分離動詞(複合動詞)

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複合動詞

複合動詞は,前綴りがついている動詞の総称です。前綴りは,「分離前綴り」と「非分離前綴り」に分けられます。分離前綴りはアクセントを持ち,定形として文のはじめか第2位に来る場合に,文末に移動します。こうした動詞を分離動詞(trennbare Verben)と呼びます。「非分離前綴り」はアクセントがなく,常に動詞と分離せずに使われます。分離動詞は英語にはありませんが,類似の現象として英語でも句動詞(群動詞)の中に,動詞と前置詞または副詞が目的語をはさむ形態を取る場合があります(例: I check it up.)。

いくつかの前綴りは意味によって分離したり非分離になったりします。具体的な意味の時には分離し,抽象的な意味の時には非分離になることがほとんどです。

Der Fährmann setzt mich an das andere Ufer über.(船で向こう岸に渡す→分離)
(渡し守は私を向こう岸へ渡します。)
Ich übersetze das Buch vom Deutschen ins Japanische. (翻訳する→非分離)
(私はこの本をドイツ語から日本語に翻訳します。)

分離動詞の使われ方

分離動詞がどのような場合に分離するのかを確認しましょう。

Ich habe heute etwas vor. (私は今日予定があります。)
Haben Sie heute etwas vor? (あなたは今日予定がありますか。)
Ich habe gestern etwas vorgehabt. (私は昨日予定がありました。)
Ich höre, dass Sie heute etwas vorhaben.(あなたは今日予定があるそうですね。)

このように,分離動詞は助動詞などと使われたり,副文の中で定形後置されると分離しません。

前綴りの役割

前綴りには,もとの動詞に意味を付け加える役割と,文法的に動詞の性質を変更する役割の2つがあります。

意味を付け加える役割

前綴りの多くはもともと前置詞・副詞としても使われており,その意味が動詞に付加されることで動詞の意味内容が詳細化されるのが複合動詞であると一般に理解することができます(中には前綴りの意味が抽象化したために,はっきりと前綴りと動詞本体の意味とのつながりが分からなくなっているものもあります)。

[上級] 動詞の性質を変更する役割

前綴りを付けることで,動詞に必要な補足語の数を増やしたり減らしたりすることができます。例えば前綴りbe- をつけると他動詞になるので,この場合には(前置詞なしで)目的語がとられることになります。

Ich antworte auf seine Frage. (私は彼の質問に答えます。)
= Ich beantworte seine Frage.

auf+4格 antwortenとbeantwortenはほぼ同義ですが,beantwortenは「しっかり答える」というニュアンスを持っており,文脈によっては同義とは言えないこともあります。

    

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