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2022年度第5回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2022年度第5回研究会(グローバル実証チーム主催)を,2022年9月17日(土)にオンライン(ZOOM)で開催し,分担研究者等15名が参加しました。

○「グローバル・バリューチェーン」概念とグローバル・ガバナンス(内記香子・名古屋大学大学院環境学研究科教授)
グローバル・バリューチェーンの概念やその研究史を踏まえ,グローバル・ガバナンスの観点からの現状と課題が示されました。私法・国際的ソフトロー・国家の規制法の3つの層から構成されるグローバル・バリューチェーン法の状況や,それぞれの利点・問題点が提示され,複数の動因から法生成が進む状況が明確化されました。

○国境を超える企業活動と規範のネットワーク(清水真希子・大阪大学大学院法学研究科教授)
グローバル・バリューチェーンに対する法的アプローチとして,会社法の問題関心からの分析が示されました。デューディリジェンスやESG投資(開示)の現状やその背景が示されました。投資家からみた企業という見方と,人権等の普遍的価値の論理から見た企業という見方は,この分野の議論を整序するのに有益な切り口のように思われました。

2022年度第4回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2022年度第4回研究会(研究代表者主催)を,2022年9月10日(土)にオンライン(ZOOM)で開催し,分担研究者等16名が参加しました。

○海洋ガバナンスの法的課題と展望(西本健太郎・東北大学大学院法学研究科教授)
国際海洋法に関する法的規律の現状が取り上げられ,海洋全体が管理の対象として位置づけられつつあること,事項別規制から生態系アプローチへの転換がなされようとしていることが示されました。質疑では,国家管轄権が及ぶ海域と及ばない海域とで峻別する法制度からの脱却の可能性や,陸域における環境保護の統合的アプローチと海洋法における生態系アプローチの類似点・相違点等が取り上げられました。

2022年度第3回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2022年度第3回研究会(グローバル実証チーム主催)を,2022年8月6日(土)にオンライン(ZOOM)で開催し,分担研究者等15名が参加しました。

○米国仲裁機関によるクラス仲裁手続について(会沢恒・北海道大学大学院法学研究科教授)
クラスアクションに相当する集合的な仲裁手続であるクラス仲裁について,米国における発展と現状が紹介されました。クラス仲裁は現時点では,裁判所の消極姿勢にも影響されて,それほど使われているとは言えないようですが,個別仲裁を束ねるやり方が広がっているため,復権するかのうせいがあるとのことでした。質疑では,クラスアクションがあるのにクラス仲裁が導入された理由について,あるいはクラス仲裁が公開を求めていることの趣旨について議論が交わされました。

○グローバル企業の社会的責任と投資仲裁(伊藤一頼・東京大学大学院法学政治学研究科)
投資家保護のために発展してきた投資仲裁が,近時,企業の社会的責任に関する考え方を背景に,受入国側からの反訴や投資家の過失に着目した過失相殺によって,投資家の責任を追及するツールになりつつある状況が紹介されました。投資仲裁の水平化がよいのか,それとも国家と投資家の不対等構造を前提とした投資仲裁の機能を維持すべきかが議論されました。

2022年度第2回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2022年度第2回研究会(ローカル実証チーム主催)を,2022年7月24日(日)にオンライン(ZOOM)で開催し,分担研究者等16名が参加しました。

○横浜市の国際行政活動(武木田雅大・横浜市国際局国際政策部担当部長)
全国の政令指定都市の中で唯一国際局を持っている横浜市の国際行政活動の実情や,その理論的・実践的課題を紹介して頂きました。姉妹都市のように以前からある活動のほか,SDGsに関する国際的な都市ネットワークや,ウクライナからの避難民の受入れの事務など,多様な活動とその理論的な基礎付けの可能性が扱われました。

○コメント:憲法学から(堀口悟郎・岡山大学学術研究院社会文化科学学域(法学系)准教授)
近時この分野で貴重な業績を出されている堀口先生から,自治体の国際行政活動に関する憲法上の基礎付けや限界の問題についてコメント頂きました。

○コメント:行政法学から(川端倖司・成城大学法学部専任講師)
ドイツの地方自治法や条例論に詳しい川端先生から,自治体の国際行政活動に対する行政法的なアプローチの可能性についてコメント頂きました。

2022年度第1回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2022年度第1回研究会(グローバル実証チーム主催)を,2022年6月18日(土)にオンライン(ZOOM)で開催し,分担研究者等17名が参加しました。

○「人権デュー・ディリジェンスの促進と抵触法」(加藤紫帆・東京都立大学法学部准教授)
ビジネスと人権に関するソフトローの広がりや,それを契約の中に組み込むことによる取引への影響,さらにはヨーロッパで進むこうした規範の立法化が,具体的な紛争解決でどのような意味を持つかが検討されました。
国際裁判管轄・準拠法選択においてこうした規範が持つ意義や,契約を媒介とした人権デュー・ディリジェンスの私的な執行の特色に関心が集まりました。

○「ビジネスと人権に関する指導原則」と仲裁(横溝大・名古屋大学大学院法学研究科教授)
2019年末に公表された「ビジネスと人権」仲裁に関するハーグ・ルールの内容が紹介され,その仲裁手続面の特色が扱われました。
仲裁の法的特色と人権との関係や,紛争解決のフォーラムとしての国際的な仲裁の意義,さらにはこうしたルールが作られた背景等が議論されました。

2021年度第4回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2021年度第4回研究会(研究代表者主催)・京都大学大学院法学研究科附属法政策共同研究センター 環境と法ユニット主宰研究会を,2022年2月21日(月)にオンライン(ZOOM)で開催し,ユニット協力教員・分担研究者等21名が参加しました。

○「国際環境条約をめぐる近年の動向―水銀に関する水俣条約を事例として」(宇治梓紗・京都大学大学院法学研究科准教授)
水銀に関する水俣条約の成立過程の分析を踏まえ,地球環境条約の特色を多角的に検討する報告でした。特に遵守確保と資金メカニズムの存在や,合意を促進する要因に関する分析(国連環境計画による情報提供・イシューリンケージ等)が話題の中心となりました。その後,環境と法ユニットの協力教員からコメント・質疑を行い,最後に参加者からの質疑・討論を行いました。

2021年度第3回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2021年度第3回研究会(グローバル基礎理論チーム主催)を,2022年2月12日(土)にオンライン(ZOOM)で開催し,分担研究者等15名が参加しました。

○「多層化・多元化する法秩序相互の関係の構想」(山田哲史・岡山大学大学院社会文化科学研究科准教授)
TeubnerのVerfassungsfragmente(2012年)を下敷きに,法秩序の多層化・多元化を分析する法理論が分析されました。レジーム憲法論の考え方の基本的な内容とその特色が紹介され,公法学・抵触法学から見た問題点が指摘されました。議論の中では,レジームの意味,グローバル立憲主義の考え方との異同,システム理論との関係,Teubnerのかつての議論との関係などが話題に上がりました。

2021年度第2回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2021年度第2回研究会(ローカル実証チーム主催)を,2022年1月6日(木)にオンライン(ZOOM)で開催しました。

○「多元的システムの中の宇宙法」(原田大樹・京都大学大学院法学研究科教授)
宇宙に関する法制度を,国内法と国際法,行政法と民事法の交錯関係の中で捉え,その特色と法的課題を整理する内容の報告でした。討論の中では,宇宙資源法が定めた所有権を認める法制度の理論的意義や制度設計上の課題,国家の領域管轄の限界と法理論の取り組むべき問題等が扱われました。

公共紛争解決の基礎理論

公共紛争解決の基礎理論』と題する論文集を,弘文堂より出版させていただきました。伝統ある『行政法研究双書』の40巻目に加えていただきました。

本書は,国家がこれまでになってきた作用が私人に委ねられたり(複線化),国際機構や自治組織に拡散したり(多層化)する現状を『多元的システム』の概念で把握した上で,行政法学の変容可能性を主として制度設計論の観点から模索した『公共制度設計の基礎理論』の続編として,行政救済法の分野でこのような見方を用いた場合に,どのような理論的変革が要請されるかを検討したものです。全体は2部構成で,合計7章からなります。構成は,行政救済法の基本書・体系書とほぼ同じですが,その中に上記の問題意識からの論攷を整理することで,理論的なインパクトを印象づけることができればと考えました。2014年から2021年までに公表された行政救済法に関連する論文をベースに,関連するものを一本化したり,初出時に十分でなかった言及を追加したり,最新の文献までの引用に改めたりしています。

本書の刊行にあたっても,塩野宏先生と,弘文堂の北川陽子さんに大変お世話になりました。また,本書刊行に際して,科学研究費JP21HP5106(研究成果公開促進費)を利用させて頂きました。ありがとうございました。


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2021年度第1回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2021年度第1回研究会(ローカル基礎理論チーム主催)を,2021年12月3日(金)にオンライン(ZOOM)で開催しました。

○「規制手法の多様化と法理論の課題」(松尾陽・名古屋大学大学院法学研究科教授)

規制手法の多様化をめぐるこれまでのさまざまな分野における議論を法理論的に性格付け,その議論の特色と問題点を明快に整理する内容の報告でした。討論の中では,規制手法を選択する主体の問題や,規制の内容の個別化と契約・契約法との関係,ゲートキーパーの具体的なイメージ等が論点として取り上げられました。

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