってもフランス語やイタリア語のようなひどい変化ではありませんから,それほど恐れる必要はないでしょう。

Lektion2-1 動詞の人称変化表(seinhaben
代名詞 代名詞の意味 sein haben
ich bin habe
du bist hast
er/sie/es 彼・彼女・それ ist hat
wir 私たち sind haben
ihr 君たち seid habt
sie/Sie 彼ら・彼女ら・それら/あなた・あなた方 sind haben

さらに勉強したい人は次の項目をチェックしてください。

2-2 疑問詞のある疑問文・所有冠詞

Lektion2-2 本文

Tomonori: Wer ist das?

Tadashi: Das ist meine Freundin, Yumiko Ogawa.

Hirokazu: Ich kenne sie. Sie studiert auch Jura.

Tomonori: Wirklich?

Hirokazu: Ja, und wir wohnen in der gleichen Gegend.

Tadashi: Ach, so!

智紀:あの人は誰ですか。

正:あの人は僕の友達の小川由美子さんです。

宏和:僕は彼女を知っています。彼女も法学を専攻しています。

智紀:本当ですか。

宏和:はい,僕たちは同じ地域に住んでいます。

正:そうなのですか!!

Lektion2-2 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
wer 疑代 誰が(who
die Freundin 友達(女性形)(friend
kenne 知る[kennenの1人称単数現在形](know
wirklich 本当に(really
die Gegend 地域・地方

ポイント

@ドイツ語の語順

勘のいい方は気づいたかもしれませんが,ドイツ語の語順は英語にとても似ています。しかしドイツ語の方が語順の規制は緩やかです。というのも,ふつうの文章(肯定文・否定文=平叙文)では動詞が文の2番目の成分となる(定形第2位の原則)という約束しかないのです。

wohne
wohne

上の2つはどちらも正しいのです。ただ2番目の文成分に動詞がくるということだけが約束事なのです。英語では5つの文型がありましたが,ドイツ語にはそれはありません,(といってもそれぞれに対応する表現はあります)英語では変化語尾がないかわりに「語順」で意味を決めている一方,ドイツ語では「語尾」で意味を決めているので語順の規制は緩やかなのです。くわしくは文法解説「文の構造(定形の位置)」を見て下さい。

A疑問文と語順

疑問文には2つの種類があります。ひとつは「はい/いいえ」(ドイツ語ではJa/Nein)で答えられる疑問文,もうひとつは自分で答えを組み立てる必要のある(疑問詞のある)疑問文です。前者を答えが「決定」されているという意味で「決定疑問文」,後者を答えを自分で「補足」しないといけないことから「補足疑問文」といいます。この2つは語順が変わります。

<決定疑問文>

動詞を文頭に出し,そのあと主語を持ってきます。英語のbe動詞の疑問文と同じです。一方英語の「一般動詞の疑問文」にあたる形,つまりDoやDoesを文頭に出す形はドイツ語にはありません。ドイツ語ではすべての動詞が英語でいうbe動詞と同じ扱いになります。

Er ist Student. --> Ist er Student?

(彼は学生です。 --> 彼は学生ですか。)

<補足疑問文>

文頭には疑問詞がきます。そのあとに動詞がきますので動詞の位置としては平叙文と同じになります。

Was ist das? --> Es ist mein Buch.

(これは何ですか? --> それは私の本です。)

B名詞の性と格

動詞の変化に面食らっているのにさらにもう一ついやなことがあります。それは名詞も(冠詞とともに)変化するということなのです(ただし名詞の大半はそれ自身が語尾変化することは少なく,主として男性・中性名詞の単数2格と名詞の複数3格だけです)。これを名詞の格変化といいます。日本語では「が」「の」「に」「を」など助詞をつけて区別しますが,ドイツ語では名詞の前につける冠詞類(英語のaやtheのほかにmyなども含まれる)や名詞そのものの語尾で区別します。そしてこの変化のパターンにもとづいて名詞を分類したものを「名詞の性」とよんでいます。ドイツ語には大きく3つの系統の変化のパターンがあり,それぞれ「男性名詞」「女性名詞」「中性名詞」といっています。フランス語などラテン系では「男性名詞」「女性名詞」の2系統ですが,ドイツ語には3系統あります。といっても今すべておぼえるのは無理なので,とりあえず次の内容を覚えましょう。

  1. ドイツ語の名詞には「性」があり,性によって冠詞・冠詞類の形などに違いがある。
  2. 冠詞には「定冠詞(英語のthe)」(der/die/das)「不定冠詞(英語のa)」(ein/eine/ein)がある。また同じような働きをする冠詞類(所有冠詞のmeinなど[英語のmyなどにあたる])もある。
  3. 冠詞は名詞の性によって使い分ける。
Lektion2-2 名詞と冠詞
男性名詞 Mann[男の人・夫] der Mann(その男の人) ein Mann(ある男の人) mein Mann(私の夫)
女性名詞 Frau[婦人・妻] die Frau(その婦人) eine Frau(ある婦人) meine Frau(私の妻)
中性名詞 Kind [子供] das Kind(その子供) ein Kind(ある子供) mein Kind(私の子供)

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2-3 疑問詞のある疑問文と前置詞の使い分け

智紀くんと由美子さんは友達になります。

Lektion2-3 本文

Yumiko: Hallo, Tadashi und Hirokazu! Wer ist er?

Tadashi: Er ist mein Freund, Tomonori.

Yumiko: Wo wohnen Sie, Tomonori?

Tomonori: Ich wohne in Shimonoseki.

Yumiko: Woher kommen Sie?

Tomonori: Ich komme auch aus Shimonoseki.

由美子:やあ,正くんと宏和くん。彼は誰ですか。

正:彼は僕の友達の智紀くんです。

由美子:どこに住んでいるのですか,智紀くん。

智紀:僕は下関に住んでいます。

由美子:出身はどこですか。

智紀:出身も下関です。

Lektion2-3 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
hallo
やあ。
woher 疑副 どこから(Wherefrom

ポイント

@疑問詞と前置詞の対応

「どこに」にあたる疑問詞はWoです。一方「どこから」にあたるのはWoherです。くわしくは文法解説「前置詞」を参照して下さい。ここでは

Wo wohnen Sie? --> Ich wohne in Kitakyushu.
Woher kommen Sie? --> Ich komme aus Kitakyushu.

の「前置詞の対応関係」を理解して下さい。

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2-4 道の尋ね方と4格・seinの疑問文

由美子さん・宏和くんと分かれた後,智紀くんと正くんはドイツ人らしき人をみかけます。

Lektion2-4 本文

Michael: Entschuldigung! Wo ist die Kurosaki Uni?

Tadashi: Sind Sie Deutsch?

Michael: Ja, ich heiße Michael. Ich komme aus Frankfurt. Ich gehe in die Uni und sehe Herr Hamano.

Tomonori: Ach! Er ist unser Lehrer!

ミヒャエル:すいません。黒崎大学はどこですか。

正:あなたはドイツ人ですか。

ミヒャエル:はい。私はミヒャエルといいます。フランクフルトからきました。私はその大学に行って浜野先生と会うのです。

智紀:ああ,彼は僕たちの先生です。

Lektion2-4 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
Entschuldigung!
すいません。(Excuse me.
sind です・いる・ある[seinの1・3人称複数現在形]
Ja
はい。(Yes
Frankfurt 固名 フランクフルト
sehe 見る[sehenの1人称単数現在形]
Ach! ああ/おや/まあ
er 彼は・それは(男性名詞をうける)
unser 所冠 私たちの(our
der Lehrer 先生(男性形)<女性形はLehrerin

ポイント

@所有冠詞

「〜の」という意味を表すのに,英語では代名詞の所有格を用いました。ドイツ語にも所有格はあります。(2格と呼ばれています。格については文法解説「名詞の性と格」を参照して下さい。)しかしドイツ語の所有格は英語でいう「of+名詞」にあたる表現(a teacher of his brotherなど)なので,英語でいうmyやyourにあたるのは「冠詞」(正確には所有冠詞)であり,性によって形が変わります。ここではさらに,「〜の」の〜にあたる人が変わることでどのように変化するかを見てみましょう。

Lektion2-4 所有冠詞
私の mein
君の dein
彼の/彼女の/それの sein/ihr/sein
私たちの unser
君たちの euer
彼らの・彼女らの・それらの/あなたの・あなたがたの ihr/Ihr

これは所有者によって変わる変化で,さらに,格変化がおこりますから注意して下さい。とはいえまずこの表を覚えましょう。音で覚えるのが一番です。ちなみに「sein」は動詞のseinと形が同じなので,なれないうちは「なんで名詞の前に動詞があるの?」と思いますが,慣れれてしまえば大丈夫です。

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最終更新日: 2005年4月1日
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