paco Home>授業関連>演習科目一覧(九州大学)>大橋ゼミ第6期(98年度)
シラバス
基本情報
- 授業科目名: 法律演習
- 講義題目: 行政法演習
- 開講学期・単位数・教室・時間帯: 通年・4単位・205・火曜日4限
- 対象学年: 3・4年生
- 担当教員: 大橋洋一
授業の概要
行政法総論の中から,基本的な原則,中心となる行為形式,重要な手続ルールを選び出し,伝統的な法理論が現代社会の要請に応じきれているのか,を検証する。
ゼミにおける報告準備,研究報告の機会を通じて,学術論文の読み方,判決文・条文の解釈の仕方を修得することが当面の目標である。
授業の進め方
毎回,参加者の報告を素材に全員で議論する。自分が分担するテーマについて文献を丁寧に調査・収集した上で,聞き手に配慮した報告をすることが期待される
教科書及び参考図書
試験・成績評価等
報告及び学年末に作成する「ゼミ論集」所収の論文によって,成績評価する。
その他
履修条件:行政法一部を履修していることが望ましい。
ゼミ活動の概要
前期
前期は3年生によるテーマ報告が行われました。
- 直接民主制と住民投票・住民参加(狩生・齋藤):産業廃棄物処理場問題や軍事基地問題で最近にわかに表舞台に登場した「住民投票」のシステムの問題点や論点について検討しました。さらに行政過程における住民参加について福岡市の福祉のまちづくり条例をヒントに考察をすすめました。
- 法令違反行為効力論(清田・新村):行政に関する法律関係に民法を適用するかどうかといういわゆる「公法・私法二元論」問題の中で最近脚光を浴びているのが,いわゆる公法に違反した私法行為の効力は有効となるのかという問題です(法令行為効力論)。かつては統制経済との関係で議論されていましたが,最近では消費者保護法や独占禁止法との関係で議論がすすんでいる領域です。
- 省庁設置法と日本型行政(原田・橋本):国の行政改革でにわかに問題となってきた「省庁設置法」がテーマとなりました。構想日本の唱える「設置法行政からの脱却」を批判的に検討しつつ,日本の行政スタイルの特色について検討を進めました。また行政組織法と作用法の区別や法律の留保などの論点にも踏み込んで,あるべき設置法の姿を討論しました。
後期
後期はまず判例評釈が課題となりました。
- 土地収用における収用裁決と裁量(阿武,礒田,狩生,原田)
- 食料費問題と情報公開(野口,大畑,清田,齋藤)
- 宝塚市パチンコ店規制条例(白浜,原田,新村,橋本)
その後,ゼミ論文執筆に向けた構想報告がありました。
- A班(廃棄物問題班):
新村…ゴミ収集とリサイクル
橋本…産業廃棄物 - B班(社会福祉行政班):
原田(大)…サービス給付行政の構造転換
清田…老人ホームと介護保険
狩生…生活保護の諸問題 - C班(行政と業者の問題班):
齋藤…入札制度と談合
阿武…特殊行政機関における公正性・透明性の確保
大畑…地方分権における財源移譲問題 - D班(公共事業班):
原田(英)…公共事業の評価
野口…公共事業再評価への取組み~時のアセスメントの導入~
白浜…公共事業と住民参加
ゼミ参加者
- 幹事:橋本展典(3年生),原田大樹(3年生)
- 4年生:阿武伸一,大畑祐一郎,白浜真治,野口英史,原田英三
- 3年生:狩生浩一郎,清田明,齋藤実,新村理,橋本展典,原田大樹