動詞の三基本形

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動詞の不定詞(Infinitiv),過去基本形(Präteritum),過去分詞(Partizip II)をまとめて三基本形(三要形)と呼びます。規則変化と不規則変化があり,規則変化のバリエーションにもいくつかのタイプがあります。

規則動詞(Regelmäßige Verben)

規則動詞の変化のルールは次のようになります。

[不定詞] 語幹 +en → [過去基本形] 語幹 +te →[過去分詞] ge + 語幹 + t

具体例として次のようなものがあります。

不定詞過去基本形過去分詞
lernen(学ぶ) lernte [hat] gelernt
spielen(遊ぶ) spielte [hat] gespielt
wohnen(住む) wohnte [hat] gewohnt

過去分詞の横の[hat] [ist]はそれぞれの動詞がhaben支配,sein支配であることを示しています。この点は完了時制のときに問題になってきますが,三基本形を覚えるときに合わせて覚えておくと便利です。

不規則動詞(Unregelmäßige Verben)

不規則動詞は,動詞の幹母音が変化する強変化動詞,幹母音の変化はするものの語尾の形が規則変化と同じ混合変化動詞(Mischgruppe),そして全く規則性がない完全不規則動詞の3種類に分けられています。

強変化動詞

強変化動詞は,幹母音の音の変化に注目して,ABC型(例:helfen-half-[hat] geholfen),ABB型(例:fliegen-flog-[ist] geflogen),ABA型(例:fahren-fuhr-[ist] gefahren)の3つに分けられています。

不定詞過去基本形過去分詞
beginnen(始める・ABC型) begann [hat] begonnen
schreiben(書く・ABB型) schrieb [hat] geschrieben
sehen(見る・ABA型) sah [hat] gesehen

混合変化動詞

幹母音の変化を伴いながらも,語尾変化は規則動詞と同じタイプを混合変化動詞といい,brennen,bringen,denken,kennen,nennen,rennen,senden,wissenなどと話法の助動詞(Modalverben)がここに属しています。

不定詞過去基本形過去分詞
denken(考える) dachte [hat] gedacht
wissen(知っている) wusste [hat] gewusst
können(できる・話法の助動詞) konnte [hat] gekonnt

完全不規則動詞

以下の動詞には上記の規則性がありません。よく使われる動詞ばかりなので覚えることが重要です。

不定詞過去基本形過去分詞
sein(である) war [ist] gewesen
haben(持っている) hatte [hat] gehabt
werden(なる) wurde [ist] geworden
gehen(行く) ging [ist] gegangen
nehmen(取る) nahm [hat] genommen
sitzen(座る) saß [hat] gesessen
stehen(立っている) stand [hat] gestanden
tun(する) tat [hat] getan
ziehen(引っ張る) zog [hat] gezogen

過去分詞でge-のつかないタイプ

規則動詞・不規則動詞ともに,次のような場合には過去分詞にgeがつきません。

非分離動詞

複合動詞の中でも非分離前綴り(前綴りにアクセントがない)がつくタイプには,過去分詞にgeがつきません。これはすでに非分離前綴りの状態で弱音節の前綴りがついているためです。

例: erfinden(発明する) - erfand - [hat] erfunden

ラテン語由来の動詞(語尾-ierenの動詞)

語尾が-ierenで終わるタイプの動詞にも,過去分詞にgeがつきません。

例: studieren(大学で勉強する) - studierte - [hat] studiert

[中級] 受動態の場合の助動詞werden

werdenは本動詞(~になる)の意味の場合には過去分詞がgewordenとなります。これに対し,受動態の助動詞として使われた場合には,過去分詞はwordenとなってgeがつきません。例えば受動態の完了形の場合にこの形が用いられます。

例: Die Tür ist geöffnet worden.(ドアは開けられた。)

本動詞としてwerdenが使われて完了の形になることよりも,助動詞のwerdenが完了の形になることの方が多いので,gewordenよりもwordenの方が多く文章中に登場します。

[上級] 知覚動詞・使役の助動詞・話法の助動詞(代替不定詞)

知覚動詞・使役の助動詞(lassen)・話法の助動詞の完了形の場合のように,本来なら過去分詞が来る位置の直前に他の動詞の不定詞が置かれていると,過去分詞の代わりに不定詞が用いられます。これを代替不定詞(Ersatzinfinitiv)と言います。

例: Ich habe den Professor hierher kommen sehen. (私はあの教授がこちらに来るのを見た。)

この例ではsehenが普通の動詞として使われるとgesehenが来るはずですが,知覚動詞として用いられてその直前にkommenという他の動詞の不定詞が置かれているため,sehenが用いられます。

分離動詞の三基本形

複合動詞の中でも前綴りが分離する分離動詞の三基本形は次のように作られます。

例: kennenlernen(知り合いになる) - lernte ... kennen - [hat] kennengelernt

注意が必要なのは,過去分詞を作る際に前綴りと元の動詞の間にgeを入れることです。

    

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