In der Bank

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問題解決のためには銀行口座を開くことが必要です。そこで由紀は銀行に行きました。

Skizze

ドイツの銀行Bankangestellte: Kann ich Ihnen helfen?
Yuki: Ja, gerne. Ich möchte ein Bankkonto eröffnen.
Bankangestellte: Haben Sie den Reisepass und den Mietvertrag dabei?
Yuki: Ja. Da ist mein Reisepass und das ist der Mietvertrag.
Bankangestellte: Danke. Sind Sie Studentin?
Yuki: Ja. Aber ich kann mich noch nicht einschreiben, weil ich kein Bankkonto in Deutschland habe.
Bankangestellte: Ah, so. Haben Sie die Zulassung der Universität?
Yuki: Ja.
Bankangestellte: OK. Dann können Sie ein Studentenkonto eröffnen. Das ist gebührenfrei.
Yuki: Oh, das ist sehr gut.
Bankangestellte: Also möchten Sie ein Studentenkonto?
Yuki: Ja, bitte.
Bankangestellte: Dann füllen Sie bitte dieses Formular aus!
Yuki: Gut. 
Bankangestellte: Das Sparbuch und die Scheckkarte werden per Post geschickt.
Yuki: Vielen Dank für Ihre Hilfe.
Bankangestellte: Schönen Tag noch!
Yuki: Danke! Ihnen auch!

日本語訳は次の通りです。

銀行員: ご用件をお伺いしましょうか。
由紀: はい,お願いします。私は銀行口座を開きたいのですが。
銀行員: パスポートと賃貸借契約はお持ちですか?
由紀: はい。これが私のパスポートで,これが賃貸借契約です。
銀行員: ありがとうございます。あなたは学生ですか?
由紀: はい。でも私はドイツの銀行口座がないので,まだ学生登録ができていません。
銀行員: わかりました。大学の入学許可証はお持ちですか?
由紀: はい。
銀行員: 結構です。では学生向けの銀行口座が選べます。これは口座維持手数料が要りません。
由紀: おお,それはとてもいいですね。
銀行員: では学生口座がよろしいですか。
由紀: はい,お願いします。
銀行員: ではこの申込書に書き込んでください。
由紀: わかりました。
銀行員: 預金通帳とキャッシュカードは郵送されます。
由紀: ありがとうございました。
銀行員: では,よい一日を!
由紀: ありがとうございます。あなたも。

表現のポイント

定型的な挨拶表現

今回の会話の場面は銀行ですが,今回も定型的な挨拶表現がたくさん出てきています。

Bankangestellte: Kann ich Ihnen helfen?
Yuki: Ja, bitte. Ich möchte ein Bankkonto eröffnen.

日本語の「いらっしゃいませ」に相当するのがKann ich Ihnen helfen?です(英語ではMay I help you?にあたります)。ドイツでは日本と違って,販売店等に入って店員と目が合うと,すぐに店員がこのせりふを言ってきます。ただ見たいだけという場合には,

Danke, aber ich will mich umsehen. (ちょっと見せてください。)

と言います。これに対して,何か頼み事がある場合には,この会話のようにJa, bitte.と言って,して欲しいことを言います。しばしばmöchteやhätte gernといった表現が用いられます。

Yuki: Vielen Dank für Ihre Hilfe.
Bankangestellte: Schönen Tag noch!
Yuki: Danke! Ihnen auch!

最後の部分では,お客さんであるはずの由紀が「ありがとう」と言っています。日本ではお客さんがありがとうというのはよほどの場合ですが,ドイツでは日常的にDanke!と言います。次に銀行員が「よい一日を」と言っています。これも日本ではあまりないことですが,ドイツでは買い物でレジを済ませると,たいていSchönen Tag noch!や,夕方になるとSchönen Abend!,週末になるとSchönes Wochenende!といった挨拶が使われます。このように言われた場合にはもちろんDanke!だけでも十分ですが,「あなたも」という意味のIhnen auch!やGleichfalls!と付け加えると相手にもよい印象を与えることができます。なおドイツでは現在,買い物の場面で店の人がAuf Wiedersehen!と挨拶することはほとんどありません。

gebührenfrei

-freiは「~のない」という意味です。gebührenfreiは-e Gebühr(手数料)がないという意味になります。ドイツの銀行口座は日本と違って,通常「口座維持手数料」が月に5ユーロ程度かかります。これは口座を維持している限りかかるものであって,現金の出し入れなどがあったかどうかには依存しません。それだけ聞くと日本より損な感じがしますが,しかしドイツの銀行口座では,機械による振込・振替やATMによる引き出しの手数料は全くないので,こうした分の利用まで加味すれば,場合によってはドイツのシステムの方が利用者に得なこともあるでしょう。学生向けの銀行口座ではこの口座維持手数料を無料にしているものもあります。ただし,その代わりの条件がある場合もあるので,選択の際にはよく情報を集めてから判断した方がよいでしょう。

銀行口座を開く際には,この会話にもあるように,身分証明書(日本人の場合にはパスポート)と長期間にわたって定住することを示す書類(賃貸借契約・住民登録)が多くの場合求められます。銀行口座には貯蓄口座(Sparkonto)と振替口座(Girokonto)の2種類がありますが,貯蓄口座を作る場合にはドイツ国内で所得を得ていることなどの条件が要求されることがあります。

どの銀行で口座を開くべきかも大きな問題です。さきほど引き出し手数料が無料だと書きましたが,それは同じ銀行内及び提携銀行に限られ,それ以外のATMでお金を引き出すと,手数料を1回あたり5ユーロ程度取られることもあります。一般には自分の行動範囲の中にATMをたくさん持っている銀行を選択するのがベストでしょう。

文法のポイント

定冠詞・不定冠詞・無冠詞

英語でも同じですが,冠詞をどう使い分けるのかは,そもそも冠詞を持たない日本語の話者には非常に難しい問題です。一般的なルールとして,話題にしているものが聞き手にとって特定できれば定冠詞,できなければ不定冠詞・無冠詞という考え方があります。これを踏まえて,上の会話文の冠詞を見てみましょう。

Ich möchte ein Bankkonto eröffnen.

この段階では由紀は初めて銀行員に対して「銀行口座」を作りたいと伝えます。そうするとこの聞き手である銀行員にとってBankkontoは初めて聞く名詞なので,不定冠詞が使われています。

Haben Sie den Reisepass und den Mietvertrag dabei?
Haben Sie die Zulassung der Universität?

ここで出てきているReisepass,Mietvertrag,Zulassungはいずれも聞き手である由紀にとってはこの場面では初めて聞く名詞です。しかしこれらはいずれも1つしかそもそも存在していないので,これらの名詞を銀行員が発話した段階で,由紀にとってはそのものが特定できます。そこで定冠詞が使われているのです。

Sind Sie Studentin?

やや特殊なのが上の用法です。英語ではこの場合に不定冠詞を付けるのが普通です(Are you astudent?)。しかしドイツ語では,職業・国籍・出身といった社会的な属性・帰属を表す補語の場合に,無冠詞になるというルールがあります。そこでこの場合には不定冠詞が付いていないということになります。

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