よい旅を

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1. 動詞の現在人称変化(強変化)

正君は小倉駅にいます。どうやら旅行に行くようです。

Michael: Guten Morgen, Tadashi! Wohin fährst du?
Tadashi: Ich fahre nach Kyoto.
Michael: Nach Kyoto? Eine alte Stadt von Japan?
Tadashi: Ja.
Michael: Also, schöne Reise!

はじめに日本語訳を確認しておきましょう。

ミヒャエル: おはよう,正君。どこに行くの?
正: 京都に行くよ。
ミヒャエル: 京都に? 日本の古都の?
正: そうだよ。
ミヒャエル: では,よい旅を!

動詞の現在人称変化(強変化)

ドイツ語の動詞の現在人称変化については,規則変化はあなたのお名前は?で,またseinとhaben(不規則変化)は友達で扱いました。今回出てくるのは規則的な変化ではありますが,語尾だけではなく動詞の語幹(変化しない部分)の母音(これを幹母音といいます)がduとer/sie/esで変化するタイプです。これを強変化と呼ぶことがあります。

不定詞 helfen(助ける) fahren(乗る)
ich helfe fahre
du hilfst fährst
er/sie/es hilft fährt
wir helfen fahren
ihr helft fahrt
sie/Sie helfen fahren

強変化の幹母音の変化はhelfenのようにeがiになるタイプと,fahrenのようにaがäになるタイプとに大きく分かれます。それぞれのグループに属する代表的な動詞として次のようなものがあります。

ドイツのバスに乗っていて,降りたい停留所の前でボタンを押すと,次のような表示が出ることがあります。なぜhältになっているのかは強変化動詞を知っていれば説明ができます。

Wagen Hält (次,とまります。)

発展学習のために

2. 数字と時刻の言い方・分離動詞

Herr Keiser: Entschuldigung, sprechen Sie Deutsch?
Tadashi: Ja, ein bisschen.
Herr Keiser: Wann fährt der Zug?
Tadashi: Welcher Zug?
Herr Keiser: Der Zug nach Tokio.
Tadashi: Der Nozomi Zug fährt um 9.20 Uhr von hier ab.
Herr Keiser: Wann ist er in Tokio?
Tadashi: Er ist dort um 14.35 Uhr.
Herr Keiser: Danke schön! Wohin fahren Sie denn?
Tadashi: Ich fahre nach Kyoto. Und Sie?
Herr Keiser: Ich fahre nach Nagoya.

日本語訳を確認しましょう。

カイザーさん: すみません,ドイツ語を話せますか?
正: はい,少し。
カイザーさん: 列車は何時に出発しますか?
正: どの列車ですか?
カイザーさん: 東京行きの列車です。
正: のぞみ号は9時20分にここを出発します。
カイザーさん: 東京にはいつ着きますか?
正: 14時35分に着きます。
カイザーさん: ありがとう。ところであなたはどこに行くのですか?
正: 私は京都に行きます。あなたは?
カイザーさん: 私は名古屋に行きます。

数字と時刻の言い方

数字の言い方

どの言語でも数字の言い方を身につけておくことは極めて重要です。日常会話で数字が聞き取れるかどうかは大きな問題だからです。まずは0から10までです。

何となく英語に似ている音もあります。例えば2はtwo→zwei,3はthree→drei,8はeight→acht,9はnine→neun,10はten→zehnです。これに対してやや注意が必要なのは,英語と少し音が違う次の二組です。1つは4(vier)と5(fünf)です。英語ではfour,fiveで母音がo,iですが,ドイツ語では母音がie,üとなっています。もう1つは6(sechs)と7(sieben)です。これも英語と母音が入れ替わっています(英語ではsix,sevenで母音がi,eですが,ドイツ語では母音がe,ieとなっています)。続いて11から1000までです。

英語と同じく11,12まではやや言い方が特殊で,13からは規則的になります。ここで間違いやすいのは次の点です。

13~19= [3~9]+zehn(例外:sechzehn, siebzehn)
20~90= [2~9] +zig(例外:zwanzig, dreißig, sechzig, siebzig)

それでは今飛ばした数字,例えば21はどう言うのでしょうか。英語ではtwenty-one(20+1)となりますが,ドイツ語ではこの順番が逆になります。すなわちeinundzwanzig(1+20)となります。フランス語の数字ほどひどくないとはいえ,この順番の逆転は日本人にとっては非常に分かりにくいです。しかし実は,この2ケタの数字の順番の逆転は実は13からすでに始まっています。つまり上の図式を見てもらうと13~19では後ろにzehn,つまり10が付いています。そうすると13のdreizehnは分解すると3+10(ただし21以降のように間のundはつかない)になっているのです。

[会話のヒント] 100を超える数字になるとeinhundertdreiundzwanzig(123)のように言います。ただし会話の場面ではhundertが省略されてeindreiundzwanzig(123)のようになるのが一般的です。

時刻の言い方

次に時刻の言い方です。英語では,

What time is it [now]? (今何時ですか?) ── It's 10 o'clock. (10時です。)

のようになりますが,ドイツ語では次のようになります。

Wieviel Uhr ist es [jetzt]? (今何時ですか?) ── Es ist 10 Uhr. (10時です。)

英語と同じくドイツ語にも12時間法と24時間法の2つの言い方があります。まず簡単な24時間法からみてみます。

数字の通りに読めばよいので楽です。Uhrは書くときは後ろに来ますが,読むときは日本語と同じく時の数字の直後に来ます。またドイツ語では英語と違って時と分の区切りは:(コロン)ではなく.(ピリオド)になります。

次に12時間法です。日本語の「10時(の)15分前」「11時半」のような言い方になります。

基本的には英語における対応する言い方(例えばquarter past six(6時15分)など)と同じです。過ぎている場合にはnach(英語ではpast),前の場合にはvor(英語ではto)を使います。注意が必要なのは上記の最後の言い方である「...時半」です。英語では日本語と同様に2時半はhalf past twoとなりますが,ドイツ語では先を見越してhalb dreiのようになります(nachがつかないとvorの意味になります)。これも慣れないとなかなかすぐに意味がつかめません。

[会話のヒント] 英語でもドイツ語でも15分の区切りの表現がありますが(英語ではquarter,ドイツ語ではViertel),これは日本人にとってはあまり馴染みのない言い方です。しかしドイツ語圏に行くと,教会の鐘が15分に1回ずつ鳴るので,これを聞いているとこの表現が英語やドイツ語にある理由がなんとなく分かってきます(*のdreiviertelという言い方は,主として南部で使われます)。

分離動詞

テキストにある正君の次のせりふに注目して下さい。

Der Nozomi Zug fährt um 9.20 Uhr von hier ab.

文末にabという言葉がついていますが,これはミスタイプではありません。これはもともとabfahrenという一つの動詞であり,これが分かれて配置されているのです。このような動詞のことを分離動詞と言います。英語でも句動詞(動詞+副詞)が使われると,動詞の目的語が代名詞であれば必ず動詞と副詞の間に配置されるというルールがあります(例: I check it up.)。ドイツ語の分離動詞はこれに似ていますが,場合によっては1単語として用いられることがある点が違います。

Ich stehe um 5 Uhr auf. (私は5時に起きます。)
Stehen Sie um 5 Uhr auf? (あなたは5時に起きますか?)
Wann stehen Sie auf? (あなたは何時に起きますか?)
Ich will um 5 Uhr aufstehen. (私は5時に起きるつもりです。)
Ich weiß nicht, ob Sie um 5 Uhr aufstehen. (私はあなたが5時に起きるかどうか知りません。)

肯定文・決定疑問文・補足疑問文ではいずれも分離動詞のうちの分離前綴りが文末に置かれています。これに対して友達で出てきた「話法の助動詞」が使われたり,後に扱う「副文」になったりすると,1語で綴られて末尾に置かれます。

発展学習のために

3. 話法の助動詞・副文

Herr Keiser: Entschuldigen Sie, bitte! Ich möchte einen Kaffee.
Tadashi: Da ist der Automat. Man kann mit Münzen einen Becher Kaffee kaufen.
Herr Keiser: In Deutschland ist es nicht so üblich, dass man mit Münzen einen Kaffee kaufen kann.
Tadashi: Wirklich? In Japan ist das ganz normal!

日本語訳は次の通りです。

カイザーさん: すみません。コーヒーが欲しいのですが。
正: あそこに自動販売機があります。小銭でコーヒーを買えます。
カイザーさん: ドイツでは小銭でコーヒーが買えるというのはあまり普通ではありません。
正: 本当ですか? 日本では全く普通のことです。

最近はドイツでも自動販売機が以前より一般化しているように見えますが,それでも日本ほどではありません。

[会話のヒント] Becherという単語は紙のカップを意味します。ドイツでアイスクリームを注文するときは次のように言って,紙のカップかコーンかをはっきり伝える必要があります。

Ich möchte das Eis im Becher. (紙のカップ)
Ich möchte das Eis in der Waffel. (コーン)

不定代名詞man

正君のせりふのなかに次のような表現が出てきています。

Man kann mit Münzen einen Becher Kaffee kaufen.

この冒頭のmanは男の人を意味するder Mannとは綴りが違います。今回は文頭なので大文字で書き始めていますが,文中では小文字で書き始めます。あえて訳すと「人々は」という意味になりますが,主語を言いたくない場合に頻繁に使われる単語です。英語では一般の人をyouやweで表しますが,ドイツ語ではむしろmanを使うことが一般的です(フランス語のonにあたります)。

話法の助動詞

話法の助動詞はすでに友達でwollenが出てきていますが,ここでは英語のcanにあたるkönnenと,~したいという意味を表すmöchteが出てきています。ここで話法の助動詞をまとめてみましょう。

不定形 können mögen wollen dürfen sollen müssen
ich kann mag will darf soll muss
du kannst magst willst darfst sollst musst
er/sie/es kann mag will darf soll muss
wir können mögen wollen dürfen sollen müssen
ihr könnt mögt wollt dürft sollt müsst
sie/Sie können mögen wollen dürfen sollen müssen

話法の助動詞は全部で6つあります。英語との対応関係にあるものとして,können(can),wollen(will),dürfen(may),sollen(shall),müssen(must),そして英語に対応するものがない話法の助動詞としてmögen(好む・かまわない)があります。文中のmöchteはこの接続法II式という形ですが,ここではmöchte(したい)とさしあたり覚えておきましょう。

話法の助動詞の人称変化は動詞と少し異なっています。1人称単数と3人称単数が同じ形であり,そこには語尾にあたるものがついていません。実はこれは過去形の人称変化と同じです。

話法の助動詞は本来定動詞が置かれる位置(肯定・否定文・補足疑問文では第二位,決定疑問文では冒頭)に置かれ,もともとの動詞は原形になって文末に置かれます(枠構造)。

Ich schreibe einen Brief. (私は手紙を書きます。)
Ich muss einen Brief schreiben. (私は手紙を書かなければなりません。)
Müssen Sie einen Brief schreiben? (あなたは手紙を書かないといけないですか?)

副文

カイザーさんの次のせりふに注目して下さい。

In Deutschland ist es nicht so üblich, dass man mit Münzen einen Kaffee kaufenkann.

接続詞dass(英語のthatにあたります)以下の節を副文(英語では従属節にあたります)と言います。ここでは英語の仮主語構文It is ... thatに相当するEs ist ... ,dassという構文が使われています。つまり主節の主語esの内容はdass以下を充当することになります。

副文で気をつける点は語順です。副文の中を見ると,普通は第二位に来るはずのkannが文末に来ています。副文の中では定動詞は文末に置かれます。

発展学習のために

4. 名詞の格・再帰動詞

正君は京都での出来事を短く日記にまとめました。

3. Mai, 2008

Um 7 Uhr stehe ich auf. Dann wasche ich mir das Gesicht. Ich frühstücke, ziehe mich an, und gehe in die Stadt. Um 9 Uhr bin ich schon in der Stadtmitte. Es gibt viele Sehenswürdigkeiten. Ich gehe in den Kitano Tenmangu Schrein. Dorthin kommen viele Leute vor dem Examen.

日本語訳は次の通りです。

2008年5月3日
7時に起床。洗顔。朝食をとり,着替えて,町に向かう。9時にはすでに町の中心に到着。たくさんの観光地がある。北野天満宮に行く。そこにはたくさんの人が試験の前にやってきている。

es gibtの構文・名詞の格

「...に~がある」という場合に,英語ではThere is/are...を使います。ドイツ語では同じ意味をEs gibt+4格で表します。上のテキストにある

Es gibt viele Sehenswürdigkeiten.

でこの表現が使われています。そこで,名詞の格の表し方について次に見てみましょう。まず定冠詞の場合です。

名詞の種類 男性名詞 女性名詞 中性名詞 複数形
1格 der Mann die Frau das Kind die Leute
2格 des Mannes der Frau des Kindes der Leute
3格 dem Mann der Frau dem Kind den Leuten
4格 den Mann die Frau das Kind die Leute

とても大変そうですが,次のポイントを押さえれば覚えるのが少し楽になるかも知れません。

次に不定冠詞の場合です。

名詞の種類 男性名詞 女性名詞 中性名詞 複数形
1格 ein Mann eine Frau ein Kind
2格 eines Mannes einer Frau eines Kindes
3格 einem Mann einer Frau einem Kind
4格 einen Mann eine Frau ein Kind

定冠詞と不定冠詞の変化の仕方の違いは,男性1格と中性1・4格にあります。定冠詞の場合にはここに変化語尾が付きますが,不定冠詞では変化語尾が付きません。

人称代名詞・再帰代名詞・再帰動詞

ichやSieなどの人称代名詞にも上に見たような格変化があります。

1格 2格 3格 4格
ich meiner mir mich
du deiner dir dich
er/sie/es seiner/ihrer/seiner ihm/ihr/ihm ihn/sie/es
wir unser uns uns
ihr euer euch euch
sie/Sie ihrer/Ihrer ihnen/Ihnen sie/Sie

ただ,ここで話が少しややこしくなってしまいます。上の文章にある次の表現に出てくるmirやmichは実は上の人称代名詞の3・4格とはやや性格が違います。

Dann wasche ich mir das Gesicht.
Ich ziehe mich an.

この2つで出てきているmirとmichはいずれもichが主語の文章であるため,自分自身をさしています。このように自分自身を指す人称代名詞を再帰代名詞と言います。再帰代名詞は2・3・4格がありますが,3人称以外は上の人称代名詞と同じです。また2格はほとんど出てこないので,ここでは3・4格のみ見てみましょう。

もとの形 3格 4格
ich mir mich
du dir dich
er/sie/es sich sich
wir uns uns
ihr euch euch
sie/Sie sich sich

この再帰代名詞とともに用いられる動詞を再帰動詞と言います。英語でもこうした例が一部にありますが(例:Make yourself at home.)ドイツ語では頻繁にこのタイプの動詞が用いられます。

上の文はsich(3格)+体の部分(4格)+waschenで「(3格)の(4格)を洗う」という意味になります。この形ではsichの部分に普通の人称代名詞の3格が来ることもあります。下の文はsich(4格)+anziehen(分離動詞)で「衣服を身につける」という意味になります。この場合にsichのところに普通の人称代名詞は来ません。

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