Sprachstunde

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留学のためコンスタンツにやってきた由紀には困ったことがありました。

Skizze

学生窓口Yuki: Guten Tag. Störe ich nicht?
Professor Schmidt: Nein, nein. Kommen Sie herein! Nehmen Sie Platz.
Yuki: Danke!
Prof. Schmidt: Was kann ich für Sie tun?
Yuki: Ich habe eine Frage. Ich habe Jura studiert und ich komme aus Japan. Ich bin neu in Konstanz und ich bleibe hier ein Semester. Aber ich kann mich nicht einschreiben.
Prof. Schmidt: Warum nicht?
Yuki: Das weiß ich nicht. Ich habe es nicht verstanden.
Prof. Schmidt: Haben Sie ein Visum?
Yuki: Ja, natürlich!
Prof. Schmidt: Und haben Sie ein Bankkonto?
Yuki: Hier in Deutschland?
Prof. Schmidt: Ja, Sie brauchen ein Konto hier in Deutschland.
Yuki: Ach so! Das wusste ich nicht. Dann gehe ich jetzt zur Bank.
Prof. Schmidt: Ja, das ist am besten. Ich glaube, dann ist das Problem gelöst.
Yuki: Vielen Dank!
Prof. Schmidt: Nichts zu danken!
Yuki: Auf Wiedersehen!
Prof. Schmidt: Alles Gute!

日本語訳は次の通りです。

由紀: こんにちは。おじゃましていいですか?
シュミット教授: どうぞ。入ってください。座ってください。
由紀: ありがとうございます。
教授: どうしましたか?
由紀: 1つ質問があります。私は法律学を勉強していて日本から来ました。コンスタンツに来たばかりで,ここに1学期間滞在します。でも学生登録ができないのです。
教授: どうしてできないのですか?
由紀: それがわかりません。できない理由がわからないのです。
教授: ビザは持っていますか?
由紀: はい,もちろんです。
教授: では銀行口座はありますか?
由紀: ここドイツにですか?
教授: そうです。あなたにはここドイツに銀行口座が必要です。
由紀: そうですか! それは知りませんでした。では今から銀行に行きます。
教授: そうですね,それが一番でしょう。そうすれば問題は解決されると思います。
由紀: ありがとうございました。
教授: どういたしまして。
由紀: さようなら。
教授: さようなら。

表現のポイント

定型的な挨拶表現

今回の会話文の中には,いくつか典型的な挨拶表現が出てきています。

Yuki: Guten Tag. Störe ich nicht?
Professor Schmidt: Nein, nein. Kommen Sie herein! Nehmen Sie Platz.

Störe ich nicht?は「おじゃましていいですか」という意味になりますが,相談のために相手の部屋に行った際に最初に言う言葉としてしばしば用いられます。よりインフォーマルにはStöre ich?,逆にフォーマルにはDarf ich Sie kurz stören?が使われます。これに対して,部屋に入っていいですよということになると,次に言われる定番表現はNehmen Sie Platz.です。Platz nehmenは座るという意味で,これは命令文の形になっていますが,命令と言うよりは相手に勧める表現と言えます。

Prof. Schmidt: Was kann ich für Sie tun?

直訳すれば「私はあなたのために何ができますか?」ですが,これは相手が相談に来た場合に最初に言う言葉なので,日本語の相当表現は「どうしたのですか」になります。この言葉は病院などに行って医者に診てもらう場合でも医者が最初に言うことがあります。

Yuki: Vielen Dank!
Prof. Schmidt: Nichts zu danken!

相手が御礼を行った場合に,その返事としてしばしば使われるのがNichts zu danken!です。直訳すると「感謝するべきことはなにもありません」ですが,日本語の「どういたしまして」に近いと考えてよいでしょう。他にもKein Problem!(直訳すると「問題ないです」)もしばしば使われます。

Yuki: Auf Wiedersehen!
Prof. Schmidt: Alles Gute!

「さようなら」はAuf Wiedersehen!が定番ですが,他にAlles Gute!という言い方もあります。これは,次に会うまでに比較的間がある場合や,次に会う日がはっきり決まっていない人に対してしばしば使われます。

Sprachstundeとeinschreiben

今回の会話文の中では,大学でよく使われる2つの単語が出てきています。

-e Sprachstundeは「面談時間」という意味の言葉です(Sprachzeitenという場合もあります)。ドイツの大学では,担当者がそこにいても,相談のためにいつでも立ち寄ってよいわけではないことがしばしばあります。相談がある場合にはこのSprachstundeの時間内に行かないと受け付けてくれません。このSprachstundeは午前中に設定される傾向があります。

einschreibenは「登録する」という意味の分離動詞ですが,大学で使われる場合には「学生登録する」という意味になります。より難しいimmatrikulirerenというラテン語由来の単語がありますが,これも同じ意味です。ドイツでは学生しか受けられないサービスがかなりたくさんあり(逆に学生だけの義務もあります),その資格はすべてこの学生登録したかどうかによって判断されます。学期(-s Semester)の始まりにはこの学生登録をする場所に新しい学生が並んでいる様子を見ることができます。学生登録をするためには,ビザ・滞在許可,保険加入,資力証明(そのためにドイツの銀行口座が求められることがあります)などいくつかの前提が整っていることが必要です。

文法のポイント

状態受動

ドイツ語の受動態には大きく分けると「動作受動」と「状態受動」があります。動作受動はすでに初級文法(→試験!?)でも習いますが,ここでは状態受動について確認します。

Ich glaube, dann ist das Problem gelöst.

状態受動はsein+過去分詞(Partizip II)で作ります。動作受動が「~された」と動作にフォーカスするのに対して,状態受動は動作がなされた結果の状態に注目する表現です。そのため動作受動の場合には付加されうるvon/durchによる動作主などの表示は普通ありません。上の文では副文の中は「その問題が解決された状態になる」という意味を表しています。このように状態受動は何らかの動作とその結果の状態の双方のニュアンスを表すことができます。

過去形

今回の会話文の中ではwissenを使う次の2つのせりふが出てきています。

Das weiß ich nicht.
Das wusste ich nicht.

最初の文は,現在の状態として「分かりません」という意味なので,現在形が使われています。それに対して次の文は,新たな事実を知らされて,それは「知らなかった」という意味になるので過去形が使われています。wissenは現在完了形よりも過去形(Präteritum)が好まれる動詞の一つです。その理由は,「知っている」というのは動作ではなく状態を表すものであるためです。状態を表す意味を持つ動詞では,会話の中であっても単独で過去形が使われることがしばしばあります。

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