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第6回 処分基準と訴えの利益

今回の報告は,「処分基準と訴えの利益」をテーマに「営業停止処分事件」が取り上げられました。

報告では,先行処分の付随的効果が行訴法9条1項括弧書きの狭義の訴えの利益に該当するかについて,判例の動向を踏まえた判断枠組みが示され,また,本判決の分析として処分基準に自己拘束力を認めたことが示されました。
大脇先生からは,行政規則である処分基準はもともと内部的なものであるものの,行政手続法の制定により外部的なものになったことや,意見公募手続を必要とするものの中に審査基準や処分基準が含まれたことで格上げがなされたという説明をしていただきました。

今回の報告は,処分基準や審査基準といった少し馴染みのないものが中心的に扱われる難しいテーマでしたが,かなり説得力のあるものだったと思います。自分も引き続き励んでいきたいです。(大久保)

第5回 原告適格

今回は、原告適格をテーマとして、一般廃棄物処理業許可事件について報告が行われました。報告では、法律上保護された利益説や、競業者の原告適格についての判例の動向を踏まえて、本件で原告適格が認められた特殊性について述べられました。
議論では、本件を準名宛人に関する事例とみることはできるのかについてや、一般廃棄物処理業と「信頼保護」の関係について検討しました。大脇先生からは、本件は経済上の利益をめぐる事例にも関わらず原告適格が認められたこと、需給調整の仕組みがあることを条文の解釈によって導いていることが本件の特徴的な点であることを教えていただきました。また、「許可」と「特許」について、産業廃棄物処理業が許可によるものであるのに対して、一般廃棄物処理業は特許である点が興味深かったです。
今回の報告は、内容面や脚注が充実していたと思います。自分の報告回も頑張ろうと思います。(古瀬)

第4回 処分性

今回の報告では「処分性」をテーマに,「病院開設中止勧告事件」についての報告が行われました。今回は,行政指導であって本来は処分性を有しない勧告に,いかにして処分性を認めたのかについて報告されました。そして「法効果」に言及がないまま処分性を認めた点が従来の判例とは異なるとして,関連判例の藤田裁判官の補足意見も参照しました。

大脇先生からは,本判決の病院が徳洲会病院であり,国のやり方に不満をもって,勧告が拒否されることもわかった上で争おうとしたというそもそもの話をして頂きました。また,関連して医療計画や病床数の現状や意義についても教えて頂きました。

今回の報告は私含めた3年生2人で担当しました。準備に時間をかけたつもりでしたが,当日は鋭い質問が多く,時には大脇先生に助けて頂きながら議論することができ,大変勉強になりました。また,形式面でもいくつかの指摘を頂いたので,訂正して次回以降の報告に活かしたいです。(大西)

第3回 バイパス理論

今回は「バイパス理論」をテーマに「農業共済掛金強制徴収事件」について議論しました。報告で扱われた論点は,行政上の強制徴収はどのような場面において認められるのか,行政上の民事執行の強制徴収権が付与されている場合に,当該強制徴収の手段によることなく,民訴法上の強制執行の手段による公法上の債権の実現が可能なのか,また,元来有しない債権を代位取得し,民事訴訟によって当該債権を執行し得るのか,という3点でした。

大脇先生からは,原告が農業共済組合に代わって,民事訴訟を提起したことに関し,「距離保障」の観点から,被告と組合の間柄を理由に,組合が強制徴収を行わなかったのだろうと一般的に推測されるという補足がありました。

今回の報告は,判決の分析に加え,題材となったバイパス理論そのものに関する理解が求められるものだったので,難解な回でしたが,論点に加えて,行政上の徴収手続と民事訴訟上の手続きの比較を通して,それぞれの特徴を把握することも出来たため,充実したものだったと思います。(安富

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