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現代実定法入門

弘文堂より『現代実定法入門―人と法と社会をつなぐ』を出版させて頂きました。

単著の法学入門を書いてみたいと思ったのは,今から10年以上前のことでした。博士論文(『自主規制の公法学的研究』)を書いているときに,自主規制の素材を集めるため行政法以外の分野の著書・論文を多く読んでいると,それぞれの分野で議論している内容は外見上は全く違うように見えても,同じような頭の使い方をしているのではないかと感じることがよくありました。その思いはその後,多くの学際的な研究会に参加させて頂いて報告や議論をしたりするたびに強化され,そのような法分野を越えた共通の考え方を示すことができれば,研究面で新たな発見に繋がるのではないかと感じていました。

また,教育の場面でも法学入門の必要性を感じていました。行政法の授業では,六法科目や応用科目の内容を前提としていることが多く,必ずしも全ての学生が行政法の前提となっているこうした科目を履修した上で行政法の授業に来ている訳ではないことから,こうした科目の内容を短く紹介する必要があります。その作業の過程で,法学部出身者であれば少なくともこのくらいの知識があった方がよいのではないかという要素がある程度固まってきました。

本書は,こうした経験を背景にして,法学のそれぞれの分野を超えた共通の概念や考え方をできるだけ明快に説明すること,法学部出身者であれば知っておきたい法的な知識(=さまざまな社会問題の背景に存在している法的な構造)をコンパクトに説明することに主眼を置いた法学入門書です。単著の法学入門であるため,各章のまとまりは必ずしも法学の各科目には対応せず,人間社会のルールという観点から再構成したものとなっています。本書の副題が「人と法と社会をつなぐ」となっている背景には,こうした事情があります。

本書の出版に当たっては,弘文堂の北川陽子さんに大変お世話になりました。ありがとうございました。

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