paco Home>授業関連>演習科目一覧(九州大学)>大脇ゼミ第29期(21年度)
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基本情報
- 授業科目名: 行政法演習
- 講義題目: 行政法の基幹論点を学ぶ
- 科目群: 展開(必修)科目
- 開講学期・単位数・教室・時間帯: 通年・4単位・月曜日5限
- 対象学年: 3・4年生
- 担当教員: 大脇成昭
- 使用言語: 日本語
- 科目コード:
履修条件
行政法Ⅰ(行政過程論)を2年次に履修していることが必要です(ただし単位取得の有無は問いません)。また,新3年生はこの演習と並行して,2021年度前期に開講される行政法Ⅱ(行政救済論)を受講することが必須です。
授業の目的
「考える力」「書く力」「議論する力」を高めることがこの演習の目的です。
法律学を学ぶ上では,基礎的な概念や考え方を理解し,時には覚えることも重要なステップではあります。しかし,変化の激しい現代社会においては,大学で学んだ知識はすぐに古くなってしまいます。社会に出た後にみなさんが遭遇するさまざまな問題を解決するためには,いろいろな情報源から情報を収集し,分析し,自分の見解をまとめ,それを表現し,相手に対して説得的に説明し,議論する力を在学中に身につけておくことが重要と考えます。この演習では,行政法に関係する問題を素材に,こうした能力を伸ばすことを最大の目的としています。
授業の概要・授業計画
前期
前期は,行政法に関する判例のうちから特に重要なものを取り上げて,全員で議論します。この作業を通してゼミ生の一人一人の「考える力」「議論する力」を高めることを目標としています。授業の計画は以下のとおりです。取り上げる判例は現時点での予定で,変更する可能性もあります。
- 第1回 オリエンテーション
(自己紹介等に続いて,第2回以降の報告者を決定します。) - 第2回 最判昭60.7.16:建築確認留保事件
- 第3回 最判昭62.10.30:青色申告事件
- 第4回 最判平25.3.21:神奈川県臨時特例企業税条例事件
- 第5回 最判平25.7.12:固定資産評価基準事件
- 第6回 最判平26.1.28:一般廃棄物処理業許可事件
- 第7回 最判平26.10.9:泉南アスベスト事件
- 第8回 最判平27.3.3:営業停止処分事件
- 第9回 最判平4.9.22:もんじゅ事件(「現在の法律関係に関する訴え」の意味について)
- 第10回 最判平17.7.15:病院開設中止勧告事件
- 第11回 東地判平18.10.25:保育園入園承諾義務付け事件
- 第12回 最判平5.3.11:奈良民商事件
- 第13回 最判平5.2.18:武蔵野市宅地開発負担金事件
- 第14回 最判昭41.2.23:農業共済掛金強制徴収事件
- 第15回 今学期のまとめ
後期
後期はゼミ論文を各自が単独で執筆します(ゼミ論文の提出は,単位認定のための不可欠の要件です)。自分の興味・関心に応じて行政法に関係のあるテーマを選択し,様々な情報源を利用して調査を行い,自分なりの解決策をまとめていく過程で,「考える力」「書く力」「議論する力」の向上を図ります。
授業の進め方
毎回,報告者がレジュメを作成の上,各テーマについて報告を行い,それを素材に質疑応答を通じて参加者全員で議論します。前期はグループ単位での報告,後期は個人での報告を予定しています。
教科書及び参考図書
参考図書として,以下のものを挙げておきます。
・大橋洋一『行政法Ⅰ-現代行政過程論(第4版)』(有斐閣・2019年)
・大橋洋一『行政法Ⅱ-行政救済法(第3版)』(有斐閣・2018年)
試験・成績評価等
演習における報告内容およびその寄与度・議論への参加度と,ゼミ論文の内容により評価します。出席・報告・ゼミ論文の提出は単位認定のための,前提条件です。
その他
質問等は,メール・面談などの方法により適宜受け付けます。
事前・事後学修
教科書の該当箇所の読み込みと授業後の復習。各回4時間相当