paco Home>授業関連>演習科目一覧(九州大学)>frontier>[九大]行政法演習33期(25年度)
第1回 信義則
今回は,今年度の初回報告として「信義則」をテーマに,青色申告事件について議論しました。報告では,信義則適用の際,考慮要素のうち「税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したこと」について,公的見解の表示に当たらないとして信義則の適用を否定したことが説明されました。また,これに対し,批判的な見解が述べられました。さらに,議論の中では,本件の信義則判断において,原告が元税務署職員であったことが判決に影響を及ぼしたという点について言及されました。
大脇先生からは,本判決は行政法の世界にも信義則があることを示した点で画期的であった一方,信義則が認められるのは難しい,というお話をしていただきました。また,信義則適用の際の5つの考慮要素について,「少なくとも」とあることから,他の要素が考慮されることもありうる,と教えていただきました。
今回の報告は,3年生にとっては初めての報告でしたが,判決や判例評釈を批判的に読もうとする姿勢が伝わってきました。他のゼミ生にとっても,いい刺激になったと思います。これから,ゼミ全体で成長していけるよう,私自身頑張っていこうと思います。(古瀬)
2025.04.21 | Comments(0) | Trackback(0)