正くんはどこかに旅行に行くようです。
Michael: Guten Morgen, Tadashi! Wohin fährst du? Tadashi: Ich fahre nach Kyoto. Michael: Nach Kyoto? Eine alte Stadt von Japan? Tadashi: Ja. Michael: Also, schöne Reise! |
ミヒャエル:おはよう,正くん。どこへ行くのですか。 正:京都に行きます。 ミヒャエル:京都へ?日本の古都へ? 正:そうです。 ミヒャエル:では,よい旅を。 |
単語・表現 | 品詞 | 意味 |
---|---|---|
fahren | 動 | 乗り物で行く[強変化] |
nach | 前 | 〜へ[3格支配] |
die Stadt | 名 | 都市・町(city) |
schön | 形 | 美しい(beautiful) |
die Reise | 名 | 旅行 |
動詞の強変化についてはLektion3-2でふれましたが,ここでは「a-ä-ä-a-a-a型」が登場します。それがfahrenです。ときどきCMで「ファーレン」と言っているのを聞きますが,正しい発音を聞いてみると「ファーガン」に聞こえます。車などの乗り物に乗っていくという意味で,英語には適当な動詞がない(強いていえばtakeとかrideとかdrive?)です。
ちなみに動詞の強変化はパターンは少ないものの,該当する動詞がかなりあるので,慣れないうちは人称変化表を書いたり辞書で確認するなどしてまめにチェックした方が安全です。
代名詞 | 代名詞の意味 | fahren | helfen |
---|---|---|---|
ich | 私 | fahre | helfe |
du | 君 | fährst | hilfst |
er/sie/es | 彼・彼女・それ | fährt | hilft |
wir | 私たち | fahren | helfen |
ihr | 君たち | fahrt | helft |
sie/Sie | 彼ら・彼女ら・それら/あなた・あなた方 | fahren | helfen |
気になる方がいらっしゃるかもしれません。形容詞の語尾にeやenがついています。(alteなど)これについては今やると頭がわれるので,あとでゆっくりやります。気になる場合は文法解説「形容詞の格変化」を参照して下さい。
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文法解説「動詞の強変化」 文法解説「形容詞の格変化」 |
正くんが小倉駅で新幹線を待っているとドイツ人に声をかけられました。
Herr Keiser: Können Sie Deutsch sprechen? Tadashi: Ja, ein bisschen. Herr Keiser: Wann fährt der Zug? Tadashi: Der Zug Hikari fährt um 9:20 Uhr von hier Kokura ab. Herr Keiser: Fährt er nach Tokio? Tadashi: Ja, Er kommt in Tokio um 14:45 Uhr an. Herr Keiser: Danke schön! Also wohin fahren Sie? Tadashi: Ich fahre nach Kyoto. Und Sie? Herr Keiser: Ich fahre nach Nagoya. |
カイザーさん:あなたはドイツ語を話せますか。 正:はい,少し。 カイザーさん:その列車は何時に出発しますか。 正:その列車はここ小倉駅を9時20分に出発します。 カイザーさん:その列車は東京へ行きますか。 正:はい,その列車は東京駅に14時45分につきます。 カイザーさん:ありがとうございました。ところであなたはどちらへ行かれるのですか。 正:私は京都へ行きます。あなたは。 カイザーさん:私は名古屋へ行きます。 |
単語・表現 | 品詞 | 意味 |
---|---|---|
kõnnen | 助動 | 〜できる(can) |
sprechen | 動 | 話す(speak) |
ein bisschen | 少し(a little) | |
der Zug | 名 | 列車(train) |
ab|fahren | 動 | 出発する |
an|kommen | 動 | 到着する |
Danke schön. | ありがとう |
助動詞の大まかな説明はLektion3-2でふれましたが,ここではすべての助動詞の現在人称変化を確認しておきます。
können(can) | dürfen(may) | müssen(must) | sollen(shall) | wollen(will) | mögen | möchte | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ich | kann | darf | muß | soll | will | mag | möchte |
du | kannst | darfst | mußt | sollst | willst | magst | möchtest |
er | kann | darf | muß | soll | will | mag | möchte |
wir | können | dürfen | müssen | sollen | wollen | mögen | möchten |
ihr | könnt | dürft | müßt | sollt | wollt | mögt | möchtet |
sie | können | dürfen | müssen | sollen | wollen | mögen | möchten |
mögenとmöchteについてはLektion4-3を参照して下さい。なおそれぞれの過去形・過去分詞および用例については,ドイツ語文法レファレンスwillkommen「助動詞」を参照して下さい。
分離動詞の存在についてはLektion2-1でふれましたが,ここでは分離動詞をマスターしましょう。
分離動詞は「前綴り+動詞」の2層構造になっていて,動詞の方だけが人称変化(時制の変化)します。前綴りはふつう,文の最後におかれて文章をサンドイッチ状態にします。これを枠構造といいます。
たとえばankommenという分離動詞は接着を表すanとkommenがくっついていて,「到着する」という意味になります。
(ア)ふつうの使い方
基本は「前綴りを文末におく」ことですから,
Er kommt in Tokio um 14:45 Uhr an.
のようになります。
(イ)助動詞があるとき
ふつう動詞が入る位置に助動詞が入り込むのでkommtはしかたなく後ろにまわります。すると
Er kann in Tokio um 14:45 Uhr ankommen.
となります。助動詞があると動詞は原形になることに注意しましょう。詳しくは文法解説「枠構造」「分離動詞」を参照して下さい。
0 | null | 10 | zehn | 20 | zwanzig |
1 | eins | 11 | elf | 30 | dreißig |
2 | zwei | 12 | zwölf | 40 | vierzig |
3 | drei | 13 | dreizehn | 50 | fünfzig |
4 | vier | 14 | vierzehn | 60 | sechzig |
5 | fünf | 15 | fünfzehn | 70 | siebzig |
6 | sechs | 16 | sechzehn | 80 | achtzig |
7 | sieben | 17 | siebzehn | 90 | neunzig |
8 | acht | 18 | achtzehn | 100 | hundert |
9 | neun | 19 | neunzehn | 1000 | tausend |
ようやく「数字」の勉強です。やっぱり「ドイツ語知ってるよ」と言うためには数字ぐらい言えないと...。
結構英語と似ています。ちょうどteenがzehn,tyがzigになっています。ここまではいいのですが,これからが難関。21は英語では「20」と「1」でtwenty-oneですが,ドイツ語はまるで逆です。つまり「1+20」で21。einundzwanzigとなります。これは初学者泣かせで,慣れるまでに1年かかります。日本語は数字についてはどこの言語にも負けない簡便さをもっています。それに比べドイツ語は大変です。しかしフランス語はもっと大変らしいですから。
つづいて時刻です。10:45 Uhrはzehn Uhr fünfundvierzig と読みます。:でUhrと読むわけです。halbなど特殊な時刻の言い方もありますが,初級段階ではまず普通通り数字を読むことから始めましょう。
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文法解説「助動詞」 文法解説「枠構造」 文法解説「分離動詞」 |
カイザーさんはどうやらのどが渇いているようです。
Herr Keiser: Entschuldigung Sie, bitte! Ich möchte einen Kaffee. Tadashi: Da ist die Autoverkaufenmaschine. Man kann mit die Münzen ein Kaffedose kaufen. Herr Keiser: Es ist nicht üblich, das man mit die Münzen ein Kaffedose kaufen kann. Tadashi: Wirklich? Es ist üblich in Japan. |
カイザーさん:すいません。コーヒーを飲みたいのですが。 正:あそこに自動販売機があります。コインを入れると缶コーヒーが買えます。 カイザーさん:コインを入れると缶コーヒーが買えるということはドイツでは普通のことではありません。 正:本当ですか?日本では当たり前のことなのですが。 |
単語・表現 | 品詞 | 意味 |
---|---|---|
Entschuldigung! | すいません(Excuse me.) | |
möchte | 助動 | 〜したい(would like to) |
der Kaffee | 名 | コーヒー(coffee) |
die Autoverkaufenmaschine | 名 | 自動販売機(coke machine) |
die Münze | 名 | 硬貨・コイン(coin) |
die Kaffeedose | 名 | コーヒー缶 |
kaufen | 動 | 買う(buy) |
üblich | 形 | あたりまえの・当然の(usual) |
daß | 接 | 〜ということ(that) |
man | 代 | 人は(非人称の主語として使われる) |
さきほどの助動詞の表でひとつだけ黄色のものがありました。それがmöchteです。これはこれまで学んできた動詞・助動詞とは全く違います。
もともとmögenという助動詞は英語のwantに近い働きをします。(完全にイコールではありませんが)英語の場合,wantを丁寧にするとwould
likeという表現を用います。これは仮定法を用いています。
仮定法とは「不確実なもの」を表すときに使われ,転じて,丁寧な願望に使われます。ドイツ語でもこれは同じなのです。möchteはmögenの接続法第2式とよばれるもので,英語で言うと仮定法にあたります。
接続法2式についてはここではふれませんが,その背景にある考え方についてはおさえてください。つまり「不確実性が丁寧な表現となる」という点です。これは日本語にもあてはまりますよね。
というわけでmöchteの人称変化はこれまでのものと少し違います。注意して覚えましょう。möchteは丁寧な願望(〜したい・〜してほしい)でよく使われますので覚えておきたい表現です。
ここで,もうひとつ大切な内容がでてきます。それは「副文」です。これは英語の名詞節・形容詞節・副詞節などにあたります。副文の場合も枠構造がとられることに注意しましょう。くわしくは文法解説「副文と接続詞」を参照して下さい。
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文法解説「接続法」 文法解説「副文と接続詞」 |
正くんは京都での出来事を短く日記にまとめました。
3. Mai, 1997 Um 7 Uhr stehe ich auf. Dann wasche ich mir das Gesicht. Ich frühstücke, ziehe mich um, und gehe in die Stadt. Um 9 Uhr bin ich schon in der Stadt. Es gibt viele Sehenswürdigkeiten. Ich gehe in den Kitano Tenmangu Schrein. Viele Leute kommen hier um ein Examen zu bestehen. |
1997年5月3日 7時に起床。それから顔を洗う。朝食を食べて着替えをして,京都の町へ。9時には京都市内にいた。京都にはたくさんの観光地がある。北野天満宮に行ってみた。多くの人が試験の成功を祈願するためにやってきていた。 |
単語・表現 | 品詞 | 意味 |
---|---|---|
Mai | 名 | 3月(May) |
aufstehen | 動 | 起きる(get up) |
waschen | 動 | 洗う(wash) |
das Gesicht | 名 | 顔(face) |
frühstücken | 動 | 朝食を食べる |
umziehen | 動 | 着替えさせる/(再帰動詞)着替える |
schon | 副 | すでに(already) |
Sehenswürdigkeiten | 名 | 観光地 |
der Schrein | 名 | 神社(mean) |
Leute | 名 | 人々(people) |
das Examen | 名 | 試験(examination) |
bestehen | 動 | 合格する・やりぬく・切り抜ける |
再帰代名詞 | ||
---|---|---|
3格 | 4格 | |
ich | mir | mich |
du | dir | dich |
er/sie/es | sich | sich |
wir | uns | uns |
ihr | euch | euch |
sie/Sie | sich | sich |
再帰代名詞と共に用いて1つの意味を成す動詞を“再帰動詞”といいます。再帰代名詞とは自分自身に向けられた行為(自分が自分の体を洗うなど)「自分自身に(3格)」「自分自身を(4格)」を表す代名詞です。まずは再帰代名詞について学びます。
左の表が再帰代名詞の一覧です。注意することはドイツ語の再帰代名詞は3格と4格の2つあるということです。英語が1種類しかなかったのとはちがいます。再帰代名詞は英語ではoneselfにあたる形ですが,ドイツ語では3人称以外は普通の代名詞と同じ形をしています。ということはsichだけ覚えておけばあとは代名詞と同じなのです。
再帰動詞の代表選手は「〜に興味がある」という意味のsich interessieren fürです。たとえば,「私は音楽に興味があります」という表現は,
Ich interessiere mich für Musik.
となります。動詞の人称変化に加えて再帰代名詞まで変わっていくので,試験ではよくねらわれます。次にその変化を示します。
私は音楽に興味があります。 | Ich interessiere mich für Musik. |
君は音楽に興味があります。 | Du interessiere dich für Musik. |
彼は音楽に興味があります。 | Er interessiere sich für Musik. |
私たちは音楽に興味があります。 | Wir interessiere uns für Musik. |
君たちは音楽に興味があります。 | Ihr interessiere euch für Musik. |
彼らは音楽に興味があります。 | Sie interessiere sich für Musik. |
さあ,早口言葉の要領で言ってみましょう。これがすらすら言えればドイツ語初級全般はほぼOK?でしょう。なお再帰動詞と再帰代名詞はセットでひとつの意味を表すものですから間で息継ぎをしないようにしましょう。
他にfreuen+4格再帰代名詞+auf…(…を楽しみにする)という表現も覚えておきましょう。
Ich freue mich auf Sommerferien.(私は夏休みを楽しみにしています。)
初級の段階では難しいのですが,ひとつの熟語として覚えておいて下さい。(zu不定詞の用法については文法解説「zu不定詞」を参照して下さい。)
<um…zu不定詞>
英語のin order toにあたり「…するために」という「目的」を表します。英語と違って不定詞句の前にコンマが必要で,zu不定詞は句の最後に来ることに注意して下さい。
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文法解説「再帰動詞」 文法解説「zu不定詞」 |
作成者:原田大樹
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