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paco Home>ernst>[京大]行政法演習12期(2023年度後期)

第14回 ゼミ論文報告会

本日のゼミでは,ゼミ論文の提出があり,簡単な報告会がありました。

それぞれのゼミ生が,それぞれのストーリーでゼミ論文を展開していて,おもしろかったです。ゼミで論文が完成するまでの過程を見ることができたことで,報告を聞きながら咀嚼して聞くことができ,さらに論文への興味が湧きました。論文集を編纂するのが楽しみです。

最終ゼミということで,ゼミを通した感想も述べ合いました。自分も含め多くのゼミ生が,ゼミを通して学びを得ることができたようでした。このゼミでの経験を将来に生かしていきたいと思いました。

1年間,ありがとうございました。(牧田)

第13回 ゼミ論文経過報告5

第13回(1/9)のゼミでは,ゼミ論文経過報告の5回目が行われました。今回の発表者は佐久間さん,門田さん,鎌原でした。
 
佐久間さんは「ミッキーマウスの著作権は日本においていつ切れるのか」と題し,アメリカで今年元日に著作権が切れたと言われている根拠と,日本ではどうかについて発表してくれました。
門田さんは「eスポーツの健全な発展を目的とした,法的課題の検討」と題し,eスポーツ大会拡大にあたっての景表法,風営法,刑法(賭博罪)上の問題点について発表してくれました。
鎌原は福島第一原発でのALPS処理水の海洋放出における国,事業者,周辺住民という三面関係を,行政法の観点から分析し報告しました。
 
3人に対しては,共通して論文のゴールをどうするかをもう一度考えてはどうかというコメントをいただきました。テーマについて一通り調べられているが,説明や答案のような内容になっているため,論文を書く上では既存の議論と比較した特殊性,相違点を明らかにした上で,法制度上の問題点を指摘し,解決方法を提案する構成とした方がいいとの指摘でした。
 
次回(1/16)はいよいよゼミ論文発表会です。ゼミ論文の提出と要約の発表が行われます。(鎌原)

第12回 ゼミ論文経過報告4

本日のゼミでは,ゼミ論文構想経過報告の4回目を行いました。

内山さんからは,Bリーグの選手が日本代表に招聘されることについて,自己決定権が保障されていないことへの問題意識に基づいて,組織法的な分析をまじえて報告していただきました。
武藤さんからは,人工妊娠中絶制度の指定医師制度や配偶者の同意条件の概要や私見を詳しく報告していただきました。
高橋さんからは,運動部活動における体罰やハラスメントについて,その定義から関係判例まで幅広く報告していただきました。

論文執筆に向けて調査が進んでいるうえに,私見まで視野に入っている人が多かったです。提出まで期限も迫ってきているので,私もがんばっていきたいと思います。(牧田)

第11回 ゼミ論文経過報告3

第11回(12/12)のゼミでは,ゼミ論文経過報告の3回目が行われました。今回の発表者は籏谷さん,原田さん,原さんでした。

籏谷さんは「AI 生成物と著作権」と題し,画像生成AIが作成したコンテンツの権利保護について,その意義と現行法での保護可能性,今後の立法論などについて発表してくれました。
用語の定義を明確にしておくべき,立法論や私見を述べる際は必ず先行研究を踏まえて既存の考え方に上乗せする方がよい,という指摘や,AIが著作権を持つが著作権者は利用者というのはズレがあるため,著作物であるが権利の帰属は置いておくということで解決がはかれないか,などのアドバイスをいただきました。

原田さんは賭博罪の要件と保護法益についての議論を報告してくれました。
賭博罪の解釈論に加えて,最高裁が賭博罪の保護法益を「勤労の美風」としたことを,IR法によるカジノや風営法で正当化がはかられているパチンコがどう克服しているかも含めて考えてはどうかとのコメントがありました。

原さんは「リニア認可取消訴訟における原告適格の拡⼤可能性」と題し,東京地裁による中間判決での原告適格の判断について,判例学説の展開を踏まえて紹介してくれました。拡大の可能性というよりは既存の議論の中で「勝ち筋」があるかを考えた方がいい,原告適格の判断においてはまず行政法規の解釈を土台とすべき,アセスメントの範囲は条例や省令といった基準によるものか事業者が自由に決められたのか調べてはどうか,などの指摘がありました。

次回(12/19)は経過報告の4回目です。ゼミ論文の提出まであと1ヶ月となり,提出方法や書式について連絡がありました。いざ文章を書き出してみるとなかなか書けない,途中でよく分からなくなることも多いとのことなので,早めに具体的なレイアウトや本文の下書きを作り,残りの期間で不十分な点を埋めていくというやり方を参考にしたいと思います。(鎌原)

第10回 ゼミ論文経過報告2

本日のゼミでは,ゼミ論文構想経過報告の2回目を行いました。

横井さんからは,登山道や探勝路で土砂災害が発生した場合に,どこまで国賠法の対象となるのかについての報告をしていただきました。
今井さんからは,終末医療に関する現在の概況およびガイドライン,法制化の動きについて報告をしていただきました。
私(牧田)からは,道路交通法によって自動運転を管理する場合に,どのような法制度が考えられるかにについて報告をしました。
林さんからは,地熱発電の周囲の環境に及ぼしうる影響について,どのように法的に対応していくかについて報告をしていただきました。

全体的に,取り上げるテーマは面白くとも,その中で方向性をどのように決めて結論をどのように出すのかは,論文を書くうえで難しいと感じました。論文提出まで残り1ヶ月ほどなので,対象や手段をどのように絞っていくかを意識して,がんばっていきたいと思います。(牧田)

第9回 ゼミ論文経過報告1

第9回(11/28)のゼミでは,3周目の報告となるゼミ論文構想経過報告の1回目が行われました。今回の発表者は小林さん,石浦さんでした。

小林さんは,「AI 法規制の必要性〜AI による契約を題材として〜」と題し,既存の枠組みでは対処が困難となりうるAIが契約の当事者のように振る舞う場面を想定した分析を,スマート冷蔵庫を例に発表してくれました。
民法の一般規定から構成することは難しいため,プラットフォームによる約款などでの対応が現実的ではないかという意見や,AIによって消費者の合理的な意思決定を促したり,行政処分を自動的に行ったりすることの議論とその課題についての紹介などをいただきました。

石浦さんは「有事における⾃衛隊の⺠間資本使⽤における諸問題について」というテーマで,自衛隊が防衛出動で民間船舶を利用する際の自衛隊法の根拠条文,過去の日本やフォークランド紛争時のイギリスにおける法整備,そして現在自衛隊が民間船舶を利用する根拠となっているPFI法などについて報告してくれました。
構成として分析の目的や問題意識をしっかり書いた上で,過去の法令が現在に及ぼす影響,PFI法を用いて契約ベースにしている理由,契約のパターンとの関係で船舶を収用する場合に特別な点などを考えた上で,着地点として現行法制の評価や今後作るべき法制度の議論に持っていけないか,などのアドバイスをいただきました。

次回(12/5)は構想経過報告の2回目です。風邪が流行っているので,体調管理には十分お気をつけいただきたいと思います。(鎌原)

第8回 ゼミ論文構想報告5

第8回(11/21)のゼミでは,5回目のゼミ論文構想報告が行われました。今回の発表者は佐久間さん,今井さん,林さんでした。
 
佐久間さんは,Vtuberと知的財産法,特許権における「生産」の意義という2つの論点を紹介してくれました。
Vtuberの構成要素を分解した場合にVtuber特有の問題は限定的な可能性もある一方で,それらを包括的に捉えたときに人格権や音声など既存の概念では説明できない論点があるのでは,などのアドバイスがありました。
 
今井さんは「終末期医療とガイドラインのあり方」というテーマで,終末期医療におけるガイドライン策定の経緯などを発表してくれました。
臓器移植法の脳死と臓器移植など生殖・生命全般の法制度を調べ,それと比較する形で制度を構想してはどうか,ガイドラインで対応していることは適切か,終末期医療の処遇として社会保障・社会福祉的議論から論じてはどうか,などの提案がされました。
 
林さんは「再生可能エネルギーに関する出力規制」というテーマで,地熱発電所の設置に係る温泉法の規制や需給バランス調整のための出力規制などの論点を紹介してくれました。 
論点が幅広いため,先行研究の議論を見ながら問題意識をはっきりさせ,政策目的とそれが正当化されるかについて調べてはどうか。発電に対する規制の中には立地規制と出力規制があり,立地規制なら自然公園法や条例,出力規制なら電力自由化や価格との関係が問題となり,技術的な問題も絡んでくる,他にも街づくり・土地利用などあらゆる論点がある,と補足をいただきました。
 
ゼミで1回発言して終わりではなく,それ以降も積極的に議論に参加して,来週以降のゼミも有意義なものにしていければと思います。
次回(11/28)からは3周目の報告が行われます。ゼミ論文の提出まで2ヶ月を切りました。(鎌原)

第7回 ゼミ論文構想報告4

第7回(11/14)のゼミでは,4回目のゼミ論文構想報告が行われました。今回の発表者は横井さん,門田さん,籏谷さんでした。
 
横井さんは「人為性のない土砂災害における予見可能性―地すべり・崩壊の差異から―
」というテーマで,土砂災害が原因で道路において事故が発生した場合の国家賠償法2条の予見可能性についての議論を発表してくれました。
自然地理学上の予見可能性と法的評価としての瑕疵・過失を判断する上での予見可能性とを区別して論じるべきでは,水害と道路に限定することでかえって問題が捉えにくくなるのではないか,などのアドバイスがされました。
 
門田さんは「日本におけるeスポーツ大会開催にかかる法的制限」というテーマで,JeSUという団体や景表法,風営法,刑法などの関連法令との関係について紹介してくれました。
海外ではどういう理屈で認められているのか,他の競技との差は何か,ノーアクションレター,規制のサンドボックスといった仕組みに着目してはどうか,などコメントをいただきました。
 
籏谷さんは「AI生成コンテンツの著作物性」というテーマで,従来の議論と海外の動向を踏まえて発表してくれました。
様々なアクターの共同著作物として認められる可能性はないのか,AIの著作者性(権利主体性)や著作権として保護される利益の性質などが著作物性だけでは捉えきれていないのではないか,などのアドバイスをいただきました。
 
次回(11/21)は5回目のゼミ論文構想報告が行われます。(鎌原)

第6回 ゼミ論文構想報告3

本日のゼミでは,3回目のゼミ論文構想報告が行われました。

ゼミ論文報告は内山さん,高橋さん,石浦さんに行っていただきました。

本日のゼミの出席者は少なかったですが,多くの質問が滞ることなく出ていました。それぞれのテーマ設定について,調べる範囲によって調べる量も多くなるもので,射程をどのように設定するかが重要であることを学びました。また,一見いままで習った行政法と関連がなくとも,取り出し方次第でいくらでも法律と結びつけられることを学びました。自分のゼミ論を進める上でもとても参考になる回でした。

次回(11月14日)のゼミでは,4回目のゼミ論文構想報告があります。(牧田)

第5回 ゼミ論文構想報告2

第5回(10/31)のゼミでは,ゼミ論文構想報告の2回目が行われました。今日の発表者は原さん,原田さん,牧田さんでした。

原さんからは「リニア静岡問題について」というテーマで,多くの利害関係者が存在し,論点も多面的,専門的であることを説明してもらい,どの論点について論じていくかを中心に質問やコメントがありました。盛り土や環境影響評価に焦点を当ててはどうか,JR東海の遠慮によるものか法的にできないのかどちらなのか,などの論点が紹介されました。

原田さんは「パチンコ三店方式をNFでしよう」というテーマで,パチンコ三店方式と風営法や賭博罪との関係で論点を紹介してくれました。論点としてさらに賭博罪の歴史的経緯,公営ギャンブルやカジノ特区との差異などが提案されました。

牧田さんは「行政上の責任と自動運転」というテーマで,現状の運転免許制度と自動運転における法整備とを関連させて発表してくれました。既存の議論を押さえることの重要性,原発やロケットへの上限額設定と保険加入義務,船舶による海洋汚染の事例を参考にすることなどアドバイスをいただきました。

ゼミ生から積極的な質問がなされ,新たな論点の提案や明確化につながりました。
次回は3回目のゼミ論文構想報告が行われます。(鎌原)

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