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行政法学から見た原子力損害賠償

「行政法学から見た原子力損害賠償」と題する論文を,法学論叢(京都大学)173巻1号(2013年)1-25頁に掲載させて頂きました。これは,2012年12月20日に開催されたEUSI東京主宰シンポジウムでの報告原稿をもとに,加筆修正したものです。本稿はまた,公益財団法人稲盛財団研究助成(グローバルな政策実現過程の成立条件と主権国家の統治機構への影響──原子力安全分野を素材として)及び公益財団法人トラスト60研究助成(財産管理の客体論[研究代表者 原恵美・学習院大学准教授])の研究成果の一部でもあります。原子力損害賠償法に関する分析は従来,民事法からのものが中心でしたが,行政法から見ても多くの興味深い論点を含んでいます。

シンポジウムの際には,一橋大学大学院法学研究科の川崎恭治先生と中西優美子先生に大変お世話になりました。また,移籍直後の論文掲載に関しては,京都大学大学院法学研究科の毛利透先生のお手を煩わせました。ありがとうございました。

日本の原子力行政の課題

7月8日に西南学院大学法学部で開催された法学部講演会において,「日本の原子力行政の課題」と題する講演をさせていただきました。日本の原子力行政・原子力政策の構造的な特色を,電力事業規制・原子力損害賠償制度・原子炉設置規制の3つの観点から検討するものでした。西南学院大学の勢一智子先生,毛利康俊先生には大変お世話になりました。ありがとうございました。

規制の民間開放と自治体の賠償責任

「規制の民間開放と自治体の賠償責任──指定確認検査機関」と題する判例評釈を,磯部力=小幡純子=斎藤誠編『地方自治判例百選[第4版]』(有斐閣・2013年)115頁に掲載させて頂きました。これは指定確認検査機関から事務の帰属する地方公共団体への行政事件訴訟法21条による訴えの変更を認めた最高裁決定(最二小決2005(平成17)・6・24判時1904号69頁)を取り扱ったものです。多くの評釈が存在し,議論すべき点も多い決定ですが,頁数が1頁しかないことから,決定のアウトラインと学説の反応を素描するにとどめました。

この事件との関係では,横浜地判2012(平成24)年1月31日判時2146号91頁が指定確認検査機関の国家賠償責任を認める判断を下しており(同判決の評釈として板垣勝彦・自治研究89巻6号(2013年)137頁以下),「公共団体」「公務員」をどう特定すべきかという議論はまだ収束していません。別の機会を捉えて詳細な検討を試みたいと思います。

Atomenergie - Freund oder Feind des Gemeinwohls?

5月21日~23日にドイツ・Bad Homburg v.d.Höhe (フランクフルト近郊)で開催されている第12回日独社会科学学会において,5月21日に「Atomenergie - Freund oder Feind des Gemeinwohls?」と題する一般公開セクションの基調講演(ドイツ語)(後援:Werner Reimers Stiftung)をさせて頂きました。

日本の原子力政策や法制度の編成に対する行政法学の観点からの問題状況の分析と,原子力のような政策目的決定に争いがある政策分野において法律学がどのような貢献をなし得るかを報告の主題としました。このところ連続している原子力関連のテーマですが,問題意識としてはむしろ「現代美術と行政法学」と近いものがあります。

福島第一原発事故に起因する日本の原子力政策をめぐる議論はドイツ人からの関心も非常に高く,多岐にわたる数多くの質問を頂きましたが,時間の関係上ほとんどお答えできませんでした。別の機会にこれらの問題についてお答えする機会を持ちたいと考えています。

今回の報告に際しては,コンスタンツ大学のGisela Trommsdorff名誉教授と,Hans Christian Röhl教授の多大なご助力を得ました。ありがとうございました。

行政委員会委員の月額報酬を定める条例の適法性

「行政委員会委員の月額報酬を定める条例の適法性」と題する判例評釈を,平成24年度重要判例解説(2013年)53-54頁に掲載させて頂きました。これは滋賀県特別職の職員の給与等に関する条例の定めが日額制ではなく月額制であったことが争点となった最一小判2011(平成23)・12・15民集65巻9号3393頁をテーマとするものです。

地方議会の決定に関する裁量という点では重判の同じ号に掲載されている住民訴訟の対象とされている地方公共団体の請求権を放棄する議決(木村琢麿先生)と状況が類似しており,また判決が立法過程における議論にも注目して裁量の基礎付けを判断している点は,同じ号の医薬品インターネット販売禁止省令(下山憲治先生)と似た手法とも言えます。

媒介行政と保障責任

1月31日に京都大学で開催された国家による「非営利型移転」の支援と公共サービスの設計・平成24年度第6回研究会で,「媒介行政と保障責任」と題する報告をさせていただきました。媒介行政という言葉は,ドイツにおいて行政作用の類型論の一種として用いられ,保障責任との結びつきが意識されてきました。他方で媒介行政の具体例として何が想定されているのかはなお不明確であり,報告では日本やドイツの具体的な素材を挙げた上で,媒介行政作用が保障行政の議論に何をもたらすか展望しました。

日本における原子力損害賠償の現状と課題

12月20日に如水会館(東京)で開催された,EUSI東京主宰のシンポジウム「福島後の原子力損害賠償: 日本の視点,欧州の視点」において,「日本における原子力損害賠償の現状と課題:行政法の視点から」と題する報告をさせて頂きました。原子力損害賠償法や2011年に立法化された原子力損害賠償支援機構法・平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律に含まれる行政法的な特色を批判的に検討する内容でした。

報告に際しては,一橋大学大学院法学研究科の川崎恭治先生と中西優美子先生のお手を煩わせました。ありがとうございました。

震災復興の法技術としての復興特区

震災復興の法技術としての復興特区」と題する論文を,社会科学研究(東京大学)64巻1号(2012年)174-191頁に掲載させて頂きました。これは,2012年2月21日に開催されたシンポジウムの報告原稿を加筆修正したものです。報告原稿そのものは別途刊行されています。

公表に際しても東京大学社会科学研究所の佐藤岩夫先生に大変お世話になりました。ありがとうございました。

国際的行政法の発展可能性

「国際的行政法の発展可能性──グローバル化の中の行政法(1)」と題する論文を自治研究88巻12号(2012年)80-100頁に掲載させて頂きました。これは,東京大学の山本隆司教授を代表者とする科研基盤B「行政の主体の多層化・多元化に対応する行政法理論の構築」,太田匡彦教授を代表者とする科研基盤B「機能自治と地方自治の比較研究──自治の基礎理論のために」と藤谷武史准教授を代表者とする科研基盤B「グローバル化に対応した公法・私法協働の理論構築──消費者法・社会保障領域を中心に」の合同研究会として2012年7月27日に東京大学で開催された,斎藤誠教授「グローバル化と行政法」(行政法の新構想I所収)書評会における報告原稿を基に執筆したものです。とりわけ公法抵触法の問題と,国際私法との連携可能性について検討しました。

なお,同じ研究会での報告者の1人であった名古屋大学の横溝大教授の「行政法と抵触法──グローバル化の中の行政法(2)」が自治研究89巻1号(2013年)に掲載される予定です。類似の問題状況を国際私法の側から捉えた大変興味深い論攷となっています。

政策実現過程のグローバル化と公法理論

政策実現過程のグローバル化と公法理論」と題する論文を,新世代法政策学研究(北海道大学)18号(2012年)241-266頁に掲載させて頂きました。これは,2011年10月9日に名城大学法学部で開催された第76回日本公法学会第一部会での報告原稿の完全版に文献註をつけたものです。先に公表した公法研究74号(2012年)87-99頁掲載のものは,報告当日の短縮版報告原稿をもとにしたものですが,こちらの方が報告全体の意図は掴みやすいものと思われます。

また新世代法政策学研究の同じ号には,藤谷武史准教授(東京大学)の「市場のグローバル化と国家の制御能力──公法学の課題」も掲載されています。これも公法学会における報告原稿の完全版であり,上記の拙稿と問題意識を共有しつつ,カバーする範囲を分担した論攷となっています。

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