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第9回 ゼミ論文経過報告1

第9回(11/28)のゼミでは,3周目の報告となるゼミ論文構想経過報告の1回目が行われました。今回の発表者は小林さん,石浦さんでした。

小林さんは,「AI 法規制の必要性〜AI による契約を題材として〜」と題し,既存の枠組みでは対処が困難となりうるAIが契約の当事者のように振る舞う場面を想定した分析を,スマート冷蔵庫を例に発表してくれました。
民法の一般規定から構成することは難しいため,プラットフォームによる約款などでの対応が現実的ではないかという意見や,AIによって消費者の合理的な意思決定を促したり,行政処分を自動的に行ったりすることの議論とその課題についての紹介などをいただきました。

石浦さんは「有事における⾃衛隊の⺠間資本使⽤における諸問題について」というテーマで,自衛隊が防衛出動で民間船舶を利用する際の自衛隊法の根拠条文,過去の日本やフォークランド紛争時のイギリスにおける法整備,そして現在自衛隊が民間船舶を利用する根拠となっているPFI法などについて報告してくれました。
構成として分析の目的や問題意識をしっかり書いた上で,過去の法令が現在に及ぼす影響,PFI法を用いて契約ベースにしている理由,契約のパターンとの関係で船舶を収用する場合に特別な点などを考えた上で,着地点として現行法制の評価や今後作るべき法制度の議論に持っていけないか,などのアドバイスをいただきました。

次回(12/5)は構想経過報告の2回目です。風邪が流行っているので,体調管理には十分お気をつけいただきたいと思います。(鎌原)

第8回 ゼミ論文構想報告5

第8回(11/21)のゼミでは,5回目のゼミ論文構想報告が行われました。今回の発表者は佐久間さん,今井さん,林さんでした。
 
佐久間さんは,Vtuberと知的財産法,特許権における「生産」の意義という2つの論点を紹介してくれました。
Vtuberの構成要素を分解した場合にVtuber特有の問題は限定的な可能性もある一方で,それらを包括的に捉えたときに人格権や音声など既存の概念では説明できない論点があるのでは,などのアドバイスがありました。
 
今井さんは「終末期医療とガイドラインのあり方」というテーマで,終末期医療におけるガイドライン策定の経緯などを発表してくれました。
臓器移植法の脳死と臓器移植など生殖・生命全般の法制度を調べ,それと比較する形で制度を構想してはどうか,ガイドラインで対応していることは適切か,終末期医療の処遇として社会保障・社会福祉的議論から論じてはどうか,などの提案がされました。
 
林さんは「再生可能エネルギーに関する出力規制」というテーマで,地熱発電所の設置に係る温泉法の規制や需給バランス調整のための出力規制などの論点を紹介してくれました。 
論点が幅広いため,先行研究の議論を見ながら問題意識をはっきりさせ,政策目的とそれが正当化されるかについて調べてはどうか。発電に対する規制の中には立地規制と出力規制があり,立地規制なら自然公園法や条例,出力規制なら電力自由化や価格との関係が問題となり,技術的な問題も絡んでくる,他にも街づくり・土地利用などあらゆる論点がある,と補足をいただきました。
 
ゼミで1回発言して終わりではなく,それ以降も積極的に議論に参加して,来週以降のゼミも有意義なものにしていければと思います。
次回(11/28)からは3周目の報告が行われます。ゼミ論文の提出まで2ヶ月を切りました。(鎌原)

第7回 ゼミ論文構想報告4

第7回(11/14)のゼミでは,4回目のゼミ論文構想報告が行われました。今回の発表者は横井さん,門田さん,籏谷さんでした。
 
横井さんは「人為性のない土砂災害における予見可能性―地すべり・崩壊の差異から―
」というテーマで,土砂災害が原因で道路において事故が発生した場合の国家賠償法2条の予見可能性についての議論を発表してくれました。
自然地理学上の予見可能性と法的評価としての瑕疵・過失を判断する上での予見可能性とを区別して論じるべきでは,水害と道路に限定することでかえって問題が捉えにくくなるのではないか,などのアドバイスがされました。
 
門田さんは「日本におけるeスポーツ大会開催にかかる法的制限」というテーマで,JeSUという団体や景表法,風営法,刑法などの関連法令との関係について紹介してくれました。
海外ではどういう理屈で認められているのか,他の競技との差は何か,ノーアクションレター,規制のサンドボックスといった仕組みに着目してはどうか,などコメントをいただきました。
 
籏谷さんは「AI生成コンテンツの著作物性」というテーマで,従来の議論と海外の動向を踏まえて発表してくれました。
様々なアクターの共同著作物として認められる可能性はないのか,AIの著作者性(権利主体性)や著作権として保護される利益の性質などが著作物性だけでは捉えきれていないのではないか,などのアドバイスをいただきました。
 
次回(11/21)は5回目のゼミ論文構想報告が行われます。(鎌原)

第6回 ゼミ論文構想報告3

本日のゼミでは,3回目のゼミ論文構想報告が行われました。

ゼミ論文報告は内山さん,高橋さん,石浦さんに行っていただきました。

本日のゼミの出席者は少なかったですが,多くの質問が滞ることなく出ていました。それぞれのテーマ設定について,調べる範囲によって調べる量も多くなるもので,射程をどのように設定するかが重要であることを学びました。また,一見いままで習った行政法と関連がなくとも,取り出し方次第でいくらでも法律と結びつけられることを学びました。自分のゼミ論を進める上でもとても参考になる回でした。

次回(11月14日)のゼミでは,4回目のゼミ論文構想報告があります。(牧田)

第5回 ゼミ論文構想報告2

第5回(10/31)のゼミでは,ゼミ論文構想報告の2回目が行われました。今日の発表者は原さん,原田さん,牧田さんでした。

原さんからは「リニア静岡問題について」というテーマで,多くの利害関係者が存在し,論点も多面的,専門的であることを説明してもらい,どの論点について論じていくかを中心に質問やコメントがありました。盛り土や環境影響評価に焦点を当ててはどうか,JR東海の遠慮によるものか法的にできないのかどちらなのか,などの論点が紹介されました。

原田さんは「パチンコ三店方式をNFでしよう」というテーマで,パチンコ三店方式と風営法や賭博罪との関係で論点を紹介してくれました。論点としてさらに賭博罪の歴史的経緯,公営ギャンブルやカジノ特区との差異などが提案されました。

牧田さんは「行政上の責任と自動運転」というテーマで,現状の運転免許制度と自動運転における法整備とを関連させて発表してくれました。既存の議論を押さえることの重要性,原発やロケットへの上限額設定と保険加入義務,船舶による海洋汚染の事例を参考にすることなどアドバイスをいただきました。

ゼミ生から積極的な質問がなされ,新たな論点の提案や明確化につながりました。
次回は3回目のゼミ論文構想報告が行われます。(鎌原)

第4回 ゼミ論文構想報告1

本日のゼミでは,1回目のゼミ論文構想報告が行われました。

ゼミ論文報告は鎌原さん,武藤さん,小林さんに行っていただきました。テーマ報告から1週間しか経過していないですが,テーマの詳細な射程,各国との比較,メリット・デメリットの比較,制度の詳細な仕組みなど,前回より詳細な点まで詰められていたと思います。

同時にゼミ生からも多くの質問が出ていたので,活発な回でした。自分にとっても応用のきく鋭い質問もあってとても参考になりました。

次回(10月31日)のゼミでは,2回目のゼミ論文構想報告があります。(牧田)

第3回 ゼミ論文テーマ発表

第3回(10/17)のゼミではゼミ論文の構想テーマ報告が行われました。

今回はゼミ生全員が1人1人の持ち寄ったテーマについて発表し,ゼミ生からの質問と先生方からのコメントをいただきました。

多岐にわたるそれぞれのテーマについて法的観点からのアプローチを提案していただいて,自身の論文執筆に向けて大変有意義であったと同時に,他のゼミ生の皆さんが紹介してくれたさまざまな社会問題や問題意識がとても興味深く,自分自身では思いつかなかった論点も多かったため,ゼミで議論していくことの意義を改めて感じる機会となりました。

次回以降はゼミ論文構想報告を行う予定です。3人ずつ論文構想の発表を行い,論文執筆にあたって調べていく論点について考えていきます。(鎌原)

第2回 ゼミ論文モデル報告

本日のゼミでは,TAの石井さん,助教の森廣さんと吉川さんにゼミ論文のモデル報告を行っていただきました。

未だテーマを策定している段階ですが,ゼミ論の道筋までを知ることができたので,どのような点に着目してゼミ論を構成していけばよいか,どのレベルまで論点を詰めていけばいいのか,イメージすることができました。特に,助教授の方から発表していただいた内容はいずれも,ドイツの議論を参考にしているもので,日本で議論を探すのに苦労した場合に,海外にも視点を向けてもいいのだということを知ることができました。

次回(10月17日)のゼミでは,ゼミ生がテーマ構想について報告します。(牧田)

第1回 オリエンテーション

後期のゼミが始まりました。後期は例年通り,ゼミ論文を書いてもらうことになります。

初回の今回は,自己紹介やゼミ役員決めのほか,ゼミ論文の書き方について,TAの法科大学院生や特定助教にアドバイスしてもらいました。

2023年度第1回GNL科研研究会

科学研究費基盤研究A「グローバル法・国家法・ローカル法秩序の多層的構造とその調整法理の分析」(GNL)の2023年度第1回研究会(グローバル基礎理論チーム主催)を,2023年8月5日(土)に同志社大学(オンライン(ZOOM併用))で開催し,分担研究者等11名が参加しました。

○グローバル化された民主的社会における権力分立(高田陽奈子・大阪大学大学院公共政策研究科准教授)
人権条約の構造に着目し,国際法と国内法の関係や,グローバル化された民主的社会における権力分立の議論を展開する極めて興味深い内容の報告でした。質疑では,議論の射程(人権条約に限定的なものか,普遍性がある議論なのか)や権力分立の意味等さまざまな論点が取り扱われました。

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