関係詞

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関係詞(Relativum)とは関係代名詞(Relativpronomen)と関係副詞(Relativadverb)の総称です。ドイツ語の関係詞には次のようなものがあります。

関係代名詞

定関係代名詞

ドイツ語の定関係代名詞にはderとwelcherがありますが,derの方が一般的です。welcherは関係代名詞derとその後に続く定冠詞とが同形で分かりにくい場合などに使われます。関係代名詞derは次のように変化します。

名詞の種類男性名詞女性名詞中性名詞複数形
1格(Nominativ) der Mann, der die Frau, die das Kind, das die Leute, die
2格(Genitiv) der Mann, dessen die Frau, deren das Kind, dessen die Leute, deren
3格(Dativ) der Mann, dem die Frau, der das Kind, dem die Leute, denen
4格(Akkusativ) der Mann, den die Frau, die das Kind, das die Leute, die

関係代名詞derは指示代名詞とほぼ同じ変化をしますが,複数2格がderenだけとなります。

関係代名詞の性・数は先行詞に従い,格は関係文中の役割で決まります。

関係代名詞の使い方は英語とかなり似ています。2つの文を1つの文にまとめる際に関係代名詞が使われます。

Das ist die Universität Kyoto
Die Universität Kyoto wurde 1897 gegründet.
→Das ist die Universität Kyoto, die 1897 gegründet wurde.
(これは1897年に創設された京都大学です。)

2つの文で共通のdie Universität Kyotoについて後ろの文の方を関係代名詞に変更し,関係詞節にする際には動詞定形を後置することになります。

関係詞節は原則として先行詞の直後に置かれます。ただし関係詞節が長くなる場合や,先行詞と非常に結びつきが強い付加語が残されているときには,関係詞節は後ろに回されます。

英語と同じく関係詞には制限的用法(限定用法)と非制限的用法(継続用法)があります。英語の場合には非制限的用法の場合にだけ関係詞の前にコンマを打つことになっているので判別しやすいですが,ドイツ語はどちらの用法でもコンマが必須なので,コンマの有無では判断できません。限定用法と継続用法では,間接話法の際の動詞の形が違います。

[上級] 限定用法と継続用法の区別は文脈によって判断することが原則ですが,継続用法であること(先行部分にはない要素を付け加えていること)を明確に示すために,関係詞にzudem(口語ではnoch dazu)が加えられることがあります。時間の先後関係を示す副詞dannなどが関係詞に入った場合も,やはり非制限用法で訳す方が適当になります。

Das ist die Universität Kyoto, die zudem für die Fakultät der Rechtswissenschaft berühmt ist.
(これは京都大学で,法学部が有名です。)

[上級] 先行詞が人称代名詞の場合

先行詞が人称代名詞となる場合には,その人称代名詞を関係文の中で繰り返す方法と繰り返さない方法があります(Sieの場合には必ず繰り返します)。繰り返さない場合には関係文の動詞は3人称単数の形になります。関係代名詞が男性形か女性形かはその人称代名詞が指している具体的な人物の性で決めます。

Ich, der/die aus Japan kommt, bin neu in Deutschland. 
Gestern habe ich Ihnen gesehen, der/die Sie in der Bibliothek gearbeitet haben.

不定関係代名詞

不定関係代名詞は先行詞を意味上含んでいるために先行詞なしに使われる関係代名詞のことで,英語ではwhatがこれにあたります(例: You can do what you want.)。ドイツ語ではwas(...なこと・もの)とwer(...する人)の2つがあります。格変化は疑問代名詞の時と同じです。

Sie können machen, was Sie möchten. (あなたはしたいことができます。)
Das ist alleswas ich Ihnen sagen musste. 
(これが私があなたに言わなければいけなかったことの全てです。)
Er kann hierher nicht kommen, was mir sehr leid tut.
(彼はここに来れませんでしたが,それが私には非常に気の毒に思われます。)

不定関係代名詞は先行詞なしで用いられることが多いです。これに対し2番目の文ではwasの前にallesが先行しています。これは文法的には先行詞と説明されますが,意味的にはwas以下の内容をallesが修飾しているとも言えます。3番目の文ではwasの前に文章があります。wasは先行する文全体を受けて,非制限用法的に叙述を続けることがあります。

関係副詞

関係詞が場所を表す場合にしばしば関係副詞が用いられます。特に先行詞が固有名詞の場合(下の文例の最後)には前置詞+関係代名詞ではなく関係副詞が用いられます。

Das ist die Stadt, in der ich wohne.(これは私が住んでいる街です。)
=Das ist die Stadt, wo ich wohne.
Ich wohne noch heute in Kitakyushu, wo ich geboren bin. 
(私は生まれた街である北九州に今でも住んでいます。)

関係副詞はこのほか,時間・態様・原因・方法などを表す場合にも使われることがあります。

書き言葉における関係副詞

英語と異なり,関係副詞はドイツ語では口語的な表現だと考えられています。そのため,前置詞+関係代名詞で表現できるところをあえて関係副詞にすることは書き言葉ではあまりありません。むしろ前置詞+関係代名詞では表現できない場面で関係副詞が利用されます。

Ich verbrachte viel Zeit in der Mittelschule, wobei die Technik vom Zeitgewinn entwickelt wurden.
(中学校では多くの時間を使って,時間の使い方を学びました。)
    

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