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第11回 規制権限の不行使
今回の報告は,「規制権限の不行使」をテーマに「泉南アスベスト事件」が取り上げられました。
報告では,裁量権収縮論,裁量権消極的濫用論の説明がなされたのち,最高裁では裁量権消極的濫用のみが採用されていることが紹介され,本判決は,石綿被害に関する国の責任の重さの認定や生命健康を産業発展よりも優先すべきことを認められた点で意義を持つことが示されました。
大脇先生からは,会社ではなく国を訴える理由の説明や,工場周辺住民が保護範囲内に含まれるかどうか等についての説明があり,ゼミ生のこの事案に関する深い理解につながりました。
今回の報告は,国家賠償に関するもので,今までのゼミで取り扱ったテーマとは異なるものでしたが,活発な議論が行われたように思います。前期の判例報告は最終回となりましたが,後期の論文執筆に向けてテーマ探しを行っていきたいと思います。(安富)
2025.07.14 | Comments(0) | Trackback(0)
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