[23前] 公法総合

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概要

国・地方公共団体等を一方当事者に含む公共部門における紛争を解決するためには,憲法総合・行政法総合で扱われる内容に関する理解を確実にするだけでなく,具体的な紛争の事実関係を丁寧に分析した上で,学んだ知識を総合的・実践的に活用できる能力も必要である。本講義においては,行政救済法の一環に位置づけられているものの,請求の実体的要件の検討において行政作用法総論の知識が不可欠であり,また,憲法訴訟の受け皿としても用いられる国家補償を中心に,その具体的要件の検討のほか,これまで学んだ公法分野の知識を総合的・実践的なものとするための事例演習を行う。

具体的には,行政法総合の後半で扱った行政訴訟法の内容を確認しながら行政上の不服申立てに関する基礎的な理解を深めたのち,国家賠償法1条の責任,国家賠償法2条の責任,損失補償の順番で,国家補償法に関する判例・学説の検討を行う。その後,行政作用法総論・行政救済法のまとめとして,事例問題を使った演習を行う。なお,国家補償法に関する内容を扱う回においても,事例演習の要素を取り入れた授業を行う。

授業形式

判例・事例を主な素材として,双方向・多方向形式により,かつ予習を前提にして行う。なお,前期の前半に,週2回(憲法1回・行政法1回)授業を行う。

授業内容

【行政法】
1.行政争訟法の概要
行政法総合で学んだ行政訴訟の内容を確認しつつ,行政上の不服申立ての一般法である行政不服審査法の基本構造を分析する。併せて,行政不服審査と行政訴訟の関係(原処分主義と裁決主義,不服申立前置等)についても取り扱う。

2.国家賠償法1条に基づく責任(1)
国家補償法の全体像を説明した後,国家賠償法1条に基づく責任(公権力責任)の諸要件を検討する。 

3.国家賠償法1条に基づく責任(2)
前回に引き続き,代表的な判例を素材として,国家賠償法1条の責任の諸要件を検討する。

4.国家賠償法2条に基づく責任
国家賠償法2条に基づく責任(営造物責任)の諸要件とりわけ設置管理の瑕疵概念を検討する。

5.損失補償
特別犠牲の概念,財産権の内在的制約の概念,事業損失,国家補償の谷間の問題などを検討する。

6.事例演習:情報管理制度を素材として
情報管理に関する法制度を素材に,行政作用法総論を中心とする事例演習を行う。具体的には,行政活動に関する説明責任を果たさせる情報公開制度と,行政情報管理の基盤である個人情報保護制度を取り上げる。

7. 事例演習:行政救済法を中心として
行政法総合で扱った行政訴訟と,本講義で学んだ行政不服申立て・国家補償の知識を実践的・総合的に使えるようにするため,具体的な事例を設定した上で,紛争解決の方法を検討する事例演習を行う。

成績評価方法等

筆記試験の成績を基礎として,プラスマイナス5点以内の範囲で平常点を加味することがある。
なお,4回以上授業を欠席した場合には,単位を認めない。

リサーチペーパー:無

教材

教科書:
野呂充ほか編『ケースブック行政法』(第7版,弘文堂,2022年)
参考書:
授業中に指示する。

到達目標

上記「授業内容」記載の各項目についてその内容を具体的に説明できるように理解し,推論,分析,構成及び論述の能力を身に着けることおよび上記「概要」記載の成果を得ることである。

憲法及び行政法関係の基礎科目と基幹科目を通じての到達目標については,別に掲載する「京都大学法科大学院の到達目標」(憲法)及び「京都大学法科大学院の到達目標」(行政法)のとおりである。


その他

履修要件:特になし。
授業外学習(予習・復習)等:
webを経由して配布する予習課題・復習課題に取り組む。
使用言語:日本語
科目ナンバリング:P-LAW2072075LJ41

    

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