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paco Home>授業関連>演習科目一覧(九州大学)>frontier>[九大]行政法演習25期(17年度)

第4回 法人等情報

第4回の報告である今回は、「法人等情報」というテーマをもとに、沖縄「密約」訴訟と立証責任を主題として行われました。

日米間の密約に関する文書の開示請求に対し文書不存在を理由とする不開示がなされたことを発端として起きた訴訟で、開示請求の対象となる文書の物理的不存在の場合による立証責任の所在についての判断枠組みを示した判例である。報告は、まず民事訴訟における立証責任の立場を、法律要件分類説等の学説を確認しながら確認し、行政事件訴訟法の解釈に即して民事訴訟法における立証責任分配の原則を修正することを行いました。このことから、本判決は行政文書の保有という事実が開示請求という権利の発生要件であるとする点で、「法律要件分類説」、開示請求権が法によってはじめて成立し、不開示決定は憲法上の自由を制約するものではないということから、「権利制限・拡張区分説」の2つに立脚したものであると認定しました。報告班は、私見として、情報開示請求権が憲法上の「知る権利」に属することは言うまでもないから、本件のような不開示決定の事案においては、公開の要件等に関する法令の規定の解釈適用に際して、憲法の趣旨を踏まえて不開示決定の違法性の判断をするべきとしました。
ゼミの終了間際には、TAの田代さんから立証責任について“わかりやすい”解説がなされ、もやもやしていたところがはっきりした気がします。

来週は審議検討情報・事務事業情報についての報告です。一人一発言を心がけてがんばりましょう!(深川)

第3回 個人情報・法人等情報

今年度村上ゼミ広報委員となりました,新4年の戸島です。よろしくお願い致します。

今回は,村上ゼミ第3回の報告となりました。今回の報告は,大阪市食糧費事件を題材に,「個人情報・法人等情報」という内容で行われました。

この事件は情報公開法が制定される以前に大阪市公文書公開条例に基づいてなされた食糧費の支出に関する請求書等の提出について,該当文書が個人の識別が可能な情報であるとして非公開としたものです。報告は,情報公開条例における個人情報に関する不開示事由について,「個人識別情報型」と「プライバシー情報型」の2つの類型があり,さらに個人識別型の解釈方法として「限定説」と「文言説」を挙げつつ,原審と最高裁の考え方の違いが説明されました。報告班としては,個人情報の公開非公開という点で,どのような情報が個人情報に当たるのかということをより明確に示した最高裁判決を支持するとのことでした。

今回の報告においては,最高裁判決の妥当性や,公務員というだけで情報を非公開とすることの妥当性に関する議論が中心となりました。

また,村上先生からは情報公開法6条1項2項の部分開示について解説して頂きました。部分開示については解釈が難しいようなので,部分開示に関する報告は第六回とまだ先ではありますが,楽しみにしておきたいと思います。

今回は3年生が報告者側として,また,質問者として,積極的に発言できていたと思います。四年生は就活,公務員試験等で忙しいとは思いますが,三年生に負けないよう頑張りましょう!!(戸島)

第2回 情報公開と個人情報保護の関連性

今年度村上ゼミ広報委員となりました,新三年の深川です。よろしくお願い致します。

今回は,今年度村上ゼミが始まって初回の報告でした。今回の報告は,兵庫県レセプト請求事件の判例を題材に「情報公開と個人情報保護の関連性」という内容で行われました。

本判例は兵庫県の住民である夫妻が兵庫県知事に対して分娩に関する診療報酬明細書の公開を請求したところ,本件文書に記載されている情報が兵庫県公文書の公開等に関する条例の非公開事由に当たると判断され,兵庫県知事は非公開処分を取ったというものです。

この判例は個人情報保護条例が制定される以前のものであったということで,今回の報告班は,情報公開制度と個人情報保護制度についてその目的を確認し,それぞれ異なる目的を持ちつつもそれらは表裏一体の関係にあるという事を示しました。
個人情報保護制度がない場合の本人開示請求の取り扱いについて報告班は折衷説を採用し,最高裁に沿った考えを取りましたが,ゼミ終了後の先生からのお話もあったように,他説の検討の必要性も感じられました。

また,今回は初回という事で,レジュメを執筆するさいの細かな注意点や判例評釈の書き方などの解説もなされました。私は来週の報告になりますので,今回注意された点を踏まえて取り組んでいきたいと思います。

個人的な感想ですが,やはり初回はなかなか発言できず,先輩方中心の討論になってしまっていたので,次回からはなんとか議論にもっと参加していきたいと感じました(深川)。

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