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街区管理の法制度設計

12月16日に総務省で開催された2016年度第3回21世紀地方自治制度研究会において,「街区管理の法制度設計──ドイツBID法制を手がかりに」と題する報告をさせて頂きました。

近時,日本では街区や狭域のエリアを単位とするまちづくりの活動が盛んになっており,その法的スキームを検討する必要性も高まっています。報告では,11月下旬にドイツのハンブルク州とバーデン・ヴュルテンベルク州の現地調査を行った結果も踏まえ,ドイツのBID法制の現状と特色,日本に導入する際に論点となる諸問題を取り上げました。

時間的制約からあまり質疑の時間が確保できませんでしたが,多くの貴重なご意見を頂戴できました。ありがとうございました。

本案審理の動向と課題

7月30日に立命館大学大学院法務研究科で開催された第16回行政法研究フォーラムにおいて,「本案審理の動向と課題」と題する報告をさせて頂きました。

今年の行政法研究フォーラムは,2004年に改正された行政事件訴訟法の改正後の動向や課題を検証する企画で,全部で4つの報告がありました。このうち本案審理に関する問題を担当することとなりましたが,範囲が極めて広いことから,行政裁量の審査の問題を,出入国管理及び難民認定法の退去強制・難民認定の事件に絞って検討することとしました。この分野では,近時興味深い下級審裁判例が多く蓄積しており,そこから裁量統制や本案審理の一般論を展開できないか模索しました。

報告にあたっては,フォーラム事務局の野口貴公美先生に大変お世話になりました。ありがとうございました。

政策実現過程のグローバル化

6月13日に日本銀行金融研究所で開催された日本銀行金融研究所セミナーにおいて,「政策実現過程のグローバル化」と題する講演をさせて頂きました。

講演では,公法学におけるグローバル化論の背景を示した上で,立法・執行・紛争解決のそれぞれの局面でグローバル化論が既存の理論をどのように変容させる可能性があるかを扱いました。その後の質疑応答では,国際金融市場規制,なかでもバーゼルI・II・IIIの法的性格の問題や,EUにおける金融規制の特色・課題が議論されました。

講演に際しては,日本銀行金融研究所制度基盤研究課法制度研究グループの方々にお世話になりました。ありがとうございました。

第1回ERG科研研究会

今年度より採択された科学研究費基盤研究B「政策実現過程のグローバル化に対応した法執行過程・紛争解決過程の理論構築」(ERG科研:Enforcement and Dispute Resolution in the Globalized World) の第1回研究会を同志社大学司法研究科で開催しました。

【6月11日(土)】

○「グローバル化論のこれまでとこれから」(原田大樹[研究代表者])

本科研に先行する基盤研究B「グローバル化に対応した公法・私法協働の理論構築──消費者法・社会保障領域を中心に」(PPG科研)の成果を踏まえつつ,これまでのグローバル化論が明らかにしてきたことと,これから明らかにすべきことを提示しました。

○「グローバル行政法(Global Administrative Law)研究の現状と課題」(興津征雄[研究分担者])

2014年秋から約1年間のニューヨーク大学における研究滞在を踏まえ,現在のグローバル行政法論が何を目指そうとしているのか,そこから我々は何を学ぶべきかが報告されました。

【6月12日(日)】

○「民法学から見たグローバル化論」(吉政知広[研究分担者])

民法学がグローバル化論に対してこれまでどのように応接してきたのか,その背景にはどのような事情があるのかを,「正統性」や「多元性」といったキーワードに着目して論じる報告でした。

○今後の研究方針等の決定

初年度に取り組むべきことを確認し,中期的な報告・公表の機会についても検討が行われました。

日独文化研究所 講演会のご案内

3月末に,ドイツ・コンスタンツ大学のHans Christian Röhl教授が,関西を訪問されます。公益財団法人日独文化研究所では,この機会に,一昨年のドイツ国法学者大会で高い評価を受ける報告をされ,ドイツの学界で注目されているレール教授に,ドイツ公法学の最新の議論状況を踏まえ,グローバル化対応の公法学のあり方を展望する講演をしていただくこととなりました。詳細は以下の通りです。

  • 講演テーマ:「公法にとっての国際化の挑戦」(Herausforderungen der Internationalisierung für das Öffentliche Recht)
  • 日時:2016年3月30日(水)15時~17時(予定)
  • 場所:同志社大学寒梅館(室町キャンパス・法科大学院)6階大会議室
  • 使用言語:ドイツ語
  • 主宰:公益財団法人日独文化研究所
    〒606-8305 京都市左京区吉田河原町19番地3 Tel: 075-771-5200 Fax: 075-771-5242

準備の都合がございますので,ご参加いただけます方は,日独文化研究所理事・大阪大学大学院法学研究科の高田篤教授にメールで(takada@law.osaka-u.ac.jp[@を半角に変えて下さい])御連絡下さい。

行政における政策実現手法の新展開

2016年3月9日に国立国会図書館東京本館で開催された政策セミナー「行政における政策実現手法の新展開」において,「人口減少時代における政策実現手法の展開」と題する報告をさせていただきました。国立国会図書館調査及び立法考査局は,2011年度から外部専門家との連携による国政課題の共同研究である連携事業を行っており,今年度の行政法務課・行政法務調査室では,人口減少時代における行政活動の変容を全体テーマとして連携を行ってきました。その成果報告会となる政策セミナーでは,近時多くの中心市街地で取り組みが始まっているエリアマネジメントを素材に,その機能や理論的意義について検討する報告を行いました。

この連携事業の成果は,今月下旬に刊行される予定の『レファレンス』誌(782号・2016年3月号)に掲載され,インターネット上でも公表されます。同誌に掲載予定の論文は以下の通りです。

  • 原田大樹「人口減少時代における政策実現手法の展開」(京都大学大学院法学研究科教授)
  • 山口和人「人口減少社会ドイツにおける市民活動活性化の意義」(国立国会図書館調査及び立法考査局 専門調査員 行政法務調査室主任)
  • 田中嘉彦「英国における行政システムとガバナンス」(国立国会図書館調査及び立法考査局 行政法務課長)
  • 大迫丈志「行政の担い手とその統制」(国立国会図書館調査及び立法考査局 行政法務課)
  • 西川明子「子ども・若者の政策形成過程への参画」(国立国会図書館調査及び立法考査局 前 行政法務課)
  • 今岡直子「人口減少社会における地方自治体とICT」(国立国会図書館調査及び立法考査局 行政法務課)
  • 松田恵里「スペインの地方自治制度」(国立国会図書館調査及び立法考査局 行政法務課)

政策セミナーの際には,国立国会図書館の大迫さん・田中さん・山口さんはじめ,多くのスタッフの方々のお世話になりました。ありがとうございました。

グローバル化と公法・私法関係の再編

グローバル化と公法・私法関係の再編』と題する研究書を弘文堂から出版させていただきました。本書は,東京大学の藤谷武史先生を代表者とする科学研究費・基盤研究B「グローバル化に対応した公法・私法協働の理論構築──消費者法・社会保障領域を中心に」(2012-15年度)の研究成果をまとめたものであり,この研究プロジェクトの分担研究者が編著者となっています。

本書に収録されているのは以下の論文です。

  • 浅野有紀=原田大樹=藤谷武史=横溝大「グローバル化と法学の課題」
  • 原田大樹「グローバル化時代の公法・私法関係論」
  • 興津征雄「グローバル行政法とアカウンタビリティ」
  • 浅野有紀「法理論におけるグローバル法多元主義の位置付け」
  • 横溝大「グローバル化時代の抵触法」
  • 小畑郁「グローバル化による近代的国際/国内法秩序枠組みの再編成」
  • 村西良太「財政・金融のグローバル化と議会留保」
  • 浅野有紀「国際知的財産法制に関する分配的正義および人権の観点からの考察」
  • 藤谷武史「グローバル化と「社会保障」」
  • 大西楠・テア「グローバル化時代の移民法制」
  • 横溝大「インターネットにおける非国家的秩序の様相」
  • 原田大樹「国際消費者法への展望」
  • 浅野有紀「私法理論から法多元主義へ」
  • 藤谷武史「グローバル化と公法・私法の再編」

このうち,「グローバル化時代の公法・私法関係論」「グローバル行政法とアカウンタビリティ」「グローバル化時代の抵触法」「グローバル化による近代的国際/国内法秩序枠組みの再編成」「財政・金融のグローバル化と議会留保」「グローバル化時代の移民法制」「私法理論から法多元主義へ」「グローバル化と公法・私法の再編」は,この研究プログラムの中間総括である社会科学研究65巻2号に掲載された論文を加筆修正したものです。これら以外は書き下ろしとなります。

本書は,弘文堂の北川陽子さんから刊行が提案され,約1年の期間で刊行まで漕ぎ着けることができました。緻密かつスピーディーに編集作業をしてくださった北川さんに心より御礼申し上げます。

国際性と学際性による公法の方法論の開放

ハンス・クリスティアン・レール「国際性と学際性による公法の方法論の開放」の翻訳を,自治研究91巻11号(2015年)42-75頁に掲載させて頂きました。これは2014年10月に同志社大学で開催された研究会における報告の翻訳であり,ドイツでは既に公刊されています(Hans Christian Röhl, „Öffnung der öffentlich-rechtlichen Methode druch Internationalität und Interdisziplinarität: Erscheinungsformen , Chancen, Grenzen”, VVDStRL 74, Berlin: De Gruyter, 2015, S.7-37.)。また,研究会でコメント頂いた大橋洋一先生(学習院大学),山本隆司先生(東京大学),太田匡彦先生(東京大学)からもコメントを頂戴し,末尾に掲載することができました。

本稿の掲載および研究会の開催に際しては,高木光先生(京都大学)の多大なご助力を得ました。ありがとうございました。

行政法学と主要参照領域

『行政法学と主要参照領域』と題する著書を,東京大学出版会から2015年3月に出版させて頂くこととなりました。これは,同出版会からこれまで出版されてきた『例解 行政法』(2013年10月),『演習 行政法』(2014年3月)に引き続くもので,これら2冊の理論的な基礎と広がりを明らかにすることを目的とする研究書です。同時に本書は,『例解』『演習』と読み進めてきた学習者が,これらで取り上げられている論点の理論的な前提や現在の議論動向を知りたいと考えたときに手にとってもらえる発展的な学習書ないし参考書としても利用できるようになっています。

本書を構成する13章は以下の通りであり,書き下ろしが全体の2/3近くを占めています。初出(書き下ろしに関してはその内容を報告した研究会)は次の通りです。

  • 序章 行政法総論と参照領域理論
    「行政法総論と参照領域理論」法学論叢(京都大学)174巻1号(2013年)1-20頁 

[第1部 租税法]

  • 第1章 法治主義と租税法律主義
    書き下ろし(租税法ワークショップ,2014年4月22日,一橋大学大学院国際企業戦略研究科)
  • 第2章 課税処分と租税債務関係
    書き下ろし(租税法ワークショップ,2014年4月22日,一橋大学大学院国際企業戦略研究科)
  • 第3章 行政執行国際ネットワークと国内公法
    書き下ろし(租税法ワークショップ,2014年4月22日,一橋大学大学院国際企業戦略研究科)

[第2部 社会保障法]

  • 第4章 福祉契約の行政法学的分析
    「福祉契約の行政法学的分析」法政研究(九州大学)69巻4号(2003年)765-806頁 
  • 第5章 媒介行政と保障責任
    書き下ろし(国家による「非営利型移転」の支援と公共サービスの設計・平成25年度第4回研究会,2014年1月16日,京都大学大学院法学研究科)
  • 第6章 グローバル社会保障法?
    書き下ろし(国際シンポジウム・非営利型移転における国家の役割の諸相,2014年10月7日,京都大学大学院法学研究科[報告言語:英語,報告原題 Redistribution in the Globalized Policy-Making and Enforcement Process])

[第3部 環境法]

  • 第7章 原子力発電所の安全基準
    「原子力発電所の耐震基準の多層化とその実現過程」『原子力安全に係る国際取決めと国内実施』(日本エネルギー法研究所・2014年)121-140頁
  • 第8章 原子力損害賠償と国家補償
    「行政法学から見た原子力損害賠償」法学論叢(京都大学)173巻1号(2013年)1-25頁
  • 第9章 投資協定仲裁と国内公法
    書き下ろし(台湾大学法律学院・京都大学法学研究科交流研討会,2013年9月17日,国立台湾大学)

[第4部 都市法]

  • 第10章 指定確認検査機関と国家賠償
    書き下ろし(第60回京都行政法研究会,2013年11月9日,京都市
  • 第11章 財産権としての容積率?
    書き下ろし(クラウド・コンピューティング時代の情報群の法的保護と管理の探求・2014年度第1回研究会,2014年5月12日,九州大学)
  • 第12章 特区制度と地方自治
    「震災復興の法技術としての復興特区」社会科学研究(東京大学)64巻1号(2012年)174-191頁

研究会等でご教示頂いた先生方には心より御礼申し上げます。また,本書4・5・12章の執筆に際しては,神奈川県,北九州市,品川区,横浜市,内閣官房の担当者の方々にヒヤリングを行い,実務におけるさまざまな考慮をご教示頂きました。その全てが記述に反映できているわけではありませんが,お話を伺うことによって行論の方向性が明確になりました。ヒヤリング調査にご協力頂いた方々にも感謝申し上げます。

本書の出版をもって,『例解』から続く参照領域三部作のプロジェクトが終了します。これまであまり例のない方向性の著作物の出版にいち早く理解を示して下さり,さまざまなサポートをして下さった編集担当の山田秀樹さん(東京大学出版会)と東京大学出版会の関係者の皆様方にも御礼申し上げます。また,京都大学大学院法学研究科からは,昨年度の『公共制度設計の基礎理論』に続いて2回目の出版助成を頂きました。同僚の先生方のご厚情にも心より御礼申し上げます。

日本における議会留保理論

国立国会図書館国際政策セミナー2月19日に国立国会図書館で開催された国際政策セミナー(講演会)「国会による行政統制―ドイツの『議会留保』をめぐる憲法理論と実務」において,「日本における議会留保理論」と題するコメントをさせて頂きました。

国際政策セミナーは,国立国会図書館が主として一般市民を対象に定期的に企画しているセミナーで,今年は議会留保がテーマとなりました。セミナーでは,ドイツ・ベルリンフンボルト大学のChristian Waldhoff教授の基調講演のあと,日本側から2つのコメント(もうお一人は高田篤・大阪大学大学院法学研究科教授)がなされ,その後ディスカッションとなりました。ディスカッションでは,司会の棟居快行先生(国立国会図書館)の巧みな進行のもと,さまざまな論点が取り上げられ,ほぼ時間通りに終了しました。

参加者数はおおむね200名程度で,一般市民の方のほか,国会関係者・国会図書館関係者や公法をはじめとする研究者の方々もいらっしゃっていました。個人的には,元ゼミ生2人と再会することができて,よかったです。

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