副文と接続詞

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接続詞(Konjunktion)は語や句を接続する機能とともに,節を接続する機能も持ちます。接続詞には文法上対等に2つの節を結びつける並列接続詞と,主節(Hauptsatz)を修飾する従属的な節を導く従属接続詞の2種類があります。従属接続詞で導かれる節を副文(Nebensatz)といいます。

接続詞の種類

並列接続詞

並列接続詞はund(そして),oder(または),aber(しかし),denn(というのは)の4つあります。これらは副文を導かないので,後に説明する定動詞後置や副文が文頭に来た場合に動詞から始めるルールの適用がありません。

Ich ging in die Stadt, aber er kam nicht dorthin. 
(私は街に行きましたが,彼はそこには来ていませんでした。)

英語と同じく次のような相関接続詞もあります。

従属接続詞

従属接続詞は名詞節を導くもの,副詞節を導くもの,形容詞節(関係詞節)を導くものに分かれます。代表的な接続詞は以下の通りです。

[中級] 副詞節を導くalsとwennはともに時に関する接続詞ですが,用法に大きな違いがあります。alsが用いられるのは過去1回だけ起きたことを表す場合のみであり,過去の反復された事象や現在に関する事象はwennを用います。

Als Kolumbus Amerika erreicht hatte, glaubte er in Indien zu sein. 
(コロンブスがアメリカに到着したとき,彼はインドにいると思っていました。)
Wenn Sie Deutsch lernen, müssen Sie sich auf die Aussprache konzentrieren.
(ドイツ語を勉強するときは,発音に集中しなければなりません。)

[中級] 接続詞weil(~なので)は因果関係を表す場合に使われ,単に理由や根拠を示す場合にはdaやdenn(並列接続詞)が使われます。

Da die internationalen Organisationen meistens nicht über eigene Vollzugsmittel verfügen, sind sie auf den Staat angewiesen.
(国際機構はたいてい固有の執行手段を持たないので,国家に頼らざるを得ません。)

上記の文章の接続詞の前後の関係は,因果関係と言えるほど強い結びつきではありません(あり得る論理の一つのオプションとは言えます)。そこでこの場合にはweilよりもdaの方が適切です。また一般的傾向として,weilで始まる文はドイツ語では好まれません(ちょうど英語でBecause...からスタートする文があまり良くない文だと言われることに似ています)。

副文と動詞の位置

(1)副文の場合に動詞の位置に関して重要なルールが2つあります。1つは,副文の中では定動詞は末尾に置かれるということです。

Er geht zur Universität. (彼は大学に行きます。)
Ich weiß nicht, ob er zur Universität geht. (私は彼が大学に行くか知りません。)

[中級] 副文の中に副文が入った場合にもこのルールが適用されます。下の例ではob節の中にnachdem節(下線部)が含まれていますが,ob節の動詞はその一番最後に置かれます。

Ich weiß nicht, ob er, nachdem er in Konstanz gekommen ist, zur Universität geht. (私は彼がコンスタンツに来た後で大学に行くか知りません。)

[上級] このルールが適用されない場合として,代替不定詞などが用いられる結果,不定詞が複数並ぶ場合があります。この場合には未来の助動詞(werden)と完了の助動詞(haben/sein)の定形は不定詞の手前に置かれます。代替不定詞が使われると,その形で時制を判別することができないため,時制を明確に示す助動詞であるhaben/sein/werdenが先におかれます。

Ich war erstaunt, weil ich den Professor habe kommen sehen. 
(私はその教授が来るのが見えたので驚きました。)
Es ist erfreulich, dass Sie uns haben besuchen können. 
(あなたが私たちのもとを訪れることができたことはとても喜ばしいことです。)
Man hat in Japan sogar die Befürchtung, dass man wegen der Abnahme der Bevölkerung in der Umgebung von großen Städten nicht mehr wird wohnen können.
(日本では地方の人口が減少してもはや住めなくなってしまうおそれさえあります。)

[中級] glauben,denkenなどの動詞の後に節を続ける場合,従属接続詞dassを用いずに定形をその第2位に置く表現方法があります。文法的には先行している主語+denken等が続く文に付加されていることになります。この形式は書き言葉・話し言葉を問わず使われます。この形が使える動詞として他に,sagen,vermuten,wissenなどがあります。

Ich denke, dass er sofort hierher kommt. 
(私は彼がすぐにここに来ると思います。)
→ Ich denke, er kommt sofort hierher.

[上級] 接続詞weilは本来は定形後置の接続詞ですが,特に口語においては定形が第2位に置かれる場合があります。これは類似の意味を表すdennが並列接続詞であることや,weilと話者が発言してから理由を考え始めるために主文と同じ構造になりやすいことなどが背景にあるようです。

(2)もう1つの重要なルールは,副文が文頭に来たときには主節の定動詞はその直後に来ることです。これは先頭に来た副文を第1位の文成分と数え,定動詞第二位の原則が適用されるからです。

Ob er zur Universität geht, weiß ich nicht.

[上級] このルールが適用されない場合として,副文が認容節(~であろうと)のときがあります。このときには認容節を第1の文成分と数えないので,主節の定動詞は普通通りの語順になります。

Wie kalt es auch ist, ich muss zur Universität gehen. 
(どんなに寒くても私は大学に行かなければなりません。)

相関的な接続詞

英語のso...that...のように,相関的に使われる接続詞がドイツ語にもあります。

従属接続詞wennの省略

従属接続詞wennが省略されると,副文の主語と動詞が倒置されます。同じ現象は英語にも見られますが,英語では古風な言い方だとされます。ドイツ語では論文など書き言葉を中心に比較的頻繁に見られる用法です。

Ist das Wetter schlecht, will ich zu Hause Deutsch studieren. 
Wenn das Wetter schlecht ist, will ich zu Hause Deutsch lernen.
(もし天気が悪ければ,私は家でドイツ語を勉強するつもりです。)

接続詞的副詞

副詞の中で接続詞的に使われるものを接続詞的副詞ということがあります。具体的には次のようなものがあります。

これらは文中に置かれると通常の副詞と変わりませんが,節の冒頭に置かれるとその直後に定動詞が来ます。並列接続詞と語感が似ているので語順の間違いを起こしやすいです。

Es ist sehr heiß heute, deshalb will ich schwimmen gehen.
(今日はとても暑いので,水泳に行こうと思います。)
    

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