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現代美術と行政法学

「現代美術と行政法学」と題する論攷を『民事判例Ⅲ──2011年前期』(日本評論社・2011年)128-135頁に掲載させて頂きました。これは2011年3月に北海道大学で開催された研究会報告における同名のコメントに加筆修正を加えたものです。現代美術や文化と行政法との関係はこれまであまり考えたことのなかったテーマでしたが,この研究会及び原稿準備の過程における議論の中で,この分野の特性や行政法学への影響を多少なりとも検討することができました。

政策実現過程のグローバル化と国民国家の将来

2011年10月9日に名城大学法学部で開催された第76回日本公法学会第一部会で「政策実現過程のグローバル化と国民国家の将来」と題する報告をさせて頂きました。今年の公法学会は全体テーマが「国家の役割の変容と公法学」であり,第一部会は「市場のグローバル化と国家」がテーマとされていました。地球環境保護・国際金融市場規制・原子力平和利用などの具体例を素材に,政策実現過程のグローバル化の現状とこれに公法学からアプローチする方法について報告させて頂きました。

開催校である名城大学の先生方をはじめ,第一部会の司会者の野村武司先生(獨協大学)・江島晶子先生(明治大学)に大変お世話になりました。ありがとうございました。

法律による行政の原理

「法律による行政の原理」と題する小稿を法学教室373号(2011年)4-10頁に掲載させて頂きました。10月号は特集が「行政法の基礎」であり,拙稿のほか「行政組織と行政機関」「行政基準」「行政行為の意義と分類」「裁量の瑕疵」「抗告訴訟の変容と取消訴訟の処分性」の合計6本が掲載されています。さらに最判2011年6月7日(理由提示)の判例評釈と石川先生・曽和先生・増井先生・北村先生・前田先生の連載もあるので,全体として公法の比率がかなり高い号になっています。

集団的消費者利益の実現と行政法の役割

「集団的消費者利益の実現と行政法の役割──不法行為法との役割分担を中心として」と題する論文を,現代消費者法12号(2011年)17-29頁に掲載させて頂きました。これは今年11月に京都大学で開催される日本消費者法学会第4回大会の報告概要として掲載したものであり,シンポジウムのテーマは「集団的消費者利益の実現と実体法の役割」となっています。

個人的には,「行政法から見た制度的契約論」で取り上げていた法律行為論と行政法との連携関係の議論を,不法行為法にも広げようという意図で書きましたが,この分野は同時に行政過程と司法過程の役割分担の議論とも密接に結びつくものであるため,どちらかというと訴訟法の色彩が強い内容になりました。

Die Zukunft der Stromregulierung in Japan

2011年9月16日に台湾国立大学(NTU)法学部で開催されたInternationales Thyssen-SymposiumでDie Zukunft der Stromregulierung in Japan(日本の電力規制の将来)と題するドイツ語での報告をさせて頂きました。今回が3回目になるThyssen-Simposiumでは統一テーマとしてWirtschaftlicher Wettbewerb versus Staatsintervention(経済競争と国家介入)が選択され,総会報告のあと3つの部会(憲法・行政法・経済法)に分かれて報告が行われました。参加者は日本・台湾・韓国・中国・ドイツの5ヶ国からで,報告と討論は原則としてドイツ語でなされました。

関心が高いテーマであったためか,数多くの質問が寄せられました。時間と能力の関係で全てには答えることができませんでしたが,残された課題については今後とも考えていきたいと思います。司会のソウル大学のHong教授には議論の交通整理をして頂き,また終了後には示唆的なコメントを頂きました。ありがとうございました。

SEZ as a Governance Tool

"Special Economic Zones as a Governance Tool for Policy Coordination and Innovation"と題する論文を,ドイツの日本法雑誌であるZjapanR/J.JAPAN.Lの31号に掲載させて頂きました。これは,2009年2月に九州大学で開催されたシンポジウムの原稿に加筆修正を加えたものです。

日本の特区制度をマルチレベルガバナンスの観点から捉えた上で,ドイツ連邦制改革で導入された上書き立法権の議論を踏まえてその機能的特色と法的課題を素描しました。

現代美術と行政法学

2011年3月19日に北海道大学法学部で開催された北大GCOE・知的財産法研究会で「現代美術と行政法学」と題するコメントをさせて頂きました。報告者の田村善之先生の「現代美術と著作権」のご報告を踏まえ,行政法学の観点から文化政策の問題を素描する内容でした。ご報告及び後続の小島立先生(九州大学)・高久彩先生(九州国立博物館)のコメントのいずれも大変示唆に富んだもので,日頃考える機会の多くない文化行政法の問題について検討するよい機会となりました。

研究会報告に際してはとりわけ田村善之教授の多大なご協力を得ました。また,大変な時期にもかかわらず,藤谷武史准教授はじめ多くの先生方・院生のみなさんのご出席がありました。ありがとうございました。

本質性理論の終焉?

2010年10月22日に北海道大学法学部で開催された北大公法研究会(基盤A「関係性及び連携と連帯に着目した新たな行政観の構築可能性とその具体像に関する研究」研究会と共催)で「本質性理論の終焉?: 国際金融市場規制を素材として」と題する報告をさせて頂きました。銀行に対する自己資本比率規制や国際会計基準など,国際レベルで展開する行政上の規範形成が国内法に与える影響を,本質性理論というフィールドから検討しました。公法以外の先生方にもご参加頂き,さまざまな観点からのご質問・ご意見をいただくことができました。

研究会報告に際してはとりわけ,亘理格教授と藤谷武史准教授の多大なご協力を得ました。ありがとうございました。

立法者制御の法理論

立法者制御の法理論──政策決定の「質」向上のための一試論」と題する論説を,新世代法政策学研究(北海道大学)7号(2010年)109-147頁に掲載させて頂きました。これは,2009年9月に北海道大学で開催されたシンポジウム「相対化・グローバル化時代における国家の法律と立法者の位置づけ」の報告原稿に加筆修正を加えたものです。この特集には以下の4論文が掲載されています。

後半の2本の論説は,シンポジウムの際の報告原稿と素材の上では共通ですが,実質的には完全書き換えに近いものになっています。

多元的システムにおける行政法学

「多元的システムにおける行政法学──日本法の観点から」と題する論説を,新世代法政策学研究(北海道大学)6号(2010年)115-140頁に掲載させて頂きました。これは,2009年9月に学習院大学で開催されたシンポジウム『多元的システムにおける行政法学』での報告原稿に加筆修正を加えたものです。ただしIV章3節 (1)の部分は『相対化・グローバル化時代における国家の法律と立法者の位置づけ』の報告原稿の内容となっています。公表に際して「多元的システムにおける行政法学」の方で多層化・複線化の問題をまとめて扱うことに変更したため,2つの原稿の間での内容の若干の整理を行うこととしました。この特集「多元的システムにおける行政法学」には上記の論文も含めて次の4本が掲載されています。

「多元的」と「多層的」の意味の違いについては上記の「企画趣旨説明」に詳しい記述があるほか,拙稿でも若干の概念整理を行いました。

個人的には,この公表作業で,現在の留学の研究テーマについてこれまで勉強したことの一区切りをつけることができました。『相対化・グローバル化時代における国家の法律と立法者の位置づけ』の報告原稿については,7月発行予定の新世代法政策学研究7号に掲載される予定です。

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