宏和君は智紀君に友達の正くんを紹介します。
Hirokazu: Tomonori, das ist mein Freund, Tadashi Hayakawa. Tomonori: Ich freue mich, Sie kennenzulernen. Tadashi: Ich auch! Wie geht es Ihnen? Tomonori: Gut, danke! |
宏和:智紀くん,こちらは友達の早川正くんです。 智紀:お会いできてうれしいです。 正:僕もです。ご機嫌いかがですか。 智紀:いいです。ありがとう。 |
単語・表現 | 品詞 | 意味 |
---|---|---|
der Freund | 名 | 友達(男性形) <女性形はdie Freundin>(friend) |
sich freuen | 動 | よろこぶ・うれしく思う |
kennenlernen | 動 | 知り合いになる |
ドイツ語の特色として,変わった形態の動詞があります。それが「分離動詞」と「再帰動詞」です。これについての細かい説明は文法解説「分離動詞」「再帰動詞」を参照して下さい。
簡単に説明すると,「分離動詞」とは動詞の前綴りと本体が分離する形の動詞で,ドイツ語やオランダ語などに見られます。英語にも文の構造的に近いものがありますが,ちょっとちがう感覚です。「再帰動詞」は英語にもある「目的語に再帰代名詞(英語でいうと−self)をとる動詞」のことをいいます。英語では数が少ない(pride oneselfなど)ですが,ドイツ語にはかなりあります。
seinはbe,habenはhaveにあたり,どちらも英語ですら不規則な人称変化をしていた動詞です。ドイツ語でもやはり不規則変化です。しかし不規則変化ということはよく使われることの証ですから,いやがらずに覚えましょう。まあ不規則といってもフランス語やイタリア語のようなラテン系みたいなひどい変化ではありませんから,それほど恐れる必要はないでしょう。
代名詞 | 代名詞の意味 | sein | haben |
---|---|---|---|
ich | 私 | bin | habe |
du | 君 | bist | hast |
er/sie/es | 彼・彼女・それ | ist | hat |
wir | 私たち | sind | haben |
ihr | 君たち | seid | habt |
sie/Sie | 彼ら・彼女ら・それら/あなた・あなた方 | sind | haben |
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文法解説「分離動詞」 文法解説「再帰動詞」 文法解説「動詞の現在人称変化」 |
Tomonori: Wer ist das? Tadashi: Das ist meine Freundin, Yumiko Ogawa. Hirokazu: Ich kenne sie. Sie studiert auch Jura. Tomonori: Wirklich? Hirokazu: Ja, und wir wohnen in dem gleichen Mietshaus. Tadashi: Ach, so! |
智紀:あの人は誰ですか。 正:あの人は僕の友達の小川由美子さんです。 宏和:僕は彼女を知っています。彼女も法学を専攻しています。 智紀:本当ですか。 宏和:はい,僕たちの下宿は近いのです。 正:そうなのですか!! |
単語・表現 | 品詞 | 意味 |
---|---|---|
wer | 疑代 | 誰が(who) |
die Freundin | 名 | 友達(女性形)(friend) |
kenne | 動 | 知る[kennenの1人称単数現在形](know) |
wirklich | 副 | 本当に(really) |
勘のいい方は気づいたかもしれませんが,ドイツ語の語順は英語に似ています。しかしドイツ語の方が語順の規制は緩やかです。というのも,ふつうの文章(肯定文・否定文=平叙文)では「動詞が文の2番目の成分」となる(定形第2位の原則)という約束しかないのです。
上の二つはどちらも正しいのです。ただ2番目の文成分に動詞がくるということだけが約束事なのです。英語では5つの文型がありましたが,ドイツ語にはそれはありません,(といってもそれぞれに対応する表現はありますが)英語では変化語尾がないかわりに「語順」で意味を決めていますが,ドイツ語では「語尾」で意味を決めているので語順の規制は緩やかなのです。くわしくは文法解説「文の構造」を見て下さい。
疑問文には2つの種類があります。ひとつは「はい/いいえ」(ドイツ語ではJa/Nein)で答えられる疑問文,もうひとつは自分で答えを組み立てる必要のある(疑問詞のある)疑問文です。前者を答えが「決定」されているという意味で「決定疑問文」,後者を答えを自分で「補足」しないといけないことから「補足疑問文」といいます。(これについては1-3でも少し説明しました。)この2つは語順が変わります。
動詞を文頭に出し,そのあと主語を持ってきます。英語のbe動詞の疑問文と同じです。一方英語の「一般動詞の疑問文」にあたる形,つまりDoやDoesを文頭に出す形はドイツ語にはありません。ドイツ語ではすべての動詞が英語でいうbe動詞と同じ扱いになります。
(彼は学生です。 --> 彼は学生ですか。)
文頭には疑問詞がきます。そのあとに動詞がきますので動詞の位置としては平叙文と同じになります。
Was ist das? --> Es ist mein Buch.
(これは何ですか? --> それは私の本です。)
動詞の変化に面食らっているのにさらにもう一ついやなことがあります。それは「名詞も(冠詞とともに)変化する」ということなのです。これを名詞の格変化といいます。日本語では「が」「の」「に」「を」など助詞をつけて区別しますが,ドイツ語では名詞の前につける冠詞類(英語のaやtheのほかにmyなども含まれる)や名詞そのものの語尾で区別します。そしてこの変化のパターンにもとづいて名詞を分類したものを「名詞の性」とよんでいます。ドイツ語には大きく3つの系統の変化のパターンがあり,それぞれ「男性名詞」「女性名詞」「中性名詞」といっています。フランス語などラテン系では「男性名詞」「女性名詞」の2系統ですが,ドイツ語には3系統あります。といっても今すべておぼえるのは無理なので,とりあえず次の内容を覚えましょう。
男性名詞 | Mann[男の人・夫] | der Mann(その男の人) | ein Mann(ある男の人) | mein Mann(私の夫) |
---|---|---|---|---|
女性名詞 | Frau[婦人・妻] | die Frau(その婦人) | eine Frau(ある婦人) | meine Frau(私の妻) |
中性名詞 | Kind [子供] | das Kind(その子供) | ein Kind(ある子供) | mein Kind(私の子供) |
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文法解説「文の構造」 文法解説「冠詞と冠詞類」 文法解説「名詞の性と格」 |
智紀くんと由美子さんは友達になります。
Yumiko: Hallo, Tadashi und Hirokazu! Wer ist er? Tadashi: Er ist mein Freund, Tomonori. Yumiko: Wo wohnen Sie, Tomonori? Tomonori: Ich wohne in Shimonoseki. Yumiko: Woher kommen Sie? Tomonori: Ich komme aus Shimonoseki auch. |
由美子:やあ,正くんと宏和くん。彼は誰ですか。 正:彼は僕の友達の智紀くんです。 由美子:どこに住んでいるのですか,智紀くん。 智紀:僕は下関に住んでいます。 由美子:出身はどこですか。 智紀:出身も下関です。 |
単語・表現 | 品詞 | 意味 |
---|---|---|
hallo | やあ。 | |
woher | 疑副 | どこから(Where〜from) |
「どこに」にあたる疑問詞はWoです。一方「どこから」にあたるのはWoherです。これに対する答え方は前置詞のところと絡むので今はふれません。くわしくは文法解説「前置詞」を参照して下さい。ここでは
Wo wohnen Sie?
--> Ich wohne in
Kitakyushu.
Woher kommen Sie?
--> Ich komme aus
Kitakyushu.
の「前置詞の対応関係」を理解して下さい。
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文法解説「前置詞」 |
由美子さん・宏和くんと分かれた後,智紀くんと正くんはドイツ人らしき人をみかけます。
Michael: Entschuldigung! Wo ist die Kurosaki Uni? Tadashi: Sind Sie Deutsch?
Michael: Ja, ich hei Tomonori: Ach! Er ist unser Lehrer! |
ミヒャエル:すいません。黒崎大学はどこですか。 正:あなたはドイツ人ですか。 ミヒャエル:はい。私はミヒャエルといいます。フランクフルトからきました。私はその大学に行って浜野先生と会うのです。 智紀:ああ,彼は僕たちの先生です。 |
単語・表現 | 品詞 | 意味 |
---|---|---|
Entschuldigung! | すいません。(Excuse me.) | |
sind | 動 | です・いる・ある[seinの1・3人称複数現在形] |
Ja | はい。(Yes) | |
Frankfurt | 固名 | フランクフルト |
sehe | 動 | 見る[sehenの1人称単数現在形] |
Ach! | 間 | ああ/おや/まあ |
er | 代 | 彼は・それは(男性名詞をうける) |
unser | 所冠 | 私たちの(our) |
der Lehrer | 名 | 先生(男性形)<女性形はLehrerin> |
「〜の」という意味を表すのに,英語では代名詞の所有格を用いました。ドイツ語にも所有格はあります。(2格と呼ばれています。格については文法解説「名詞の性と格」を参照して下さい。)しかしドイツ語の所有格は英語でいう「of+名詞」にあたる表現(a teacher of his brotherなど)なので,英語でいうmyやyourにあたるのは「冠詞」を使います。ということは性によって形が変わるということなのです。これについては2-2でみました。ここではさらに,「〜の」の〜にあたる人が変わることでどのように変化するかを見てみましょう。
私の | mein |
---|---|
君の | dein |
彼の/彼女の/それの | sein/ihr/sein |
私たちの | unser |
君たちの | euer |
彼らの・彼女らの・それらの/あなたの・あなたがたの | ihr/Ihr |
これは所有者によって変わる変化で,さらに,格変化がおこりますから注意して下さい。とはいえまずこの表を覚えましょう。音で覚えるのが一番です。
ちなみに「sein」は動詞のseinと形が同じなので,なれないうちは「なんで名詞の前に動詞があるの?(実はドイツ語ならいたての頃の作者の姿(^^;))」と思いますが,慣れれてしまえば大丈夫です。
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文法解説「代名詞」 |
作成者:原田大樹
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