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第11回 小田急線連続立体交差事業認可訴訟

東京地裁の某裁判官による判決が出てくるのはこれで2度目です。鉄道の連続立体交差事業に対する認可(旧建設大臣)が取消された判決で、認可処分の前提となった都市計画決定の違法があり、認可にも違法性が承継されたことが理由でした。都市計画決定は行政処分ではありませんが、この違法性を争うために事業認可の取消訴訟が利用されます。もっとも都市計画の裁量に相当な幅があるため、訴訟要件の難関・原告適格を突破したとしても、その違法性が認められることは非常に困難とされてきました。しかし最近、(東京)地裁で国側敗訴の判決が相次ぎ、この判例もそのひとつです。昨年行政事件訴訟法が改正され、処分性のない都市計画も確認訴訟で争う路が開かれました。行政活動が違法・無効とされる機会が増えるかも知れません。ただし、判決で違法とされた都市計画や、事業認可にもとづく土地収用処分などの効力については、今まで取消判決が希少だったため議論されておらず、今後の課題だそうです。関係行政庁は判決に従い計画や処分を取消すべきなのでしょうか(拘束力の問題)・・・。さて、来週・再来週と東京地裁の珍しい(かつ難しい)判例が続きます。他人事にならないよう気をつけて。

第11回 年金と世代間負担の均衡

今日は年金一元化論から少し離れて,少子化問題や年金の税財源化の問題について勉強しました。いずれも重要論点ですので,論文までのブラッシュアップの作業はかなり大変そうです(原田大樹)。

《竹之内報告》「年金と世代間の不均衡」
〈もくじ〉
1、年金制度における世代間の給付と負担の関係について
2、不均衡が生じる原因・背景
3、世代間格差に対するとらえ方
4、考察
今回は少子高齢化の問題が中心であった。
〈議論〉
上にも書いたように議論の中心も少子高齢化問題にあった。報告者の主張が「社会保障の予算をもっと子供側に当てるべきだ」としっかりしていたので、そのことに対して、その予算はどこから持ってくるのか?などの質問が出ていた。最後に先生から少子高齢化の対策を3つほど補足していただいた。
〈感想〉
今回は年金問題から少子高齢化問題にテーマが発展し、さまざまな社会問題は密接につながっているんだということを改めて実感した。竹之内さんの報告でこのままの状態だと21世紀半ばには2人に1人が65歳以上になると聞かされ、数字で表されると妙にリアルで、ほんとに日本大丈夫か!?とかなり不安になってしまった。年金きちんともらえるのかなぁ…。先生のお話の中にパラサイトシングルが出てきたが、「自分の将来の夫の収入と自分の父親の収入を比較して、父親の収入の方が大きいから、結婚しない」と言う女性の考え方は確かにそうだと思った。というか、私自身の考えに思い当たる節があり、ゼミ中に思わず笑ってしまったくらいだ。結婚することで現在の生活レベルを下げたくはありません、というのが世の女性の正直ところだと思う。(あくまで私はそう思うってだけで、何の根拠もないんですけどね)自己中といえばそうなんだろうけど、だけどやっぱり生活していく上でお金って必要なものですよね?特に子供のこと考えれば、愛さえあれば…!ってわけにはいかないでしょ、きっと。・・・っと、話が明後日の方向に進んでしまった。(でもまぁ、感想だしいっか♪・笑)私にはどうも、社会のことを第一に考えるような一般意志を持つのは難しいみたいです。(野村真弓)

第10回 年金一元化・年金改革(2)

今回は,年金に関係する政治家や中央省庁の利害関係の問題や,年金改革のあり方について議論しました。今回も1日1発言が達成できました(原田大樹)。

《中柴報告》
『年金をめぐる政治家・官庁の利権』
〈もくじ〉
1、年金の歴史
2、年金の運用について
3、議員年金
4、考察
中柴君は出来上がった時点での年金制度自体に問題があるというよりも、むしろ時間の経過に伴う社会の変化(デフレなど)に対する制度の見直しを怠ったことに問題があるのではないかと主張していた。また官僚や政治家が悪いことを出来ないよう、法律を作って規制をかけたり、監査委員を設置するなどの対策を模索していた。
〈議論〉
主な論点は
・2001年以降の年金の運用に対する質問
・議員年金について(政治家は優遇されているのか否か。政治家は退職金がないので その代わりとして年金が支給されるならば、優遇だとはいえないのではないか、という意見も。)
・「官僚や政治家が悪いことを出来ないよう、法律を作って規制をかけたり、監査委員を設置する」とあるが、法律や政策の作成はそのような政治家や官僚たちが行うのに、どうやって規制するのか?自分たちの都合の悪い法律は作らないのでは?
などである。
今回の議論は官僚や政治家の悪事をどうやって規制するか、みんなで考えた。(オンブズマンなどの意見が出た)また、質問に対して報告者だけでなくゼミ生が答える場面もあり、なかなか濃密な議論だった。
〈感想〉
「社会の変化に伴って制度を変えていく必要がある」という中柴君の今回の主張だが、確かにそのとおりだと改めて思った。このことはものすごく当たり前のことだけど、ゼミで「年金制度の○○が問題だ!」など、細かいことばかり考えてきていたせいか、大まかな流れにおける大前提を見失っている自分に気が付いた。今、この時代の年金制度としては何が必要なのか、そこから改善策を打ち立てなければ…!また、先生は中柴君の週刊誌などにだまされていない視点が◎と褒めていらっしゃった。私は結構情報を鵜呑みにしてしまうので、気をつけなければなぁと思った。(野村真弓)

(報告)
 藤田さんの報告は「年金一元化と衆参合同会議」であった。内容としては、
1.年金一元化の取り入られた背景
2.年金一元化のあゆみ
3.今後の更なる年金一元化の意義
4.衆参合同会議とさまざまな年金一元化案
5.年金一元化の弊害 
6.考察
であった。今回の報告のテーマは以前取り上げられたこともあり、一元化の意義と弊害に重きを置いていた。特に納税者番号制度にも代表されるように自営業者の所得の正確な捕捉が難しく、一元化に待ったをかけている部分があり、年金不信からも来る年金未納の問題もそれに拍車をかけているということであった。

(感想)
 年金一元化の話は、各自がテーマに掲げる論点の中で一番人気ということもあり、内容が重複しているところがありながらも、個性というか自分の論点をきちんと押し出しているところがあった。僕自身、年金一元化の方法というテーマを取り上げて報告をしなくちゃいけないので、見習うべきところだと思う。というより、今回の報告も含めて一元化の発表で残されている勉強すべきポイントを見つけるのが何というか厄介だなと、難しいなと思う。個人的な話ですけど。(佐々木一成)

第10回 食品衛生法違反通知事件

今回の事例は通達に基づく検疫所長の違反通知に処分性を認めることができるか否か、という点が争われました。最高裁は「通知」に処分性を認めるために、本来、応答義務の無いはずの「届出」に応答義務を認め、また、厚生労働大臣の有する専門性を根拠に「通達」による権限の委任を認めるという論理を採りましたが、原審、また本判決を担当した横尾裁判官の反対意見では、この点につき本判決とは異なり通知に処分性を認めておらず、横尾裁判官は、通知ではなく不受理処分を拒否処分として争えば足りる、としています。「届出」「通達」の本来の枠組を超えた解釈を採った最高裁の多数意見にはやや疑問が残りました。また、行政事件訴訟法の改正との関係では、確認訴訟の利用により今回のように処分性を無理に認める必要がなくなったこと、「計画」「処分」というように二度争うことが可能になるため、違法性の争点の区分けがどのようになるか、という問題が注目されることと思われます。

第9回 年金の信頼性

ゼミ報告も今回で半分を過ぎました。今回は年金不信や年金制度のわかりにくさの問題について勉強しました。後ろに行くほどテーマに類似性が高いので,同じような話が何度も出てくることになると思います。ある程度年金に関する知識がついて,年金のあり方についていろいろな立場から討論することができるようになるとよいですね。(原田大樹)

《粟井報告》
『年金制度の分かりやすさ』
〈もくじ〉
1、年金制度の法定
2、年金制度の複雑化
3、考察
〈議論〉
『年金を分かりやすくすることも大事だが、一人一人が年金に興味を持ち、自ら分かろうとすることも大切だと感じた』というのが粟井君の主張だった。しかし「国民が自ら分かろうとすることも大切だけれども、制度的な改善は望めないのか」という指摘があり、やはり一元化ではないかと報告者は答えていた。また、侵害留保理論への質問もあった。難しい質問が多かった。
〈感想〉
粟井君は社会保険庁に自ら出向いて質問したそうだ。えらいと思った。先生もその点を褒めていらっしゃった。しかし、今回の粟井君の場合が例外的で、ほとんどの場合行政の対応はあまり親切でないといわれているらしい。なぜ親切でないのか疑問に思った。行政の方は仕事の合間に窓口で市民の質問に答えているのだろうか?だとしたら、対応がおろそかになるのもしかたないとは思うけれど、窓口業務が仕事として割り当てられているのなら、不親切な対応は問題だと思う。国民の払ったお金で行政は仕事を行っているのだから、興味を持って質問に来た人にくらいは親切な対応をして欲しいものだ。最近では上から指導がいっているという話も聞くので、改善の余地は大いに見込めると思う。
ゼミも後半に入り、資料を探してもなかなか答えが載っていない質問も増えてきたように思う。もっと頭を使って考えなければなぁ。。。(野村真弓)

(報告)
 田邉さんの報告は「年金不信について」であった。内容としては、
1.年金不信の高まり
2.社会的背景と年金制度
3.年金運用について
4.おわりに
であった。現在の年金制度には積立方式と賦課方式があること、また年金運用のことなど、ゼミの中で今まで取り上げられなかったような論点が出された。各メディアでも目にしたグリーンピア問題・住宅融資業務問題・議員の年金未納問題など年金制度に対しての不信に関する事実関係がより明確になったように思われた。

(感想)
 ニュースでも耳にしたことがあった内容であったので、非常に興味深くゼミを受講していました。この報告の中では、理解するのが難しい部分もあって、頭を良く使った気がします。普段は錆びついていることが多いもの・・・。ついこの間国民年金の申請をしてきたけれど、昔なら何も知らず義務やしなあと思って支払うつもりだったのが、幸か不幸かいろいろ勉強してしまったせいで、僕自身が年金不信に陥っているようにも思えます。ちゃんともらえるんでしょうか・・・。(佐々木一成)

第9回 病院開設中止勧告訴訟

今回は二つの法律(医療法、健康保険法)とそれをつなぐ通達(医療計画公示後における病院開設等の取扱いについて)の三つの関係の中での「勧告」の意味が問われ、この判決では行政活動を形式的にではなく実質的に判断し、従来では処分性がないと考えられていた「勧告」に処分性を認める、という帰結が導かれました。今回の報告では、類似判例との比較、改正行政事件訴訟法によりどのような変化が生ずるかの検討などが詳しく行われており、とても評価できるものと思いました。また、先生方からは法を所与のものと考えるのではなく、法そのものの問題点を分析する姿勢が大切である、といった趣旨の指摘がありました。回が進むに連れハードルは高くなっていきますが頑張りましょう。また、授業終了後には合宿のグループ分けをしました。

第8回 年金改革論(1)

ゼミも後半期に入りました。今回はこれまでの細かい話を踏まえ,現在の年金制度のどこに問題があり,どのような解決策が求められているのかを勉強しました。今回からゼミ生の方に司会を任せることにし,そのためか発言回数が増えたように思われました(原田大樹)。

《梶原報告》
『年金一元化の過程について』
〈もくじ〉
1、年金一元化とは
2、現行の年金制度の体系
3、年金一元化をめぐるこれまでの経緯
4、年金改革の主な論点
5、年金一元化のメリットと課題
6、考察
上に挙げたものの他に、一元化の具体案として与野党がそれぞれどのような考えを持っているかについて学んだ。「案の裏側には党利党略が見え隠れしている」というのが梶原君の主張だった。
〈議論〉
一元化のメリットとして年金制度の空洞化を抑止するとあるが、なぜ一元化することによって空洞化を抑止できるのかが分からない等、みんなたくさん質問していた。また、一元化することにより不利益を被る人はもっといるんじゃないか、という意見も出た。非常に活発な議論だった。
先生からは「テーマの的を絞って深めた方がもっと面白い」というアドバイスがあった。
〈感想〉
レジュメが分かりやすく、すっきりまとまっていました。最近の話題なだけに、新聞から引用が多く、資料集めは大変だっただろうなぁと思います。自分が新聞読まないだけに、尚更感心しました。また今回から司会も自分たちで行うようになり、さらにゼミっぽくなってきたなと感じました。みんな当てられなくても自分から手を挙げて発言するようになりました。授業も半分が過ぎて、個人個人の年金に関する知識が深まってきたことのあらわれだと思います。来週からもまた梅雨のいやな空気を吹き飛ばすようにがんばりたいです!(野村真弓)

(野田報告)
 野田くんの報告のテーマは、「年金一元化と衆参合同会議」についてであった。内容としては、
0.現在の年金制度の問題点 
1.衆参合同会議 
2.衆参合同会議における各党の主張の要点 
3.「年金改革」に関する最近の動き 
4.年金一元化に際して生じる問題 
5.結論 
であった。この報告では、各党の主張が端的に示されていて、自民党の主張、民主党の主張というように、それぞれの党の主張がわかる内容だった。また、先生からは各党の主張の背景について調べてみるとよいというアドバイスもあった。

(感想)
 今回のゼミから司会が生徒になり、より活発に議論が展開されていました。僕は、傍観しているだけでしたが・・・。ゼミも半分が過ぎ、またひとりひとりの成長(?)もあり、白熱したゼミになったなあと思います。近くコンパもあるみたいなんで、ゼミ生の結束も強まれば、今以上に充実したゼミになるかもしれないなと思います。(佐々木一成)

第8回 水道水源保護条例訴訟

ある町が、産廃施設の建設を阻止しようと制定した条例にもとづく認定(事実上の設置不許可処分)をめぐる判例でした。憲法31条にもとづく適正手続の要請に関連して、事前の経過措置を設ける「配慮義務」の存否が争われ、行政庁に配慮義務のあることを認めた判決となりました。この点につき、「立法者の配慮義務」とするジュリスト1289号(2005年)211-213頁の杉原則彦調査官の解説は誤りと思われます。 もっとも、判例は配慮義務について述べたものの、この事件では本件条例が当該産廃施設排除目的で制定されており、条文の質などからそれが明らかなため、行政庁の、民法上の信義則違反ともなりうる態度を暗に指摘しているようです。 本件条例により、事業者は設置許可申請をする、すなわち行政庁と民法上でいえば契約締結段階に入る以前に、町に協議書を提出するという手続を踏む必要がありました。そのため、町(の審議会)が協議書を検討後、実質的な不許可処分となる認定が下され、町と何らかの法的関係を持つ前に設置を拒まれたことになります。したがって、無関係の者の間で信義則を用いることは出来ませんが、本来法的関係に入っていたはずの状況を考慮して、最高裁は結論を出したのではないかということでした(大橋先生)。 判例が本当は何を言いたかったのか、ということを読み取ることを難しさを再三思い知らされています。 そのほか、判決の射程については、国立マンションや山形県個室付浴場事件などの判例を分析した説明がありました。 最後に原田先生が、今後司会は全員の発言促進のため学生にすると宣言され、次回の司会者は松永君が拝命しました。頑張ってください。

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