willkommen Top PageArchive Japan Document


paco document前置詞


1. 前置詞の格支配

英語の前置詞はその目的語として目的格をとるが,ドイツ語の場合は2格をとる場合,3格をとる場合,4格をとる場合がある。前置詞が目的語としてある格を要求することを前置詞の格支配という。また,3格をとるときと4格をとるときで意味がかわる前置詞もある。前置詞の格支配とならんで覚えなければならないのは動詞と前置詞のつながりである。これは英語を勉強するときと同じである。


2. 2格支配の前置詞

2格支配の前置詞は、3・4格支配のそれと比較して数が少なく、頻度も低い。

trotz(〜にもかかわらず)

Trotz des Regens mache ich einen Spaziergang.

雨にもかかわらず、私は散歩をしています。

während(〜の間)

Während der Vorlesung schläft er nicht.

講義中、彼は一睡もしません。

wegen(〜のゆえに、〜のために)

Wegen der Erkältung kommt Michael heute nicht.

風邪のため、ミヒャエルは今日は来ません。

(an)statt(〜の代わりに)

Wir verwenden ein Trinkglas an(statt) der Blumenvase.

私たちは、花瓶の代わりにコップを使います。

außerhalb(〜の外側で)

Ich wohne außerhalb der Stadt.

私は町の郊外に住んでいます。

innerhalb(〜の中で)

Bitte warten Sie innerhalb der Weißlinie.

白線の内側でお待ちください。

※この文章は Bitte warten Sie hinter der weißen Linie.とする方が普通だそうです。


3. 3・4格支配の前置詞

場所を表す前置詞の中には,3格・4格両方とれる前置詞がある。といってもどっちでもいいよというわけではなく,3格をとるときと4格をとるときでは意味が変わる。

3格は場所・4格は方向

というのが区別の基本になる。

どんな前置詞かというと

vor(〜の前),hinter(〜のうしろ),über(〜の上),unter(〜の下),neben(〜の横),zwischen(〜の間)

などである。

Er geht in die Stadt.(4格)彼は町へ行った。

Er ißt in der Mensa.3格)彼は学食で食べた。

このような荒っぽい説明ではわからないというあなたのために,もう一度説明する。原則は

動作の行われる場所・位置「〜で」を表すとき→3格支配

人や物が移動していく方向「〜へ」を表すとき→4格支配

という感じである。たとえば

「猫がテーブルの下で昼寝をしている。」

この場合、猫は「テーブルの下」という一定の場所で「昼寝をする」という動作をしているのだから、unterの後は3格支配になる。

Die Katze schläft unter dem Tisch.

「猫がテーブルの下へ歩いていく。」

この場合は?猫は「テーブルの下」という場所を目指して「歩く」という動作をしているのだから、unterの後は4格支配になる。

Die Katze geht unter den Tisch.

<その他>

[in]

+3格(〜の中で)

Ich arbeite in dem Büro.

私は事務所(の中)で働いている。

+4格(〜の中へ)

Ich gehe in das Büro.

私は事務所(の中)へ入っていく。

[an]

+3格(〜の面・きわに)

Der Kalender hängt an der Wand.

カレンダーが壁に掛かっている。

+4格(〜の面・きわへ)

Die Mutter hängt den Kalender an die Wand.

母がカレンダーを壁に掛けます。

[auf]

+3格(〜の上で)

Der Mann sitzt auf dem Fels.

男が岩の上に座っている。

+4格(〜の上へ)

Der Mann steigt auf den Fels.

男が岩の上へ登る。

[über]

+3格(〜の上方で)

Er wohnt über uns.

彼は私たちの上の階に住んでいる。

+4格(〜の上方へ)

Der Vogel flog über das Tal.

鳥が谷の上の方へ飛んでいった。(flog:fliegen「飛ぶ」の過去形)

aufは、面に接して上にあるとき(例:こたつの上にみかんがのっている、床の上に立つ、机の上に花瓶がある、などをイメージ!!) überは面に接さず上にあるとき(例:鳥が飛ぶ、雲が屋根の上にかかっている、などをイメージ!)を表す。ただし、何かを覆いかぶせている状態や、覆う動きを表すときは、面と接していてもüberを使う。

例:Über dem Tisch liegt eine Decke.

テーブルにテーブルクロスがかかっている。

[hinter]

+3格(〜の後ろに)

Das Kind ist hinter dem Schrank.

子どもは洋服たんすの後ろにいます。

+4格(〜の後ろへ)

Das Kind flieht hinter den Schrank.

子どもは洋服たんすの後ろへ逃げる。

[neben]

+3格(〜の横に)

Neben dem Bett ist einer Tisch.

ベットの横に机がある。

+4格(〜の横へ)

Neben das Bett stellt er einen Tisch.

彼はベットの横へ机を置きます。

[vor]

+3格(〜の前で)

Der Vertreter fotografiert vor dem Denkmal.

代表者が記念碑の前で写真を撮ります。

+4格(〜の前へ)

Der Vertreter begiebt sich vor das Denkmal.

代表者が記念碑の前に進む。vorankommen:進む)

[zwischen]

+3格([2つのもの]の間に)

Das Kind sitzt zwischen dem Vater und der Mutter.

子どもが父親と母親の間に座っています。

+4格([2つのもの]の間へ)

Das Kind geht zwischen dem Vater und der Mutter.

子どもが父親と母親の間へ歩いていく。


4. 3格支配の前置詞

3格支配の前置詞が最もポピュラーである。困ったときは「3格」にしておくと正解の確率が高い。

aus(〜の中から)(=from)

Er kommt aus dem Hörsaal.

彼は講義室(の中)から出てくる。

Ich komme aus Osaka.

私は大阪出身です。

bei(〜のもとで、〜の際に)

Ich wohne bei meinen Eltern.

私は親元で(両親のもとで)暮らしています。

mit(〜と共に)

Gestern habe ich Tennis mit der Mutter gespielt.

私は昨日母とテニスをしました。

Ich gehe mit ihr.

私は彼女と一緒に行く。

nach(〜へ)

Nach dem Essen singe ich.

食後私は歌を歌う。

zu(〜へ、〜の所へ)

Kommen Sie doch zu uns!

ぜひ私たちの所へいらして下さいね!

nachとzuは、どちらも「〜へ」という「方向」を表す。通常、nachの後には地名、zuの後には建物あるいは人が入る。ただし、次に挙げる場合は、決まり文句なので、熟語としてそのまま覚えよう。

Ich gehe nach Hause.(私は帰宅します。)

Ich bin zu Hause.(私は在宅します。)

seit(〜以来)

Seit dem Krieg habe ich ihn nicht mehr gesehen.

戦争以来、私は彼に会っていません。

Seit 1996 wohnt er in Fukuoka.

1996年から彼は福岡に住んでいる。

von(〜から)

Wir haben gerade von Ihnen gesprochen.

あなたのことを話していました。


5. 4格支配の前置詞

4格支配はそれほど多くない。

durch(〜を通って)

Er ist durch den Wald gekommen.

彼は森を通ってやって来た。

für(〜のために)

Ich arbeite für das Leben.

私は生活のために働く。

ohne(〜なしで)

Kann ich die Dokumente ohne eine Unterschrift abgeben?

この書類を署名なしで提出してもよろしいですか?

gegen(〜に反対して)

Mika ist gegen den Sozialismus.

美香は社会主義に反対しています。

um(〜のまわりに)

Die Blumen blühen um den Teich.

池のまわりに花が咲いている。

bis(〜まで)

Bitte korrigieren Sie die Dokumente bis zum Nachmittag.

この書類を午後までに訂正してください。


6. 前置詞の融合形

前置詞には、定冠詞と結合して1語になるものがある。英語でit isがit’sと短縮されるのとにている。これを前置詞と定冠詞の融合形といいう。

an dem → am an das ans auf das aufs

in dem → im in das ins bei dem beim

vor dem → vorm zu dem zum durch das durchs

um das → ums zu der zur

融合形は定冠詞が「その〜」という限定・指示的な意味を持たないときに使う。

(例)Ich gehe zu dem Lehrer.

私はその先生のところへ行きます。

Ich gehe zum Lehler.

私は先生のところへ行きます。

zum Lehlerは、zu einem Lehler(不特定の先生のところへ)という意味を持つ。)


7. 動詞と形容詞の前置詞支配

動詞・形容詞が、ある特定の前置詞と結びつき、ひとまとまりの意味をなすことを動詞・形容詞の前置詞支配という。つまり、動詞や形容詞によって後にくる前置詞が決まってくる。(これは英語と同じである。)

<動詞の前置詞支配>

fragen+人(4格)nach+物(3格):「人に物を尋ねる。」

Die Frau fragt mich nach dem Weg zum Bahnhof.

その女性は私に駅への道を尋ねます。

warten auf+人・物(4格):「人(物)を待つ。」

Er wartet auf den Mann.

彼はその男を待っている。

danken+人(3格)für+事(4格):「事について人に感謝する。」

Ich danke der Freundin für das Geschenk.

私は友人に贈り物について感謝する。

<形容詞の前置詞支配>

sein mit+物(3格)zufrieden:「物に満足している。」

Ich bin mit dem Haus zufrieden.

私はその家に満足しています。

sein auf+物・人(4格)stolz:「物(人)を自慢する、誇りにする。」

Masao ist auf den Bruder stolz.

将男は兄を誇りにしています。

sein zu+人(3格)freundlich:「人に対して親切である。」

Yuki ist zu den Kindern freundlich.

由紀は子供たちに対して親切です。


作成者:中山布紗

このページの文書は阪井夏樹さんよりご指摘を受け,一部修正しています(99/7/15)。ご指摘ありがとうございます。


previous代名詞next形容詞 paco(ホームページ)にもどる前のページ次のページ


最終更新日:1999715
Copyright(C)原田大樹1996-1999 All rights reserved.