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第10回 差止訴訟

第10回ゼミでは国歌斉唱義務不存在確認等請求事件を取り上げ,懲戒処分差止訴訟の適法性判断について議論しました。今回は,懲戒処分の差止めの部分に注目し,義務不存在確認の訴えについては次回となりました。
非常に新しい事件で,昨年度の憲法の講義でも扱ったのを覚えています。ところで,行政処分に対する事前救済としての差止訴訟ですが,本判決は行訴法改正後初めて,差止訴訟を適法と判断し,訴訟要件の解釈や,判断枠組みを明示しており,意義のあるものでした。
個人的な見解ですが,今回のレジュメは内容が非常に濃いものだったと思います。検討,私見の部分に厚みがあって,細かく本判決の検討がなされていて,分かりやすかったです。
議論の中身については,特に既判力との関係が疑問となりましたが,まだ議論の余地がある部分だと思いました(室田)。

第9回 原告適格

今回は小田急訴訟,サテライト大阪事件を題材に,原告適格について議論しました。

平成16年の行政事件訴訟法改正により,原告適格に関する規定として9条2項が新設されました。これら二つの判例は改正後に最高裁が行ったものであり,一方はこれまでの流れ通り原告適格をこれまでよりも広く解し,もう一方はその範囲を厳格に解したものです。
報告班の私見は,大まかにいうと小田急訴訟の判断は良いが,サテライト大阪事件での判断は適当でないといったものであり,議論も主にその点に関して行われました。

指摘としては,私見は明確だが,その理由付けが不十分であること,図を用いるとよりわかりやすくなるということ,調査官解説が詳しく解説しているため,それを引用したほうがいいということなどがあげられました。
また,先生からこれらの判例について,小田急訴訟については行訴法9条2項に忠実であることや,東京都の条例を関連法令としてとらえ,その範囲を広く見ていることなどから原告適格を広く解していると認められるということ,サテライト大阪については,小田急訴訟とはその利益が異なるため,原告適格の範囲を厳格に解する結果になるのは仕方ないが,最高裁があげている一般論には問題があるといった解説をいただきました。

期末試験も近くなり大変かもしれませんが,ゼミ合宿やゼミコンなど楽しみな計画もできてきたので,皆さん頑張っていきましょう(川﨑)。

第8回 処分性

第8回のゼミでは,浜松市土地区画整理事業計画事件を取り扱い,取消訴訟等の訴訟要件のひとつである処分性について議論しました。 処分性については青写真判決が本判例によって判例変更され,行訴法の平成16年改正の趣旨に沿う形で拡大されることになりました。補足意見等が多数あることからわかるように,その拡大については議論があり,今後の課題となっています。
行政救済法を勉強していく上で,処分性は大きな論点であるので,テスト勉強も兼ねて深く掘り下げていきたいと思っています。
議論については,1日1発言から,1日1議論をしようと積極的なゼミ生が増えたように思いました。それでも院生に頼っている部分がほとんどで,不十分なところもあるように思います。自分も負けないように頑張ります。来週は自分の報告なので,しっかり準備をしたいと思います(室田)。

第7回 司法的執行

今日は司法的執行について宝塚市パチンコ店建築中止命令事件,福間町公害防止協定事件という二つの判決について議論しました。

これらの二つの判決について,前者は行政庁が行政権の主体として私人の義務の履行を求める訴えは法律上の争訟に当てはまらず,不適法であるとし司法的執行を否定したものです。一方,後者は宝塚判決とは事情が大いに異なるため司法的執行によることができるとしたものです。報告班は,司法的執行に関して述べられている今までの学説を整理し,そこから司法的執行を認める肯定説に立ち私見を展開していました。

指摘としては,報告班の立場が分かりにくかったりして文章がわかりづらいため,論理構成や表現を工夫したほうがいいという点や,宝塚の射程について福間の判決がどう関係するのかを議論すべきといった点がありました。また,先生からは本判決について,「法律上の争訟」,「被保全権利」という二段階で見るべきものを最高裁は混同しているのでは,宝塚の判決では訴訟目的を強調しているのに対し,福間ではそこの点についてあまり触れられておらず一貫性がないのではといった説明をいただきました。

今回は自分が報告の回で,てきぱきとした受け答えをしようと意気込んできたのですが,認識が甘い点があったり,自分の考えをうまくまとめることができなかったりと反省する点が大いにありました。前期に自分が行う報告はもうありませんが,毎回の報告で発言していくことで,これらの反省点につき改善していきたいと思っています(川﨑)。

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