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Lektion4 Schöne Reise(よい旅を)

4-1 動詞の強変化

正くんはどこかに旅行に行くようです。

Lektion4-1 本文

Michael: Guten Morgen, Tadashi! Wohin fährst du?

Tadashi: Ich fahre nach Kyoto.

Michael: Nach Kyoto? Eine alte Stadt von Japan?

Tadashi: Ja.

Michael: Also, schöne Reise!

ミヒャエル:おはよう,正くん。どこへ行くのですか。

正:京都に行きます。

ミヒャエル:京都へ?日本の古都へ?

正:そうです。

ミヒャエル:では,よい旅を。

Lektion4-1 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
fahren 乗り物で行く[強変化]
nach 〜へ[3格支配]
die Stadt 都市・町(city
schön 美しい(beautiful
die Reise 旅行

ポイント

@動詞の強変化

動詞の強変化についてはLektion3でふれましたが,ここでは「a-ä-ä-a-a-a型」が登場します。それがfahrenです。ときどきCMで「ファーレン」と言っているのを聞きますが,正しい発音を聞いてみると「ファーガン」に聞こえます。車などの乗り物に乗っていくという意味です。ちなみに動詞の強変化はパターンは少ないものの,該当する動詞がかなりあるので,慣れないうちは人称変化表を書いたり辞書で確認するなどしてまめにチェックした方が安全です。

Lektion4-1 動詞の人称変化表(規則動詞・強変化)
代名詞 代名詞の意味 fahren helfen
ich fahre helfe
du fährst hilfst
er/sie/es 彼・彼女・それ fährt hilft
wir 私たち fahren helfen
ihr 君たち fahrt helft
sie/Sie 彼ら・彼女ら・それら/あなた・あなた方 fahren helfen

A形容詞の語尾

形容詞の語尾にeやenがついていることに気になる方もいらっしゃるかもしれません(alteなど)。これについては今やると頭がわれるので,あとでゆっくりやります。気になる場合は文法解説「形容詞の格変化」を参照して下さい。

さらに勉強したい人は次の項目をチェックしてください。

4-2 助動詞の人称変化・数字

正くんが小倉駅で新幹線を待っているとドイツ人に声をかけられました。

Lektion4-2 本文

Herr Keiser: Können Sie Deutsch sprechen?

Tadashi: Ja, ein bisschen.

Herr Keiser: Wann fährt der Zug?

Tadashi: Der Zug Hikari fährt um 9:20 Uhr von hier Kokura ab.

Herr Keiser: Fährt er nach Tokio?

Tadashi: Ja, Er kommt in Tokio um 14:45 Uhr an.

Herr Keiser: Danke schön! Also wohin fahren Sie?

Tadashi: Ich fahre nach Kyoto. Und Sie?

Herr Keiser: Ich fahre nach Nagoya.

カイザーさん:あなたはドイツ語を話せますか。

正:はい,少し。

カイザーさん:その列車は何時に出発しますか。

正:その列車 ひかり号はここ小倉駅を9時20分に出発します。

カイザーさん:その列車は東京へ行きますか。

正:はい,その列車は東京駅に14時45分につきます。

カイザーさん:ありがとうございました。ところであなたはどちらへ行かれるのですか。

正:私は京都へ行きます。あなたは。

カイザーさん:私は名古屋へ行きます。

Lektion4-2 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
kõnnen 助動 〜できる(can
sprechen 話す(speak
ein bisschen
少し(a little
der Zug 列車(train
ab|fahren 出発する
an|kommen 到着する
Danke schön.
ありがとう

ポイント

@助動詞

助動詞の大まかな説明はLektion3でふれましたが,ここではすべての助動詞の現在人称変化を確認しておきます。

Lektion4-2 助動詞の人称変化

können(can) dürfen(may) müssen(must) sollen(shall) wollen(will) mögen möchte
ich kann darf muss soll will mag möchte
du kannst darfst musst sollst willst magst möchtest
er kann darf muss soll will mag möchte
wir können dürfen müssen sollen wollen mögen möchten
ihr könnt dürft müsst sollt wollt mögt möchtet
sie können dürfen müssen sollen wollen mögen möchten

それぞれの過去形・過去分詞および用例については,文法解説「助動詞」を参照して下さい。

A分離動詞

分離動詞の存在についてはLektion2でふれましたが,ここでは分離動詞をマスターしましょう。

分離動詞は「前綴り+動詞」の2層構造になっていて,動詞の方だけが人称変化(時制の変化)します。前綴りはふつう,文の最後におかれて文章をサンドイッチ状態にします。これを枠構造といいます。たとえばankommenという分離動詞は接着を表すanとkommenがくっついていて,「到着する」という意味になります。

(ア)ふつうの使い方

基本は「前綴りを文末におく」ことですから,

Er kommt in Tokio um 14:45 Uhr an.

のようになります。

(イ)助動詞があるとき

ふつう動詞が入る位置に助動詞が入り込むのでkommtはしかたなく後ろにまわります。すると

Er kann in Tokio um 14:45 Uhr ankommen.

となります。助動詞があると動詞は原形になることに注意しましょう。詳しくは文法解説「枠構造」「分離動詞」を参照して下さい。

B数字・時刻のいいかた

Lektion4-2 数字
0 null 10 zehn 20 zwanzig
1 eins 11 elf 30 dreißig
2 zwei 12 zwölf 40 vierzig
3 drei 13 dreizehn 50 fünfzig
4 vier 14 vierzehn 60 sechzig
5 fünf 15 fünfzehn 70 siebzig
6 sechs 16 sechzehn 80 achtzig
7 sieben 17 siebzehn 90 neunzig
8 acht 18 achtzehn 100 hundert
9 neun 19 neunzehn 1000 tausend

ようやく「数字」の勉強です。やっぱり「ドイツ語知ってるよ」と言うためには数字ぐらい言えないと...。

結構英語と似ています。ちょうどteenがzehn,tyがzigになっています。ここまではいいのですが,これからが難関。21は英語では「20」と「1」でtwenty-oneですが,ドイツ語はまるで逆です。つまり「1+20」で21。einundzwanzigとなります。これは初学者泣かせで,慣れるまでに1年以上はかかります。日本語は数字についてはどこの言語にも負けない簡便さをもっています。それに比べドイツ語は大変です。しかしフランス語はもっと大変らしいですから…。

つづいて時刻です。10:45 Uhrはzehn Uhr fünfundvierzig と読みます。:でUhrと読むわけです。halbなど特殊な時刻の言い方もありますが,初級段階ではまず普通通り数字を読むことから始めましょう。




さらに勉強したい人は次の項目をチェックしてください。

4-3 副文

カイザーさんはどうやらのどが渇いているようです。

Lektion4-3 本文

Herr Keiser: Entschuldigung Sie, bitte! Ich möchte einen Kaffee.

Tadashi: Da ist der Automat. Man kann mit die Münzen ein Kaffedose kaufen.

Herr Keiser: Es ist nicht üblich, dass man mit die Münzen ein Kaffedose kaufen kann.

Tadashi: Wirklich? Es ist üblich in Japan.

カイザーさん:すいません。コーヒーを飲みたいのですが。

正:あそこに自動販売機があります。コインを入れると缶コーヒーが買えます。

カイザーさん:コインを入れると缶コーヒーが買えるということはドイツでは普通のことではありません。

正:本当ですか?日本では当たり前のことなのですが。

Lektion4-3 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
Entschuldigung!
すいません(Excuse me.
möchte 助動 〜したい(would like to
der Kaffee コーヒー(coffee
der Automat 自動販売機(coke machine
die Münze 硬貨・コイン(coin
die Kaffeedose コーヒー缶
kaufen 買う(buy
üblich あたりまえの・当然の(usual
dass 〜ということ(that
man 人は(非人称の主語として使われる)

ポイント

@丁寧な言い方

さきほどの助動詞の表でひとつだけ赤色のものがありました。それがmöchteです。これはこれまで学んできた動詞・助動詞とは全く違います。

もともとmögenという助動詞は英語のwantに近い働きをします。(完全にイコールではありませんが)英語の場合,wantを丁寧にするとwould likeという表現を用います。これは仮定法を用いています。仮定法とは「不確実なもの」を表すときに使われ,転じて,丁寧な願望に使われます。ドイツ語でもこれは同じなのです。möchtemögenの接続法第2式とよばれるもので,英語の仮定法にあたります。接続法2式についてはここでは詳しくふれませんが,その背景にある考え方についてはおさえてください。つまり不確実性が丁寧な表現となるという点です。これは日本語にもあてはまりますね。

möchteの人称変化はこれまでのものと少し違います。注意して覚えましょう。möchteは丁寧な願望(〜したい・〜してほしい)でよく使われますので覚えておきたい表現です。

A副文

ここで,もうひとつ大切な内容がでてきます。それは「副文」です。これは英語の名詞節・形容詞節・副詞節などにあたります。副文の場合も枠構造がとられることに注意しましょう。くわしくは文法解説「副文と接続詞」を参照して下さい。

さらに勉強したい人は次の項目をチェックしてください。

4-4 再帰動詞・zu不定詞

正くんは京都での出来事を短く日記にまとめました。

Lektion4-4 本文

3. Mai, 1997

 Um 7 Uhr stehe ich auf. Dann wasche ich mir das Gesicht. Ich frühstücke, ziehe mich um, und gehe in die Stadt. Um 9 Uhr bin ich schon in der Stadtmitte. Es gibt viele Sehenswürdigkeiten. Ich gehe in den Kitano Tenmangu Schrein. Dort kommen viele Leute um ein Examen zu bestehen.

1997年5月3日

7時に起床。それから顔を洗う。朝食を食べて着替えをして,京都の町へ。9時には市の中心部にいた。京都にはたくさんの観光地がある。北野天満宮に行ってみた。多くの人が試験の成功を祈願するためにやってきていた。

Lektion4-4 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
Mai 5月(May
aufstehen 起きる(get up
waschen 洗う(wash
das Gesicht 顔(face
frühstücken 朝食を食べる
umziehen 着替えさせる/(再帰動詞)着替える
schon すでに(already
Sehenswürdigkeiten 観光地
der Schrein 神社(mean
Leute 人々(people
das Examen 試験(examination
bestehen 合格する・やりぬく・切り抜ける

ポイント

@再帰動詞

Lektion4-4 代名詞

再帰代名詞
3格 4格
ich mir mich
du dir dich
er/sie/es sich sich
wir uns uns
ihr euch euch
sie/Sie sich sich

再帰代名詞と共に用いて1つの意味を成す動詞を“再帰動詞”といいます。再帰代名詞とは自分自身に向けられた行為(自分が自分の体を洗うなど)「自分自身に(3格)」「自分自身を(4格)」を表す代名詞です。まずは再帰代名詞について学びます。

左の表が再帰代名詞の一覧です。注意することはドイツ語の再帰代名詞は3格と4格の2つあるということです。英語が1種類しかなかったのとはちがいます。再帰代名詞は英語ではoneselfにあたる形ですが,ドイツ語では3人称以外は普通の代名詞と同じ形をしています。ということはsichだけ覚えておけばあとは代名詞と同じなのです。

再帰動詞の代表選手は「〜に興味がある」という意味のsich interessieren fürです。たとえば,「私は音楽に興味があります」という表現は,

Ich interessiere mich für Musik.

となります。動詞の人称変化に加えて再帰代名詞まで変わっていくので,試験ではよくねらわれます。次にその変化を示します。

Lektion4-4 再帰動詞と再帰代名詞
私は音楽に興味があります。 Ich interessiere mich für Musik.
君は音楽に興味があります。 Du interessierst dich für Musik.
彼は音楽に興味があります。 Er interessiert sich für Musik.
私たちは音楽に興味があります。 Wir interessieren uns für Musik.
君たちは音楽に興味があります。 Ihr interessiert euch für Musik.
彼らは音楽に興味があります。 Sie interessieren sich für Musik.

早口言葉の要領で言ってみましょう。これがすらすら言えればドイツ語初級全般はほぼOKでしょう。なお再帰動詞と再帰代名詞はセットでひとつの意味を表すものですから間で息継ぎをしないようにしましょう。

他にfreuen+4格再帰代名詞+auf…(…を楽しみにする)という表現も覚えておきましょう。

Ich freue mich auf Sommerferien.(私は夏休みを楽しみにしています。)

Azu不定詞

初級の段階では難しいのですが,ひとつの熟語として覚えておいて下さい。(zu不定詞の用法については文法解説「zu不定詞」を参照して下さい。)

<um…zu不定詞>英語のin order toにあたり「…するために」という「目的」を表します。英語と違って不定詞句の前にコンマが必要で,zu不定詞は句の最後に来ることに注意して下さい。

さらに勉強したい人は次の項目をチェックしてください。


最終更新日: 2005年4月1日
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