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pacoが誕生した当初からのコンテンツであり,多くの方々に利用していただいているのがこのHDGです。ドイツ語について知りたい初心者から,ドイツ語を仕事などで使っている人まで役に立つことを目指したオンライン参考書です。

はじめに

Wer fremde Sprachen nicht lernt, kennt seine eigene nicht.
(外国語を学ばない者は,自国語を知らないのである。)
── Johann Wolfgang von Goethe

「英語」時代になってすでに久しい現在にあって,我々があえて第二外国語を学ぶ意義はどこにあるのでしょうか。

第1に,言語は「コミュニケーション手段」であり,多くの言語を身につければそれだけコミュニケーションの幅が広がることがあげられます。とくに現在「英語」が高校・大学受験手段としてそのコミュニケーションツールとしての性質を形骸化させつつあるなかで,第二外国語に挑戦することは言語のコミュニケーション性を再認識させてくれます。第2に,英語・日本語のほかにもうひとつ外国語を習得することで英語や日本語の「相対化」が可能であることがあります。相対化は自国文化・言語の理解に欠かせないものです。英語の学習でこれはかなり達成されたとはいえ,さらにもう一つ学ぶことで今度は英語の相対化も可能になります。第3に,言語を学ぶことは「文化」を学ぶことでもあるということです。言語と文化は密接につながっており,言語習得はその国の文化の理解につながります。国際化社会の今日,異文化理解は我々に求められる大きなファクターとなりつつあります。そのような情勢の中,第二外国語を習得することは意義あることなのです。

ドイツ語は第二外国語としてポピュラーなもののひとつです。構造が英語に似ていること,発音がしやすいことなど多くのメリットをもつ一方で,変化形が多いというデメリットもあります。ドイツ語学習者の多くはこの「変化形の多さ」にうんざりしてしまい,ドイツ語の面白さにまで気づかないのではないかと思います。このHDGは,ドイツ語という言語の面白さを感じてもらうことを目標にしています。

HDGの歴史

九州大学に入学してすぐに第二外国語の選択に迫られました。ドイツ語,中国語,フランス語のどれか1つを選択しようと考えていたのですが,なかなか決まりませんでした。結局,法学部ということもあってドイツ語に決めましたが,今考えるとこの選択は正しかったようです。九州大学には当時,日本人教官が週2回担当する「日本人クラス」と,ドイツ人教官と日本人教官がペアで授業を担当する「ペアクラス」の選択が可能でした。どうせドイツ語をやるのなら話せるようになった方がいいと考え,ペアクラスを選択しました。ところが,クラス発表の掲示を見てみると,ペアクラスなのにドイツ人教官が週2回とも授業を担当するクラスになっていました。本当に大丈夫かなと心配しました。教官の名前は「ミヒェル.W」。Michel先生は,九州大学で長きにわたりドイツ語とドイツ文化・日独交流史の研究・教育に情熱を注がれている方でした。授業は週2回,1年もの長きにわたりましたが,非常に楽しく,興味深いものでした。同時に先生のドイツ語の授業は定着しやすく,そのために「ドイツ語」というものそのものに非常に関心を持つようになりました。

授業も終わりに近づきつつあった1997年1月末に,先生は「ドイツ語文法のwebページをつくってみないか」という提案をされました。ここで問題となったのは,当時のHTML仕様では「日本語」と「ドイツ語」を同じ文章の中に混在させることができないということでした。いろいろな方法を試しましたが,結局イメージでウムラオトなどを処理することにしました。こうしてでできたのがこのページ(paco)とほぼ同時に完成し公開された「willkommen1.0」です。2年前期に入り,Michel先生のご厚意で,先生のドイツ語フォーラムの授業に参加させていただきました。その授業の中でwillkommenを完成させるワーキンググループがつくられ(ドイツ語文法レファレンス作成グループ=祐恒伸次君,手嶋健一郎君,中山布紗さん,福添右祐くん,原田大樹)5人の法学部生が分担して内容を補充することになりました。こうして,「willkommen2.0」が生まれました。その後は原田大樹のみで管理を行い,部分的な改訂とドイツ語初級文法テキストを追加した「willkommen3.0」が1998年に誕生し,2001年には全面改訂を行ってHDG[Haradas Deutsche Grammatik](HDG 4.0)と名称を改めました。この名前はMichel先生が付けてくださったものです。

その後もHDGは,ドイツ語中級文法の要素を少しずつ取り込みながら部分的な改訂を行ってきました。しかしなかなか時間が取れなかったこともあって,基本的な骨格やHTMLコードは1997年の公開当初のものがほぼそのまま維持されていました。2008年にドイツ留学の機会を得たことをきっかけに,内容及びHTMLのソースコードの完全な見直しを行い,全面改訂を行いました。2008年12月から公開している現在のHDG 5.0では,ドイツ語の自然な表現や,ドイツ語中・上級文法の情報をも取り込み,またドイツの文化・生活についての具体的な情報も盛り込むように心掛けています。

HDGの構成

HDGは次の3つの内容から構成されています。

ドイツ語入門

比較的簡単なドイツ語テキストを素材に,ドイツ語の基本的な文法を説明したものです。ドイツ語の初心者の方はまずここからドイツ語の世界を覗いてみるとよいと思います。

ドイツ語文法

文法項目ごとにドイツ語文法を説明したものです。初級から中・上級までの幅広い内容を含んでいるので,目的に合わせてご利用下さい。

ドイツを知る

ドイツの日常生活・文化・歴史などの情報を集めたものです。

文字コードに関する情報

HDG5.0より文字コードをUTF8にすることで,日本語とドイツ語との共存をより簡易に行えるようにしています。もしお使いのブラウザが文字化けする場合には,文字コートをUTF8に変更してみて下さい。

HDG4.3まではダウンロードファイルを用意していました。しかし現在のブロードバンドの普及率を考えると,ダウンロードファイルのニーズは高くないと判断しました。従来から公開していたダウンロードファイルは,文字コード問題を解決することだけを目的に,今後とも公開を維持します(内容上のミスの訂正は行っていません)。これに対しHDG5.0のダウンロードファイルは用意しないこととします。ご理解をお願いします。

HDG 4.3のダウンロードファイルは以下のリンクから利用できます。HDG4.3はShift-JISを利用しています。

willkommen3.0のダウンロードファイルは以下のリンクから利用できます。willkommen3.0の[for IE]はShift-JISを利用しています。[for general]はウムラオト等のドイツ語特殊文字をイメージファイルによって表現しています。Shift-JIS環境で文字化けが生じる場合にはこちらをご利用下さい。

    

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