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Lektion3 Ein Vetter von Michael(ペトラと遊ぼう)

目次


3-1 前置詞と格支配

ミヒャエルくんはドイツから日本へやってきたばかりの留学生でした。宏和くんと智紀くんはミヒャエルくんの家を訪れます。

<テキスト>

playLektion3-1 本文

Michael: Hallo, Hirokazu und Tomonori! Herzlich willkommen zu meinem Haus!

 Hirokazu: Danke! Wie geht es Ihnen?

 Michael: Prima! Komm doch herein!

 Hirokazu&Tomonori: Danke!

ミヒャエル:やあ,宏和くん,智紀くん。私の家にようこそ。

宏和:ありがとう。ご機嫌いかがですか。

ミヒャエル:すばらしいです。部屋に入って。

宏和・智紀:ありがとう

<単語・表現>

playLektion3-1 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
herzlich 心からの(heartly
willkommen 歓迎する(welcome
zu 〜へ(to)[さまざまな語と結びつき多義的に使われる]
das Haus 家(house
prima すてきな(イタリア語から[無変化])
doch まったく〜だ(強調)
herein 中へ

<ポイント>

@前置詞とは

「前置詞を制するものは英語を制する」ということわざ?がありましたが,英語の仲間のドイツ語でもこれは言えるのです。ただ,ドイツ語の方が英語より面倒です。それは「前置詞の格支配」です。

英語では前置詞の次には「名詞の目的格」がくるという約束しかなかった(of heはだめ。of himが正解)のですが,ドイツ語では第一に英語の「目的格」にあたるものが2つあり,さらに英語の所有格にあたるものも前置詞の後に来る場合があります。そこで前置詞のお話の前に「名詞の格」についてかんたんに確認します。

<「助詞」は便利?>

日本語の場合,「私」という名詞の文での意味は,そのあとにくる「が」「の」などの助詞で決まります。「私」といっただけでは意味は決まらず,次の助詞を聞く必要があるのです。ドイツ語はこれと逆に,名詞の前につく「冠詞」の変化形で名詞の文の上での意味を決めることは前にふれました。(Lektion2-2)この変化の形を「格」と呼びます。ドイツ語には4つの格があります。

<前置詞の格支配>

「支配」というとなんだか格好よさそうですが,なんのことはない,「前置詞の後にどの格がくるか」ということなのです。さきほどふれたように,ドイツ語では「目的格」だけが前置詞の目的語になるわけではないのです。前置詞はその後に来る格,つまり格支配によって分類されます。

2格支配の前置詞 trotz(〜にもかかわらず)wegen(〜ゆえに)wãhrend(〜の間)
3格支配の前置詞 aus(〜から)mit(〜と一緒に)zu(〜へ)von(〜の)など多数
4格支配の前置詞 bis(〜まで)durch(〜を通って)fr(〜のために)gegen(〜に対して)
3・4格支配の前置詞 an(すぐそば)auf(上)hinter(後ろ)in(中)ber(上方)unter(下)

上のテキストでは

Herzlich willkommen zu meinem Haus!

となっていて3格支配のzuのあとに中性名詞3格のHausがきています。

<3・4格支配の前置詞>

ここで注意するのは「3・4格支配の前置詞」です。これは後ろに3格がくるか,4格がくるかで意味が変わります。

3格は場所(〜に/wo) 4格は方向(〜へ/wohin)」を表します。

たとえば女性名詞のdie Stadt(町/die Stadt der Stadt der Stadt die Stadt)では

Ich wohne in der Stadt. (私はその町住んでいます。)

Ich gehe in die Stadt. (私はその町行きます。)

のようになります。

いまここですべての前置詞を覚える必要はありません。いろいろなドイツ語にふれながらゆっくり覚える,いや慣れることが大切です。そのとき「文脈」のなかで覚えることを忘れないで下さい。もっと詳しいことを知りたい場合は,文法解説「前置詞」を参照して下さい。

A命令文は3種類ある

play Kommenの命令形
duに対して Komm!
ihrに対して Kommt!
Sieに対して Kommen Sie!

英語の命令文は原形を文頭におくだけでしたが,ドイツ語では3種類あります。というのは,英語の命令文の相手はyouただひとつなので,どんなときでも同じ形でいいのですが,ドイツ語ではLektion1-1のところでふれたように,2人称が3通りあります。そのそれぞれに対して命令の形が成立するので,命令文が3種類できます。

Moreinfo 文法解説「前置詞」
文法解説「名詞の性と冠詞」
文法解説「文の構造」

3-2 名詞の複数形・強変化動詞

<テキスト>

playLektion3-2 本文

Michael: Das ist mein Vetter Petra. Er ist 4 Jahre alt. Und jetzt erklre ich Namen des Essens.

Michael: Was ist das?

Petra: Das ist ein Apfel. Es gibt drei pfel.

Michael: Wie heit das?

Petra: Das heit die Milch.

Michael: Was ist das?

Petra: Das ist ein Bier. Aber wir mssen ein Bier nicht trinken.

ミヒャエル:この子は僕のいとこのペトラです。彼は4才です。今私は食べ物の名前を教えていたところです。

ミヒャエル:これはなに。

ペトラ:これはりんご。3つのりんごがある。

ミヒャエル:これはなんというの。

ペトラ:これはミルク。

ミヒャエル:これはなに。

ペトラ:これはビール。でも僕たちはビールを飲んではいけない。

<単語・表現>

playLektion3-2 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
der Vetter いとこ(男性形)(cousin
jetzt 今(now
erklren 説明する(explain
das Essen 食べること・食べ物(food
der Apfel りんご(apple
gibt gebenの3人称単数現在形(give
drei 3・3つの(three
die Milch ミルク(milk
das Bier ビール(beer
mssen 助動 〜しなければならない(must
nicht 〜ではない(not
trinken 読むこと・読書[動詞の名詞化](reading

<ポイント>

@男性弱変化名詞

これは初級というより中級なのですが,でてきているので(自分でテキストを作っていながら無責任な発言)あつかいます。ドイツ語の名詞には3つの大きな格変化パターンがあって,その系統の名前を「男性名詞」「女性名詞」「中性名詞」というということは以前から確認しているところですが,この3つの大きなパターンに収斂されず,のこってしまった変化パターンがあります。これを男性弱変化名詞といいます。まあ,そういう名詞もあるということだけ知っていればいいのですが,几帳面なので気になるという人は文法解説「男性弱変化名詞」を参照して下さい。

A名詞の複数形

名詞の変化は格変化で十分なのですが,もう一つあるのです。それが複数形です。英語では複数形は基本的に−sをつけるだけで,ときどき不規則変化(child−childrenなど)がありましたが,ドイツ語では全く逆の状況です。つまり不規則変化が普通で,−sをつけるだけなのは少数です。とはいえ変化のパターンは5つに限定されています。これについては現段階で知っておく必要はないと思うので,ここでは細かいことは説明しません。詳しくは文法解説「名詞の複数形」を参照して下さい。

BEs gibt+4格

西欧の言語は基本的に主語を要求します。これが日本語との大きな違いで,英作文をするときに悩まされるのは「主語の補充」であることは周知の通りです。しかし英語では「〜に…がある」という主語のない文をどう処理するかという問題がでてきました。これがThereをつかう文なのですが,ドイツ語でも同じ問題があります。英語ではbe動詞を使いますが,ドイツ語ではgeben,英語でいうとgiveを使って「Es gibt+4格」という形をとります。4格がくることに注意して下さい。

Es gibt ein Buch. (ある本がある。)
Wo gibt es hier eine Toilette? (トイレはどこにありますか。)

C動詞の強変化

ここで勘の良い方は気づいたと思いますが,gebenの3人称単数がgibtとなっていました。本来ならばgebtとなるはずでしたね。これは動詞の強変化というもので,現在人称変化のパターンのひとつなのです。これまで学んできたのは「弱変化」とよばれ,語尾のみが変化していましたが,今度の「強変化」は語尾に加えて語幹の母音(幹母音)まで変化します。

ここでは一番上の<e−i−i−e−e−e型>を覚えましょう。

playLektion3-2 動詞の人称変化表(規則動詞・強変化)
代名詞 代名詞の意味 geben helfen
ich gebe helfe
du gibst hilfst
er/sie/es 彼・彼女・それ gibt hilft
wir 私たち geben helfen
ihr 君たち gebt helft
sie/Sie 彼ら・彼女ら・それら/あなた・あなた方 geben helfen

D助動詞

一番最後の文章ではこれまで見たことのない形が使われています。動詞が文末にきていますよね。まさか日本語でもあるまいしと思ったかもしれませんが,ドイツ語では「枠構造」とよばれる,動詞が最後にくる形があるのです。

[ドイツ語]Wir mssen ein Bier nicht trinken.

[英語]We must not drink beer.

ここではmssenという助動詞が使われています。これは英語のmustにあたります。ドイツ語と英語の構造の違いに注目して下さい。どちらも助動詞の後に動詞の原形(不定形)がきているのは同じですが,次の2点がちがいます。

  1. 助動詞にも「人称変化」がある。
  2. 助動詞はいつもの「動詞定形」の位置(第2位)に入り,動詞の原形は文の最後に入って文章を挟む。[枠構造]

ドイツ語ではこの「枠構造」というのがよく登場します。中級になると枠構造だらけ?なので今のうちから慣れておくことが必要です。ドイツ語の枠構造については文法解説「枠構造」を参照して下さい。

つづいて,助動詞の人称変化です。基本的には今まで勉強した動詞の人称変化と似ていますが,違う点が2つあります。

  1. 主語が単数の場合と複数の場合で幹母音が異なることが多い。
  2. 1人称単数[ich]と3人称単数[erなど]の形が同じである。

ここでは今でてきたmssen(〜しなければならない)と次のLektion4ででるknnen(〜できる)の変化を覚えましょう。

playLektion3-2 助動詞の人称変化表
代名詞 代名詞の意味 mssen knnen
ich mu kann
du mut kannst
er/sie/es 彼・彼女・それ mu kann
wir 私たち mssen knnen
ihr 君たち mt knnt
sie/Sie 彼ら・彼女ら・それら/あなた・あなた方 mssen knnen

このほかの助動詞の変化についてはでてきた時点でふれますが,まとめて見たい人は,文法解説「助動詞」を参照して下さい。

Moreinfo 文法解説「男性弱変化名詞」
文法解説「名詞の複数形」
文法解説「助動詞」
文法解説「枠構造」

3-3 否定文

智紀くんはいっしょに公園にいこうと誘います。

<テキスト>

playLektion3-3 本文

Tomonori: Gehen wir in den Park!

Michael: Gute Idee!

Hirokazu: Wo wohnst du, Petra?

Petra: Ich wohne in Fukuoka.

Michael: Er wohnt nicht in Kurosaki. Er bleibt hier.

智紀:公園へいこうよ。

ミヒャエル:良い考えだ。

宏和:ペトラ,君はどこに住んでいるの。

ペトラ:福岡に住んでいるの。

ミヒャエル:彼は黒崎に住んでいるのではないんだ。彼はここに泊まっているんだ。

<単語・表現>

playLektion3-3 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
der Park 公園(park
die Idee 考え・アイデア(idea
bleibt とどまる・滞在する[bleibenの3人称単数現在形](stay

<ポイント>

@人を誘う言い方

英語のLet'sにあたる表現がドイツ語にもあります。それが「不定形+wir〜!」です。ここでは

Gehen wir in den Park! (公園に行こう)

で使われています。in den Parkはin+4格なので方向を表すことは覚えていますか?忘れたという人はLektion3-1にもどりましょう。

A否定文のつくりかた

これまでも幾度かでてきていますが,ここでドイツ語の否定文の作り方を確認します。ドイツ語の否定文は2つの形態があります。

(1)名詞(不定冠詞・無冠詞の)を否定するkein(英語のnoにあたる)
I have no money. をドイツ語にするとIch habe kein Geld.となります。keinは所有冠詞などと同じ格変化をする冠詞類です。これが使えるのは定冠詞のない(不定冠詞または無冠詞)名詞を否定する場合です。
(2)名詞以外・定冠詞つきの名詞・文全体を否定するnicht(英語のnotにあたる)
こちらの方が英語ではなじみがあるのでわかりやすいでしょう。しかし注意すべきはnichtの位置です。nichtは基本的に否定したい単語の前に置きます。ただし文全体を否定する場合は文末におきます。(英語は動詞の直後でしたが)枠構造などで文末におけないときは,その手前におきます。

この使い分けについて詳しくは,文法解説「keinとnicht」を参照して下さい。

Moreinfo
文法解説「keinとnicht」


3-4 2格の用法

ペトラくんはVetterの意味をミヒャエルくんに聞いています。

<テキスト>

playLektion3-4 本文

Petra: Was bedeutet ein Vetter?

Michael: Ein Kind eines Bruders einer Mutter.

Hirokazu: Auf Japanisch 'Itoko'.

Petra: Itoko?

Hirokazu: Ja. Du bist der Itoko von Michael.

Michael: Richtig.

ペトラ:Vetterってどういう意味。

ミヒャエル:お母さんの兄弟の子供。

宏和:日本語では「いとこ」。

ペトラ:イトコ?

宏和:そう。君はミヒャエルのイトコだ。

ミヒャエル:そうだよ。

<単語・表現>

playLektion3-4 単語・表現
単語・表現 品詞 意味
bedeuten 意味する(mean
der Bruder 兄・弟(brother
die Mutter 母(mother)[さまざまな語と結びつき多義的に使われる]
Japanisch 日本語(Japanese
richtig 正しい(right

<ポイント>

@2格の用法

2格は現在,「所有冠詞」や「前置詞von(英語のofにあたる)」に居場所を奪われて次第に力を失っていますが,ここでは2格を所有の意味で使う場合の使い方をみてみます。本文では「いとこ(ein Vetter)」のことを,

ein Kind eines Bruders einer Mutter

と説明しています。「母の兄弟の子供」という訳になります。ドイツ語では後置修飾なのですね。詳しくは文法解説「2格の用法」を参照して下さい。

Moreinfo
文法解説「2格の用法」

作成者:原田大樹


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最終更新日:199855
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