EndNoteは文献管理ソフトの代名詞とも言えるソフトであり,高価ではありますが豊富な機能を揃えています。ここではEndNoteの使い方の概要と,EndNote法学文献パックの内容を説明します。
EndNoteでの作業手順
EndNoteでの作業手順は大きく次の3つの段階に分かれます。
- データの入力:手作業による入力・外部文献データベースからのインポート・外部文献データベースからの直接取り込み の3つの方法があります。
- データの管理:通常のデータベースソフトと同様に,ソート・検索・グループ管理といったさまざまなレコード管理が可能です。
- データの出力:文献リストを出力します。Microsoft WordやOpenOffice.org Writerとの連携の方法もあります。
EndNoteの大まかな使い方については,日本語版の販売代理店であるUSACOのホームページに掲載されているEndNote X7 クイックレファレンスガイドをご覧下さい。
EndNote法学文献パック
EndNoteはアメリカで誕生し発達したソフトウエアであり,そのためアメリカの法学文献スタイルに関する設定ファイルは多数あります。しかし残念ながら,日本・ドイツの法学文献スタイルの設定ファイルはないようです。EndNote法学文献パックは,日本・ドイツの法学文献スタイルでの引用ができるように,いくつかの設定ファイルをパッケージにしたものです。作成に当たっては,以前から公開してきたBunso用の法学文献テンプレートと同様のことができるように心掛けました。
ただし,いくつか実現できなかったことがあります。EndNoteのフィールドはBunsoほど柔軟に変更が効きません。またEndNoteの特徴でもある,外部文献データベースからの取り込みをスムーズに行うためには,フィールドを大きく変更しない方が得策と判断しました。そのため,Bunso用の法学文献テンプレートとは次の点において大きな違いがあります。
- レファレンス・タイプは,日本語文献・英語文献・ドイツ語文献とも共通です(Bunso用では言語ごとに別々の文献タイプを設定していました)。これは,外部文献データベースからの取り込みを容易にすることを目的としています。
- 文献スタイルファイルを,日本語用(Japanese Law)・ドイツ語用(German Law)と別々に用意しています(英語文献に関してはEndNoteにもともと含まれているものを利用すれば十分だと思います)。そこで,日本語文献・英語文献・ドイツ語文献をそれぞれ適切に表示するためには,文献スタイルファイルを適時切り替える必要があります(逆に言えば,ドイツ語文献をBluebookスタイルで出力させることは簡単にできます)。
- Word等との連携(Cite While You Write機能)にも対応していますが,上記の事情から複数の文献スタイルによる出力は同時にはできません。USACOのホームページに紹介されているように,論文ファイルを複数作成(コピー)して,それぞれについてスタイルファイルを適用し,必要部分をコピー・ペーストすることによる処理しかできません。
EndNote法学文献パックはEndNote X2/X3/X4/X5/X6/X7(Windows Vista/7/8/Mac)で動作確認しています。
EndNote法学文献パックの内容
EndNote法学文献パックは次のファイルから構成されています。
- CiNiiからのデータインポートフィルタ(CiNii.enf)
- 法律学の日本語文献用のスタイルファイル(Japanese Law.ens)
- 法律学のドイツ語文献用のスタイルファイル(German Law.ens)
- レファレンスタイプテーブルファイル(law.xml)
- X7用・レファレンスタイプテーブルファイル(law7.xml)
- EndNoteのサンプル文献ファイル・圧縮形式(sample.enlx)
CiNiiからのデータインポートは,CiNiiの画面で必要なデータのチェックボックスにチェックを入れ,「EndNoteに書き出し」のオプションを選んで実行を押すだけで可能です。上記のフィルタが入っていない環境でも実行できます。
文献スタイルファイルの表示形式は,Bunso用の法学文献テンプレートとほぼ同じです。ただし,EndNoteの仕様の限界で,データ入力時にいくつかの工夫をする必要があります。工夫の様子はサンプル文献ファイルを一度見ていただくと分かると思います。詳細を知りたい場合には,EndNote法学文献パックのヘルプファイルを参照して下さい。
EndNote法学文献パックのインストール方法
サンプル文献ファイルは任意のフォルダに置くことができます。レファレンスタイプテーブルはインポートの作業が必要です。それ以外の3つのファイルは,次のフォルダにコピーして下さい。自己解凍形式であれば通常の場合,適切なフォルダに解凍されますので移動作業は不要です。
- CiNii.enf
C:\Program Files\EndNote X7\Filters または ドキュメントフォルダ\EndNote\Filters - Japanese Law.ens と German Law.ens
C:\Program Files\EndNote X7\Styles または ドキュメントフォルダ\EndNote\Styles
EndNote X7はバージョンによっては別の名前になっています(EndNote X6など)。
レファレンスタイプテーブルは Edit→Preferencesのダイアログボックスの中にあるReference Types(レファレンスタイプ)のReference Type TableのImportのボタンを押して,所要の操作を実行して下さい。EndNote X7を利用する場合には,law7.xmlを利用して下さい。
より詳しい情報は,EndNote法学文献パックのヘルプファイルを参照して下さい。
EndNote法学文献パックのダウンロード
- EndNote法学文献パック Version 1.04
自己解凍形式 enlpk104.exe (327KB)
zip形式 enlpk104.zip (27.3KB)
ヘルプファイル enlpk103help.pdf (712KB)
Version1.04の変更点:
EndNote X7に対応した新しいレファレンスタイプテーブル(law7.xml)を追加しました。
EndNote法学文献パックはフリーウエアです。再配布・改変も自由です。よりよいスタイルファイルができた際にはお知らせいただけると幸いです。