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第11回 公法上の確認訴訟
今回は在外国民選挙権訴訟,東京都教職員国旗国歌訴訟を題材に,公法上の確認訴訟について議論しました。
今回題材となっている二つの訴訟は,行訴法の改正により新たに付け加えられた公法上の確認訴訟という新しい訴訟類型に関するものです。
報告班からは民事訴訟の概念に触れたり,図を用いたりするなど工夫を凝らしたレジュメが作成されました。
公法上の確認訴訟と差止訴訟や無名抗告訴訟との関係について主に議論がなされました。
指摘としては,二つの判決の関連が弱いといったことや,論点がしぼられていてわかりやすいといったことが挙げられました。また,本判決については,本判決は事案に即した手堅い判決だが,射程はそこまで広くはないということ,ただ,今後の判決への方向性が示されている点で評価できるといった解説をいただきました。
前期のゼミは残り少なくなってきましたが,皆さんがんばっていきましょう。(川崎)
2014.07.01 | Comments(0) | Trackback(0)
第10回 差止訴訟
第10回ゼミでは国歌斉唱義務不存在確認等請求事件を取り上げ,懲戒処分差止訴訟の適法性判断について議論しました。今回は,懲戒処分の差止めの部分に注目し,義務不存在確認の訴えについては次回となりました。
非常に新しい事件で,昨年度の憲法の講義でも扱ったのを覚えています。ところで,行政処分に対する事前救済としての差止訴訟ですが,本判決は行訴法改正後初めて,差止訴訟を適法と判断し,訴訟要件の解釈や,判断枠組みを明示しており,意義のあるものでした。
個人的な見解ですが,今回のレジュメは内容が非常に濃いものだったと思います。検討,私見の部分に厚みがあって,細かく本判決の検討がなされていて,分かりやすかったです。
議論の中身については,特に既判力との関係が疑問となりましたが,まだ議論の余地がある部分だと思いました(室田)。
2014.06.23 | Comments(0) | Trackback(0)
第9回 原告適格
今回は小田急訴訟,サテライト大阪事件を題材に,原告適格について議論しました。
平成16年の行政事件訴訟法改正により,原告適格に関する規定として9条2項が新設されました。これら二つの判例は改正後に最高裁が行ったものであり,一方はこれまでの流れ通り原告適格をこれまでよりも広く解し,もう一方はその範囲を厳格に解したものです。
報告班の私見は,大まかにいうと小田急訴訟の判断は良いが,サテライト大阪事件での判断は適当でないといったものであり,議論も主にその点に関して行われました。
指摘としては,私見は明確だが,その理由付けが不十分であること,図を用いるとよりわかりやすくなるということ,調査官解説が詳しく解説しているため,それを引用したほうがいいということなどがあげられました。
また,先生からこれらの判例について,小田急訴訟については行訴法9条2項に忠実であることや,東京都の条例を関連法令としてとらえ,その範囲を広く見ていることなどから原告適格を広く解していると認められるということ,サテライト大阪については,小田急訴訟とはその利益が異なるため,原告適格の範囲を厳格に解する結果になるのは仕方ないが,最高裁があげている一般論には問題があるといった解説をいただきました。
期末試験も近くなり大変かもしれませんが,ゼミ合宿やゼミコンなど楽しみな計画もできてきたので,皆さん頑張っていきましょう(川﨑)。
2014.06.17 | Comments(0) | Trackback(0)
第8回 処分性
第8回のゼミでは,浜松市土地区画整理事業計画事件を取り扱い,取消訴訟等の訴訟要件のひとつである処分性について議論しました。 処分性については青写真判決が本判例によって判例変更され,行訴法の平成16年改正の趣旨に沿う形で拡大されることになりました。補足意見等が多数あることからわかるように,その拡大については議論があり,今後の課題となっています。
行政救済法を勉強していく上で,処分性は大きな論点であるので,テスト勉強も兼ねて深く掘り下げていきたいと思っています。
議論については,1日1発言から,1日1議論をしようと積極的なゼミ生が増えたように思いました。それでも院生に頼っている部分がほとんどで,不十分なところもあるように思います。自分も負けないように頑張ります。来週は自分の報告なので,しっかり準備をしたいと思います(室田)。
2014.06.10 | Comments(0) | Trackback(0)
第7回 司法的執行
今日は司法的執行について宝塚市パチンコ店建築中止命令事件,福間町公害防止協定事件という二つの判決について議論しました。
これらの二つの判決について,前者は行政庁が行政権の主体として私人の義務の履行を求める訴えは法律上の争訟に当てはまらず,不適法であるとし司法的執行を否定したものです。一方,後者は宝塚判決とは事情が大いに異なるため司法的執行によることができるとしたものです。報告班は,司法的執行に関して述べられている今までの学説を整理し,そこから司法的執行を認める肯定説に立ち私見を展開していました。
指摘としては,報告班の立場が分かりにくかったりして文章がわかりづらいため,論理構成や表現を工夫したほうがいいという点や,宝塚の射程について福間の判決がどう関係するのかを議論すべきといった点がありました。また,先生からは本判決について,「法律上の争訟」,「被保全権利」という二段階で見るべきものを最高裁は混同しているのでは,宝塚の判決では訴訟目的を強調しているのに対し,福間ではそこの点についてあまり触れられておらず一貫性がないのではといった説明をいただきました。
今回は自分が報告の回で,てきぱきとした受け答えをしようと意気込んできたのですが,認識が甘い点があったり,自分の考えをうまくまとめることができなかったりと反省する点が大いにありました。前期に自分が行う報告はもうありませんが,毎回の報告で発言していくことで,これらの反省点につき改善していきたいと思っています(川﨑)。
2014.06.03 | Comments(0) | Trackback(0)
第6回 違法性の承継
今回は,東京都建築安全条例事件を題材に違法性の承継について議論しました。
今までは,4年生を中心に3年生の練習ということでレジュメ報告を行ってきましたが,今回から全くのランダムでの報告となりました。 特に本報告では,3年生1人というゼミが始まったばかりでは相当に厳しい状況でしたが,報告者がしっかりとレジュメを作成し,議論を行えていたのではないかと思います。 ただ,議論の際,例外的にグループ分けをせずに全体で行いましたが,そのせいか三年生の発言が少なく,まだまだ不十分なところがありました。 1日1発言できるよう4年生,院生を見習っていきたいと思います。 意外と些細な発見から議論がおこっていくことも多々あるので,見落とすことのないように頑張っていこうと思います。
また,徐々にですが,ゼミ合宿の話も進んできており,今後もいろいろと工夫を加えながら,実りあるものにしたいです(室田)。
2014.05.27 | Comments(0) | Trackback(0)
第5回 理由附記
今回は理由付記というテーマで一級建築士免許取消事件について議論しました。
この事件は,免許取消処分は処分基準の適用関係が理由として示されていないため,行政手続法14条1項の定める理由提示の要件を欠き違法であるかどうかが争われたものです。
議論は,どのような場合に処分基準の適用関係を理由として示さなければならないのか,また,どのような場合に,手続的瑕疵として取消自由となるのかについて,報告班の射程を中心になされました。
指摘としては,論文を読む際は,著者の言いたいことをよく理解する必要があるということがあげられました。
3,4人での報告は今回までで,次回からは2人,もしくは1人の報告となりますが,皆さん頑張っていきましょう(川﨑)。
2014.05.20 | Comments(0) | Trackback(0)
第4回 判断過程の統制
今回は,呉市公立学校施設使用不許可事件を取り上げ,判断過程審査について議論しました。 また,自分が初めて報告者としてレジュメ作成などに取り組みました。 判断過程審査はまだ学説でもまとまっておらず,様々な意見があり,非常に難しい論点だと感じました。 特に,考慮要素の選出,その要素の重み付けなどの根拠もはっきりしないのではないかという指摘もありました。 この点に関しては修正レジュメでもう少し詳しくしていきたいと考えています。
ゼミの雰囲気としては,1回目のゼミコンパが功を奏したのか初回より議論が活発に行われるようになったと思います。ただ,院生の方に頼っている部分も多くあるので,各々がより努力できたらと思います(室田)。
2014.05.13 | Comments(0) | Trackback(0)
第3回 専門技術的裁量
今日は専門技術的裁量が問題となった伊方原発訴訟ともんじゅ訴訟の2つについて議論しました。
報告班は,専門技術的裁量はあるのか,司法審査のあり方はどうあるべきなのかという点から私見を展開し,議論もその点を中心に行われました。
指摘として,判例評釈になっておらず,もっと判決そのものについて分析するべきであったこと,引用した評釈が古いこと,もんじゅの原審が福島の事故以降見直されるようになっており,その点に触れるべきであったことなどが挙げられました。これらのことは次回からの報告で活かしていきたいです。
今回は自分が報告者だったのですが,議論の途中で自分の言っていることがよくわからなくなったり,墓穴を掘ったりしてしまいました。もっと明確な受け答えができるよう精進していきたいです(川﨑)。
2014.05.09 | Comments(0) | Trackback(0)
第2回 委任立法の限界
第2回のゼミでは,医薬品ネット販売権確認等請求事件を題材に委任立法の限界について議論しました。前回のゼミから1週間という短い期間の中で,非常に濃い内容のレジュメが作られていて,驚くと同時に今後の報告の際のハードルが上がったように思いました。
2つのグループに別れての議論では,まず1人一発言を目標に疑問点や内容の問題点について話し合いました。院生の鋭い指摘からいろいろな議論が展開され,よく分からないことが理解できました。一方でグループないでも意見が分かれ決着がつかない論点もあり,今後の追求課題も見つかりました。
次回のゼミまで時間があるので次はもっと入念に準備をしておきたいと思います(室田)。
2014.04.22 | Comments(0) | Trackback(0)
第1回 オリエンテーション
今日は第1回ということでオリエンテーションでした。オリエンテーションでは,自己紹介,ゼミの説明,報告者の決定,モデル報告などが行われました。
モデル報告では,行政の外部化現象についての報告がなされ,次回からの報告でどんなことをすればいいのかというのがわかりました。
次回からは本格的な報告が始まるので積極的に議論に参加していきたいです。(川﨑)
2014.04.15 | Comments(0) | Trackback(0)
第26回 ゼミ論文報告会
今回は今期最後のゼミということでゼミ論文の内容についてひとりひとり発表を行い,その後ゼミ活動を振り返っての感想を言ってもらいました。
先生・院生方が年々このゼミのレベルが上昇しているとおっしゃっており,その中で多くのゼミ生ががこのゼミに入って様々な点で成長できたように思います。そのためか,近年ゼミにプレッシャーを感じるゼミ生も増えているようですが(笑)。
このゼミでは大変と感じることも多いと思いますが,来年も多くの方がこのゼミで学ばれたらと思います。
私事ですが,私は3年から毎週火曜日は体調が悪くなる日になりました(笑)。4年次はゼミを変えようかなとも思いましたが,無事2年間ゼミを続けることができました。辛いと感じることも多かったですが,2年間続けてきて本当によかったと思っています。これもひとえに先生,院生,ゼミ生の方々のおかげです。ありがとうございました(山崎)。
2014.01.17 | Comments(0) | Trackback(0)
第25回 論文進捗状況報告8
明けましておめでとうございます。
本日は今年度のゼミ報告最終日でした。
原・・・教育委員会と首長の法的関係
教育委員会は多様な問題が指摘されており,タイムリーな話題です。
今回はグループを分けることなく全員で行いました。
アドバイスとして,知識が増えてくるといろいろと書きたくなるかもしれないが,せっかく調べたからと言っていらないことを書きすぎると,私見が分かりにくくなる。書かない勇気も必要だということを言われました。
また,「中立性」や「独立性」といった用語の使い方に注意すべきことなどがありました。
活動報告としてはふさわしくないかもしれませんが,最後に報告を終えた者として,少し個人的な感想を述べさせてください。
ゼミ論の執筆はとても難しいです。様々な文献を読んで知識を深めることは誰にでもできますが,その先に自分の考えを論理立てて述べることの難しさに大変苦労します。
正直自分は,院生の方や先生の助力をたくさんお借りして,なんとか進めていました。
しかし自分の言いたいことを論理立てて示し,他人に理解してもらえたときの嬉しさも感じることができました。
本日の報告では自分の力不足を痛感しましたが,一年前の自分とは確実に違うという実感もあります。
村上先生をはじめ院生の方々,ゼミの仲間たちには大変お世話になりました。
ありがとうございました。(原)
2014.01.07 | Comments(0) | Trackback(0)
第24回 論文進捗状況報告7
本日は今年最後のゼミで2巡目の続きです。
岸くん・・・ストーカー事件の重大化防止について
上妻くん・・・まちづくりにおける住民参加手続の検討
2人とも主張がはっきりしており,特に上妻くんのテーマは去年都市計画をやったこともあり,とても興味深いものでした。
フィードバックとしては,ちょうどあと一か月で提出期限であるため,形式面も注意すること,「おわりに」までとりあえず書くこと,といったアドバイスをいただきました。とりあえず最後まで書くことで心に余裕ができ,修正もしやすくなるそうです。
今年も終わりで提出まであと一か月です。
体調に気を付けて年末年始をお過ごしください。
それではよいお年を(山崎)。
2013.12.17 | Comments(0) | Trackback(0)
第23回 論文進捗状況報告6
本日もゼミ論文進捗報告2巡目です。
しかしいつもと違う雰囲気でした。
本日はオープンゼミで,見学に来てくれたたくさんの後輩達の前での議論だったのです!
徳永くん・・・派遣労働者の保護
廣林さん・・・待機児童問題の解消に向けて
二人とも調べがかなり進んでおり,内容も深く考察を重ねたものでした。
論文の中で何が言いたいかがはっきりしており,自分の主張が明らかでした。
様々な資料から得た様々な情報を得て,論文の核となる部分も見えたら,次の段階としてどう構成するかを考えなければなりません。
具体的には,徳永くんの場合,「直接みなし規定」改正案を挙げていたがそれを核にするのであれば論文の最初の方に概要を説明したほうがよいなどといった助言がありました。
また,構成を考える際に,論文が長くなったとしても,幹となる部分を見失わず,核ではなくても重要だから書いているという部分は枝葉と意識し,一本の木をイメージするという院生の方のアドバイスが印象に残りました。
今年も終わりに近づいております。
不安を残すことなく年を越すため頑張りたいです。(原)
2013.12.10 | Comments(0) | Trackback(0)
第22回 論文進捗状況報告5
もう12月になりゼミ論文の提出締切も近づいてまいりました。
本日から2巡目の報告も3年生になりました。
小田くん・・・道路インフラの老朽化への対応
松枝くん・・・児童虐待防止と臨検
2人とも面白いテーマで,特に小田くんのものは高速道路のない島根出身の私にはとても興味深いものでした。
フィードバックとして,論文の射程について考えること,報告する際にもわかりやすくするべきであること,論文で何を議論するかをわかりやすくすること,といったアドバイスをいただきました。
来週からはゼミ見学期間ですので張り切って頑張りましょう!!(院生の方からそろそろ報告で「おわりに」くらいまで書いていることを期待されました(笑))
そして来週か再来週に忘年会もあるみたいです!(山崎)
2013.12.03 | Comments(0) | Trackback(0)
第22回 論文進捗状況報告4
朝は10度を下回るようになり,月日が経つのはあっという間だなと感じます。
本日も2巡目の論文報告です。
柴田さん・・・国家公務員の協約締結権
瑞慶山さん・・・行政の避難指導と損害賠償責任
今回の2人も非常に面白いテーマで,勉強になりました。
国家公務員の労働基本権の制約に関して,争議権を認めてよいのかについては柴田さんもおっしゃったように疑問に思いました。
行政の避難指示・勧告に関して,客観的な基準(科学的知見から)を設けることに関して,究極的には行政の裁量である点につき,どう責任を判断するのかなど,難しい論点は多いと思いました。
共通する指摘としては,「はじめに」の重要さ,判例の枠組みに対する私見を示すこと,章と章とのつながりについて挙げられました。
特に「はじめに」の重要性については,自分の論文でこのテーマを取り上げた理由(問題意識)をより詳しく示し,結論を簡単に言っておき,構成も詳しく示すなどの工夫で読者に興味を持たせることをアドバイスとしていただきました。
お2人の執筆力が高いことももちろんですが,この時期になると論文の内容もかなり詳しく,深くなっていると感じました。
自分は進捗がよくないので,がんばります。(原)
2013.11.26 | Comments(0) | Trackback(0)