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paco Home>授業関連>演習科目一覧(九州大学)>frontier>2022年6月

第11回 公法上の当事者訴訟

今回は「公法上の確認訴訟」をテーマに,「在外国民選挙権訴訟」が取り上げられました。報告では,確認訴訟から国賠訴訟の論点まで幅広く調べられており,特に,「私見」は判例をしっかりと踏まえた上で独自の見解を打ち出していました。議論では,在外国民の救済方法についての議論が盛り上がりました。大脇先生からは,在外国民は相当な数に上るものの,実際に選挙人名簿に登録している人は少ないこと,また立法不作為による国家賠償が認められたことの意義について解説していただきました。

3年生は行政法Ⅱを学んでいる最中で難しいテーマが続いていますが,積極的に議論に加わってくれており,うれしく思います。前期のゼミも残すところ2回となりましたが,この調子で最後まで頑張っていきたいです。(中村)

第10回 差止訴訟

今回は「差止訴訟」をテーマに,「東京都教職員国旗国歌訴訟」が取り上げられました。報告では,差止訴訟と無名抗告訴訟や,公法上の当事者訴訟の関係などについて丁寧に説明されました。議論では,行訴法37条4項には一般的に書かれることのない勝訴条件まで書いてある理由はなぜか,という質問も挙がりました。

大脇先生からは,原告が教職員という教育にかかわる特殊な職業だったからことも,本件の訴訟が差止訴訟として認められた一因であるということについて説明していただきました。

本日の報告は,目立った文法上のミスもなく,複雑な訴訟類型について丁寧に説明した非常にハイレベルなものだったと思います。次回の報告は私も担当するので今回の報告を参考にしたいです。(井上)

第9回 第三者の原告適格

今回は「第三者の原告適格」をテーマに,「小田急高架事業認可取消訴訟」が取り上げられました。報告では,多くの判例を踏まえた上で,原告適格についての議論を整理してくれました。議論では,「法律上保護された利益説」と「法律上保護に値する利益説」についての質問を中心に多くの質問がなされました。大脇先生からは,この判決を理解するために必要である「健康被害」という視点について詳しく解説していただきました。

公務員志望の4年生は今の時期は特に忙しい頃だと思いますが,誰一人手を抜かずに,しっかりと報告の準備をしていることは素晴らしいと思います。前期の判例報告もすでに折り返しを過ぎましたが,この調子で残りのゼミも頑張っていきたいです。(中村)

第8回 浜松市土地区画整理事業計画事件

今回の報告では,「処分性」をテーマに,「浜松市土地区画整理事業計画事件」についての判例報告が行われました。今回の事例では,土地区画整理事業の事業計画の決定に処分性が認められており,従来の青写真判決を変更したものであるということについて説明され,認可と決定の違いや本事例の違法性の承継に関する質問があがり,議論が盛り上がりました。

大脇先生からは,土地区画整理事業の決定の処分性を否定した青写真判決が時代遅れなものであり,本判決の射程は限定的なものであることを説明していただきました。

今回は,形式面での間違いも少なく,内容も充実したレベルの高い報告だったと思います。次回以降もよい報告に期待したいです。(井上)

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