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2020年度第3回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2020年度第3回研究会(グローバル実証チーム主催)を,2021年1月25日(月)にオンライン(ZOOM)で開催しました。分担研究者等約15名が参加しました。

○「『ビジネスと人権に関する国連指導原則』の意義とグローバルトレンド」(山田美和・アジア経済研究所新領域研究センター 法・制度研究グループ長)
グローバルな企業活動と人権保障とのギャップを埋めるグローバルガバナンスのしくみとして注目されている「ビジネスと人権に関する国連指導原則」の多彩な役割やその多様な実現手段についてお話頂きました。人権という切り口がもたらす多元的な観点に改めて焦点が当てられるとともに,そこでの規範の発展過程にも関心が向けられました。

判例で学ぶ法学 行政法

『判例で学ぶ法学 行政法』を新世社から刊行させて頂きました。

本書は,新世社からすでに出版している『グラフィック行政法入門』の姉妹書として,行政法で必ず学ぶべき基本判例を素材に,行政法の基本的な考え方を説明したものであり,入門判例集と入門的演習書の両方の色彩を持っています。

行政法の判例集はすでにいくつか存在していますが,入門者に焦点を絞った判例集はあまり存在していません。本書は入門者が比較的容易に行政法の世界にアクセスできるように,取り上げる判例の数を思い切って絞り込み,また頁数もおさえることとしました。もっとも,基本的で重要な判例はカバーできているはずなので,入門者以外の方が,学習の成果を確認する用途にも利用できると思います。

本書の刊行に際しても,新世社の御園生晴彦さんの手を煩わせました。ありがとうございました。

第1回日独公法学セミナー

2020年11月20日に,オンライン(ZOOM)で,日独公法学セミナーを開催しました。

このセミナーは,2019年6月にフンボルト財団から得たHumboldt Alumni Awardと,2020年に日本フンボルト協会から得た日独共同研究奨学金を用いて,日独の若手・中堅の公法学研究者の交流事業の一環として企画したもので,日独併せて20名程度の参加がありました。

日本側からは若手の憲法・行政法研究者が自らの研究テーマをドイツ語でプレゼンテーションし,その後にドイツ側に関連する質問を行い,ドイツ側から答えるという順番で進行しました。ドイツ側からは,Hans Christian Röhl教授(コンスタンツ大学)とTimo Rademacher教授(ハノーファー大学)が参加し,活発に議論が行われました。

このセミナーの開催に当たっては,通訳として,高田倫子先生(大阪市立大学)・西上治先生(神戸大学)・須田守先生(京都大学)・原島啓之先生(大阪大学)のご協力を得ました。また,高田篤先生(大阪大学)にもご参加頂き,進行を助けて頂きました。この場をお借りして御礼申し上げます。

2020年度第2回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2020年度第2回研究会(グローバル基礎理論チーム主催)を,2020年10月25日(日)にオンライン(ZOOM)で開催しました。分担研究者等約15名が参加しました。

○「国際関係におけるグローバル・ガバナンス論」(大芝亮・広島市立大学教授)
もともとは今年の3月に予定されていた研究会でしたが,新型コロナウイルスの影響で開催が延期されていました。国際関係論がご専門の大芝先生をお迎えして,グローバルガバナンス論の現状と課題をお話し頂きました。様々な具体例を交えてのお話で,とりわけ世界銀行のインスペクション・パネルやグローバル・コンパクトの問題は,法学的にも議論すべき要素が多いように感じられました。

2020年度第1回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2020年度第1回研究会(研究代表者主催)を,2020年9月18日(金)にオンライン(ZOOM)で開催しました。分担研究者等約15名が参加しました。

○今年度の研究計画
コロナ禍後の状況を踏まえ,今年度(以降)の各チームの研究の方針や,各チーム主催の研究会の企画について,8月に開催された各チームの会議を踏まえ,チーム代表者から報告がありました。

○「フィデューシャリーとしての行政―行政国家の正統性をめぐって」(興津征雄・神戸大学教授)
委任立法・行政裁量・独立行政委員会ほか,民間化やグローバルガバナンスの進展にも至る行政国家化の現象において,国民を淵源とする正統性が議会から直接調達できない活動の正統性をどのように説明するかという問いに対して,「利益」に着目した説明方法が提示されました。具体的には,被影響利益原理を手がかりに,利害関係者の利益が実際に考慮されたかをチェックするために,信認政府モデル(信任関係)に基づくアカウンタビリティを要求する構想で,この枠組でグローバルガバナンスにおけるアカウンタビリティの問題が具体的に検討されました。討論の中では,分担研究者のさまざまな専門分野の観点から,「利益」の性質や内容確定,「代表」の意味,契約と信託の関係,信認義務の根拠など,幅広い点が取り上げられました。

2019年度第5回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2019年度第5回研究会(研究代表者主催)を,2020年2月16日(日)に同志社大学大学院法学研究科で開催しました。分担研究者・ゲスト・院生等約30名が参加しました。

○行政法学から見たスポーツ団体の規律のあり方(田代滉貴・岡山大学講師)
中央競技団体を中心に,スポーツ団体の法的規律の現状とその課題を議論しました。行政法学からアプローチの可能性や,スポーツ団体が誰のための組織なのか,さらにはグローバルレベルの規律の問題やスポーツに対する司法審査の可能性にも話題が及びました。

○グローバルガバナンス問題に対するbackcastingアプローチの試み(米谷三以・経済産業省)
今を起点にするのではなく,目標から逆算して国際経済法の在り方を考えるbackcastingの見方で,現在の国際秩序の崩壊傾向をどのように回復することが考えられるかが議論されました。基本概念の意味内容をめぐり多くの質問が出されましたが,ゆるやかな共通価値を措定して法システムを再構成する試みは大変興味深いものでした。

○制定法上の民事訴権の仲裁付託可能性をめぐる米国での議論状況(会沢恒・北海道大学)
アメリカの連邦仲裁法を背景とする制定法上の民事訴権の仲裁付託可能性に関する最高裁判例の近時の動向やその理論的課題が検討されました。私人による法執行として日本でもよく知られている制定法上の民事訴権が,民事訴訟による公益実現を前提としているがゆえに仲裁付託可能性が広く認められているパラドクシカルな状況が明確に示され,国際仲裁に関する議論にも大きな示唆があるように思われました。

2019年度第4回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2019年度第4回研究会(ローカル基礎理論チーム主催)を, 2020年2月6日(土)に東京大学社会科学研究所で開催しました。同研究会は,特別研究員奨励費「トランスナショナル・ローの法理論の研究―グローバルな土地収奪を事例として―」(代表・岡野直幸氏)との共催により,Law and Globalizationの法哲学的研究において国際的に著名な研究者であるHans Lindahl教授(オランダ・Tilburg University)を招聘して行われたものです。分担研究者・ゲスト・プロジェクト外の研究者等,計9名が参加し,大変白熱した議論が行われました(討論は全て英語)。

○「The Politics of Global Law : Human Inclusion and Exclusion」(Hans Lindahl)
 Lindahl教授の近著Authority and the Globalisation of Inclusion and Exclusion (Cambridge University Press, 2018)を踏まえて,同教授のグローバル法理論の全体像が示されました。従来のグローバル法理論では,法秩序の「空間(space)」ないし「空間性(spatiality)」の側面の理論化が十分になされていないこと,「包摂」を標榜する「グローバル化された」法秩序が固有の規範体系を持った「他者」としての法秩序を包摂することには,後者の空間的「排除」を不可避的に伴うこと,「非-法性(a-legality)」は前者の観点からの合法性/違法性(legality/illegality)という評価(すなわち法秩序への包摂)への後者からの抵抗を法理論的に表現するものであること,そこで働く「承認」の作用は,双方向的であるが非対称的(asymmetrical recognition)でしかあり得ないこと(相互承認reciprocal recognitionの論理では「他者の馴化・同調」を十分に防ぎ得ないこと)を自覚し,「ある法秩序の基体となる集団的自我=われわれ」が原初的に存在するものではなく「代表/現前re-presentation」作用によって媒介された構築物であることを踏まえて,「われわれのうちにあるわれわれとは異質な『他者』」との境界を可能な限り開放的かつ不確定(contingent)なものに保つ法理論の戦略,が強調されました。

○「コメント:Postmodern Schmitt ?」(松尾陽・名古屋大学教授)
 法思想の観点から,Lindahl教授の理論とカール・シュミットのそれが,「集団的な行為が法を作る(法に先立つ政治)」契機を強調する点では類似しつつも「集団」の捉え方において対立すること,「非-法性」をはじめとする概念がジャック・デリダの理論と近接性があること,が指摘されました。Lindahl教授からの応答では,集団に内包される「他者」の概念や「政治」を単に「決定」へと縮減しない捉え方について,さらに掘り下げた説明がなされました。

○「コメント:政治学の立場から」(田村哲樹・名古屋大学教授)
 政治理論の観点から,Lindahl教授の理論が,「政治的なるもの」の重要性を強調するエルネスト・ラクラウやシャンタル・ムフの議論と類似すること,Lindahl教授の理論では「われわれ」をいかに構成するのかという民主主義の理論が明らかにされていないこと,が指摘されました。Lindahl教授の応答では,ラクラウやムフとの異同や,「われわれ」の前にまず代表/現前の作用があることの不可避性,が説明されました。

規範の空間において「グローバル」と「ローカル」が交錯するダイナミズムを法理論的に明らかにしようとするLindahl教授の議論は,まさに本科研のローカル基礎理論チームが取り組む理論的課題に正対するものであり,非常に有益な議論の機会を持つことができたと考えています(藤谷武史)。

2019年度第3回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2019年度第3回研究会(グローバル実証チーム主催)を,2019年12月8日(日)に北海道大学東京オフィスで開催しました。分担研究者等約10名が参加しました。

○「ハードローとソフトローの理論的な研究の促進を目指して」(清水真希子・大阪大学教授)
民事法の立場からのソフトロー研究の成果を踏まえ,トランスナショナルな局面における国際法学のソフトロー論や,法哲学における法多元主義の議論との対比を試みる興味深い内容でした。議論の中では,民事法・公法・国際法のそれぞれのソフトローに関する議論の相違や,法哲学における議論との関連状況,さらにモデル法の理論的扱いなどが取り上げられ,白熱したやりとりになりました。

2019年度第2回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2019年度第2回研究会(ローカル実証チーム主催)を,2019年10月19日(土)に京都大学大学院法学研究科で開催しました。分担研究者・ゲスト・京都大学の教員・院生等約20名が参加しました。

○「圏域構想の法的意義」(原田大樹・京都大学教授)
自治体戦略2040で登場し,現在でも議論が続いている「圏域」の問題について,その議論の背景や,現在の議論状況を踏まえ,広域連携の制度設計の際に考慮すべき要素を検討しました。
○「圏域構想と民主主義」(待鳥聡史・京都大学教授)
現在検討が進んでいる圏域という考え方の文脈を明らかにしたうえで,民主主義・民主的正統性の観点から圏域の特色やあるべき姿を議論しました。
○「地方制度調査会での現地調査からみた圏域連携」(牧原出・東京大学教授)
圏域が議論されている地方制度調査会が実施している現地調査でのヒヤリング結果を踏まえ,圏域をめぐる地方公共団体の具体的なニーズや圏域形成が成功する要素を明らかにしました。

政策実現過程のグローバル化

昨年度まで実施していた科学研究費・基盤研究B「政策実現過程のグローバル化に対応した法執行過程・紛争解決過程の理論構築」の研究成果として,弘文堂から『政策実現過程のグローバル化』を刊行させて頂きました。

本書は,序論に続き,「法執行(エンフォースメント)」「権利救済(紛争解決)」「グローバル化の諸相」の3つの部から構成されています。各部は5~6章から成っており,公法学・私法学の双方から,グローバル化の現状分析と,理論的な整理の方向性が示されています。具体的な内容と初出(初出表示がない論文は書き下ろし)は以下の通りです。

本書の企画・刊行に当たっては,弘文堂の北川陽子さんに大変お世話になりました。ありがとうございました。

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