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第2回 情報公開と個人情報保護の関連性

今年度村上ゼミ広報委員となりました,新三年の深川です。よろしくお願い致します。

今回は,今年度村上ゼミが始まって初回の報告でした。今回の報告は,兵庫県レセプト請求事件の判例を題材に「情報公開と個人情報保護の関連性」という内容で行われました。

本判例は兵庫県の住民である夫妻が兵庫県知事に対して分娩に関する診療報酬明細書の公開を請求したところ,本件文書に記載されている情報が兵庫県公文書の公開等に関する条例の非公開事由に当たると判断され,兵庫県知事は非公開処分を取ったというものです。

この判例は個人情報保護条例が制定される以前のものであったということで,今回の報告班は,情報公開制度と個人情報保護制度についてその目的を確認し,それぞれ異なる目的を持ちつつもそれらは表裏一体の関係にあるという事を示しました。
個人情報保護制度がない場合の本人開示請求の取り扱いについて報告班は折衷説を採用し,最高裁に沿った考えを取りましたが,ゼミ終了後の先生からのお話もあったように,他説の検討の必要性も感じられました。

また,今回は初回という事で,レジュメを執筆するさいの細かな注意点や判例評釈の書き方などの解説もなされました。私は来週の報告になりますので,今回注意された点を踏まえて取り組んでいきたいと思います。

個人的な感想ですが,やはり初回はなかなか発言できず,先輩方中心の討論になってしまっていたので,次回からはなんとか議論にもっと参加していきたいと感じました(深川)。

第7回 存否応答拒否・権利濫用

今回は横浜市国庫補助金事件,関東運輸局教習車申請事件について存否応答拒否・権利濫用をテーマに議論しました。

どちらの判決も情報公開の対象資料の膨大さなどの理由から権利濫用について取り扱ったものでしたが,結果は異なるものとなっていました。そこで,この結果の差は基準の違いからきているのか,それとも,事案の違いからきているのかを中心に議論が行われました。

今回の議論について,村上先生から二つの判決の違いは事案の違い,基準の違いの両方からきている,情報公開制度で問題が生じるのは市民が善であることを前提としているためといった解説をいただきました。

就活,試験など大変な時期ですが頑張りましょう!(川﨑)

第5回 審議検討情報・事務事業情報

今回は鴨川ダムサイト事件,安威川ダムサイト事件をもとに審議検討情報,事務事業情報について議論しました。

今回の事件は,検討中のダム建設候補地についての開示請求に対し非開示の決定がなされたものです。同じ検討中の情報であっても鴨川と安威川の事件の判決には差がありました。この点につき報告者は,鴨川と安威川の事件は扱う情報の「成熟性」に差があり,結果にも差が生まれたのだとしました。
議論もこの「成熟性」を中心に行われました。

指摘としては検討と私見の関係をはっきりとさせること,必ずしも検討と私見を分ける必要はないことがあげられました。
また,先生からも今回の事件は文章の性質に違いはあるが,重要なのはその文章を公開した場合の支障にあるとの説明をいただきました。

今回は自分を含め積極的な発言がなかったように思えます。次回の内容は難しいものであるとのことなので,十分予習して臨むようにしましょう!!(川崎)

第3回 個人情報・法人等情報

今回は個人情報・法人情報等をテーマに大阪市食糧費事件を取り上げました。公務員の氏名が非公開事由となる個人情報にあたるかどうかが主な論点になりました。個人情報にあたる場合,行政の有する情報がほとんど非公開となり,情報公開制度の意味がなくなるため,おかしいのではないかという指摘がありました。また,法律と条例の文言と制定経緯についても矛盾があるとの意見もありました。今ではそのような点は改善されているため,特に問題はないものの,部分開示につながるところがあるとのことでした。 ゼミの印象としては,まだ全体的に行政情報法の勉強が進んでないと思うので,自分をはじめ,十分に勉強した上でゼミに取り組みたいと思います(室田)。

今日は第二回目の報告で,大阪市食糧費事件を題材に個人情報・法人情報等について議論しました。

この事件は情報公開法制定以前に大阪市公文書公開条例に基づいてなされた食糧費の支出関連文書の提出について,該当文書が個人の識別が可能な情報であるとして全部非公開としたものです。これに対して最高裁は,原則文言通り個人が識別できる情報ならば非公開であるが,公務員の職務遂行情報については非公開情報であるとは言えないとしました。報告者もこの判例の立場に賛成していました。

議論は,なぜ公務員だけが非公開情報であるとは言えないということにできるのかという点について主に行いました。

指摘としては,学説に引っ張られすぎずに判決に沿った評釈を行う,説明責任・アカウンタビリティ等いう言葉についてそこで思考停止せずそれはなんなのか考えるといったことがあげられました。
また,先生からは事件当時大阪市の条例には情報公開法でいう6条2項に該当する規定が存在しなかったため部分開示すればいいとの判決にならなかったという解説もいただきました。

就職活動,公務員試験などで皆さん忙しいですが頑張りましょう!!(川﨑)

第2回 情報公開制度と個人情報保護制度

今日は第1回目の報告で兵庫県レセプト公開請求事件を題材に情報公開と個人情報保護の関係について議論しました。

今回の事件は,情報公開制度は存在するが個人情報保護制度が存在しない状況下でなされた診療報酬明細書(レセプト)の公開請求に対し,レセプトが個人の識別が可能な情報であるという理由で不開示にしたというものです。
これに対し最高裁は個人情報保護法と情報公開法が保護の対象とする権利利益は同一のものであり,その点で両者は表裏の関係にあるとして当該処分は違法であるとした原審の判決を支持しました。

議論は「表裏の関係にある」という理由で情報公開条例を根拠に開示を行ってよいのかという点で中心に行われました。
指摘としては,学説ベースの報告だったが,控訴審・上告審の比較でもよかったのでは,調査官解説は読む,条文を読むときは「独立行政法人等の保有する,,,」の「等」に注意するといったものがあげられました。

行政情報法については予備知識もそんなに持っていないと思うのでしっかり予習してゼミに臨みましょう!!(川崎)

第1回 オリエンテーション

2015年度1回目のゼミはオリエンテーションということで,村上先生から説明がありました。前期は行政情報法について取り組みます。3回生が1人も入って来なかったのは残念ですが,4回生に新しい人が増えたので良かったです。人数は少ないですが,去年とほとんど同じ面々でゼミができるのでやり易いと思います。より有意義なゼミ活動になるよう精進していきます(室田)。

第25回 ゼミ論文経過報告8

明けましておめでとうございます。

本日はゼミ論経過報告の最終回でした。

報告者とその内容は以下の通りです。

原さん:個人情報保護法における第三者機関の意義

矢ケ部君:国民の司法参加と憲法−裁判員制度をもとに−

最終回ということもあり,どちらも完成度の高い論文でした。それでも検討すべき点はあり,私見や構成について議論がなされました。
アドバイスとしては,理解しやすい構成になっているかは本人ではわかりにくいため,早めに書き上げて互いに読み合ってみること,最後の最後で思いついたことが論文の出来を向上させることがあるので最後まであきらめずに考えることがあげられました。

ゼミ論提出まで2週間と短いですが,納得いく論文ができるよう皆さんがんばりましょう。(川崎)

第23回 ゼミ論文経過報告6

今日はゼミ論文経過報告の6回目でした。

報告者とその内容は以下の通りです。

谷川君:第3セクター等の資金調達に関する損失補償の可否

橋本君:特定秘密保護法の監視の現状と今後的課題

今回の報告ではタイムリーな話題もあり,活発な議論ができていたように思えます。
指摘としては,使っている言葉の意味を考えること,いろんな論文を読み,偏らないようにすること,自分の問題意識と検討がずれてきていないか確認することといったものがあげられました。
今日はオープンゼミの日で多くの二年生がゼミ見学に来てくれました。来年のゼミに多くの二年生が参加してくれるといいなと思います。(川﨑)

第21回 ゼミ論文経過報告4

今回の報告者とその内容は,

浅井君「地域間教育機会格差是正に向けた行政機関の取り組み」
井上さん「地域における第三セクターの在り方」

というものでした。

議論では,報告者の問題意識と検討のつながりが主だったと思います。どちらも論文執筆中に当初の問題意識から変化があり,それで問題意識と検討内容のずれが生じていたようです。
指摘としては,議論と関連して,議論拡散したときは一度自分の問題意識に立ち返ってみること,全体としての一貫性を意識すること,様々な論点の中からどれを扱い,どれをその射程外とするのかについて,それをはじめにであげるのがよいといったものがありました。また,問題をあげて入るがその問題の検討がなされていないといった指摘もありました。

今回のゼミでは三年生が先輩方の発言に圧倒されていたように思えます。そんな中でも積極的に発言できるようがんばりましょう。(川崎)

第20回 ゼミ論文経過報告3

今回のゼミでは,「空き家問題対策」,「平成の市町村合併 合併市町村における地域自治組織」の2つのテーマについて報告がされました。 ゼミ論文報告も後半に差し掛かり,2つとも内容の濃いものになっており,後半組にかなりのプレッシャーを与えたのではないでしょうか。
指摘としては,共通して,問題意識は明確になりつつあるものの,当の問題をいかに切り取るかがはっきりしておらず,結果全体としてわかりにくくなっているという点,また,一般論で本テーマを論じることには限界があるため,ある程度の事例を提示する必要がある点が主にあげられました。
ゼミの議論も比較的活発になってきており,自分の報告の回も多くのアドバイスをもらえるように論点を明確にしていきたいと思います。
ゼミ論文も終盤に差し掛かっているため,論文構成や形式面にも注意して村上先生のいう美しい論文をかけたらと思います(室田)。

第19回 ゼミ論文経過報告2

今日は2順目の二組目です。
報告者と報告内容は以下の通りでした。

井上美和さん:公契約条例による現役世代の生活保障の可能性
川畑君:大阪府貧困ビジネス規制条例は生活保護不正受給防止に役立つか

議論は井上さんのほうでは論文の細かい内容について,川畑君のほうではその問題意識の部分で主になされたと思います。論文の完成度が上がるとその分議論の内容も濃くなると感じました。

アドバイスとしては,自分の議論が憲法レベルでの話なのか,法律レベルなのか,または当・不当のレベルなのかをはっきりさせること,論点を限定するのならその論点に絞った理由を明確にするといったものをいただきました。また,書く際に一度書く内容を箇条書きにしたり,一度書いたものをもう一度書き直してみたりするといい構成の論文になるとのことです。

今回アドバイスでいただいたことで自分の論文の改善点がいくつか出てきました。来週報告ですので,それまでによい議論ができる論文を書いてこようと思います。(川﨑)

第18回 ゼミ論文経過報告1

今回からゼミ論文の報告の2周目に入りました。レジュメの厚さから,前回の報告より,かなり進んでいることがわかります。
テーマは「医薬品の誇大広告」で,ノバルティスファーマ社のバンサルタンの効用の論文データに偽装があった事件を題材に論文が書かれています。
特に議論となったのは,誇大広告に関して,薬事法と景品表示法の関係性,誇大広告の範囲などです。問題意識は以前よりはっきりしているものの,さらに明確にして,論文に取り込んでいく必要があるとの指摘がありました。
次回の自分の発表までにもっと検討していく必要があると痛感しました。また,全体へのアドバイスとして,場面を切りとって現状説明すること,どんなことが問題でどのように解決したいのかを明確にすること,安易に立法論に逃げないこと,言葉の定義を述べることなどがあげられました。こうしたことを踏まえて,論文を進めていこうと思います。さらにゼミ外でも友人とお互いの論文を読み合わせをして,より充実した内容にしていきたいです(室田)。

第17回 ゼミ論文構想報告4

今日は発表1巡目の最終回でした。
報告者と内容は以下の通りです。

山口君...警察官による武器使用
矢ケ部君...裁判員制度と国民の司法参加
谷川君...損失補償のあり方

議論では報告者の問題意識であったり,今後のアプローチはどうするのかといった点で主に行われました。
アドバイスとして,いくつかある論点を取捨選択すること,文献はネットからだけでなく多くの論文を読むこと,‘書ききる’ことを意識するといったものがあげられました。また,論文については,関連するものを幅広く集め,それを片っ端から読んでいくと参考にできるものが見つけやすいとのことです。次回から二巡目となり,自分の論文を議論できるのはあと一回だけとなります。そこで,次回の発表までに自分の考えを示すことができたら,有意義な議論になるとのことでした。

1巡目を終えてみて,自分を含めて多くの人はまだ問題が絞れていないという印象を受けました。アドバイスにもあった通り,次の発表で自分の考えについて議論することは大切なことだと思います。次回の発表まで期間がそんなにないという方もいらっしゃいますが,がんばって書き上げましょう。(川崎)

第16回 ゼミ論文構想報告3

本日はゼミ論報告1巡目の3つ目のグループでした。

報告者と内容はそれぞれ

髙田君...社会福祉基礎構造改革に関する考察

立花君...外国人の生活保護受給権について

橋本君...特定秘密保護法の制度的考察

室田君...防災行政について

といったものでした。

議論の内容としては,今回も報告者の問題意識についてのものが多かったと思います。書き始める際の問題意識はあるのですが,それを‘論文の’問題意識に昇華させるとなると難しく,もっとその問題意識について理解を深めることが必要なようです。この点は今後の論文の展開にも大きく関わってくるので克服していきましょう。
アドバイスとしては,文献は一つの考えに偏らず,様々な考えのものを参考とすること,報告回数は限られているため本当に議論したいものに重きを置くこと,社会一般で言われていることについて,本当にそれは正しいことなのか考えてみることといったものをいただきました。
ゼミ論報告の1巡目は次回までで,次から2巡目が始まります。今日の丹下さんのお話にもありましたが,ゼミ論報告の場は自分の論文について議論し,深めることのできる数少ない場です。2巡目はその最後の機会となるので,執筆をがんばりましょう。(川崎)

第14回 ゼミ論文構想発表1

後期からゼミ論文の報告が始まりました。今回の報告では,「臨床研究・薬事法と行政調査」,「公契約条例による現役世代の生活保障の可能性」,「貧困ビジネスと規制」「個人情報保護法改正における第三者機関について」の4テーマについての議論がされました。どのテーマも既にかなり詳しく説明がなされており,自分のと比べて大分進んでいたので焦りを感じました。 今回特に指摘があったのは問題意識をはっきりさせることでした。ゼミ論文に取りかかり始めた時に何かしらの興味関心はあるものの,問題意識をはっきりさせるのは難しいと思いました。しかし,筋道の通った論文を書く際には,非常に重要なことなので,今後論文進めたり,他の人の報告を参考にしながら,問題意識を明確にしていきたいと思います(室田)。

第13回 国家賠償の主体

今回は国家賠償の主体について積善会児童養護施設事件と東京建築検査機構事件を主な題材として議論しました。国や地方公共団体から業務を委託された私人が公権力を行使するものに当たるのかといった問題です。

報告班は,どの範囲で公権力を行使するものとして認めるのかという点で私見を展開しており,議論もその点を中心に行われました。
指摘としては,分かりやすいよう構成を工夫すること,判例の見解と私見の区別を明確にすること,国が私人の責任を負うことの根拠やモラルハザードの内容についてもっと踏み込むべきだったということなどがあげられました。

今回で前期のゼミは終了です。ゼミでの発表や議論を経て,自分にも何らかの成長があったように思います。
これからテスト期間となりますが,テストが終われば合宿となりますので皆さん頑張りましょう。(川﨑)

第12回 規制権限の不行使

第12回ゼミでは,関西水俣訴訟と京都宅建業者事件を取り扱い,規制権限不行使について議論しました。今回はゲストで村上ゼミの先輩である曽我さんにきていただき,実際にゼミの議論に参加してもらいました。

規制権限について,いかに作為義務を読み込むかを中心に議論がなされました裁量権収縮論の5要件をもとに考えました。規制権限の不行使についてはまだまだ議論の余地があり,今後の判決を注視していく必要があるでしょう。

話は変わりますが,第2回のゼミコンパがあり,ビアガに行きました。自分は行けなかったですが,非常に楽しそうで,よかったです。ゼミ合宿も近づいてきているので,よりいっそうゼミ内の雰囲気が良くなればいいと思います(室田)。

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