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第11回 不作為の違法性
今回の報告では,不作為の違法性というテーマで,関西水俣病訴訟が取り上げられました。報告では,裁量権収縮論と裁量権消極的濫用論について触れられたのち,本判決の判断枠組みや関連判例について詳しい説明がありました。議論の中では,控訴審と上告審の判断の差異や裁量権収縮論が提示した4つの考慮要素について深めました。
大脇先生からは,学説がとっている裁量権収縮論は精密な審査が可能であるのに対し,裁量権消極的濫用論はスカスカの理論であること,しかし最高裁は「絶対に救済しなければいけない場面」で権利救済を行なえるように裁量権消極的濫用論をとっていることを教えていただきました。また,
本件最高裁判決でも裁量権収縮論の4つの考慮要素が検討されているようにも見えることについて理解することができました。
今回は,不作為の違法性を認めることが難しいとされてきた歴史を踏まえることが,本判決の何が画期的だったのかについて考える上で重要であったと感じました。
次回からはゼミ論文の作成に入りますが,選んだテーマの歴史的変遷を丁寧に押さえられた論文を目指したいと思います。(古瀬)
2024.07.08 | Comments(0) | Trackback(0)
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